企業のPCはなぜWindows Proが必要なのか!Homeとの違いは?

情シス

新しくPCを導入する際にOSは、WindowsのHomeとProを選べますよね?でも企業で導入するPCのOSは何でProを選んでいるかはっきりわからない・・・そんな状況でもしPCの導入担当になっても、この記事を読めば職場のPCになぜProが必要か理由がわかります。

もしも、相違点を理解せずにHomeを選択してしまうと、後々の業務に大きな支障をきたす可能性があります。たとえ、情報漏洩対策や社員の在宅勤務対応、複数PCの管理など、企業特有の要件が実現できません。

ここでは、IT担当者様向けに企業におけるWindows選びのポイントを分かりやすく解説します。特に、なぜ企業ではProが推奨されるのか、その理由を具体例を交えて説明していきます。職場での新規PC導入の打合せにも自信をもって臨めるようになるでしょう。

1.Windows Home・Pro(ウィンドウズ ホーム・プロ)の違いとは

まず簡単に、Home・Proの違いをご紹介します。

1-1. 1分でわかる主な違い

Homeは個人を想定した機能が中心なのに対して、Proは企業ユースに不可欠な機能が追加されています。

特に重要なものは以下の3点です:

  • データ暗号化(BitLocker)の有無
  • リモートデスクトップ(社外からの接続)
  • 複数PC一括管理(WindowsServerのActiveDirectoryを使用)

これらは、現代の企業活動において必須といえる要素です。

分類 Home Pro
基本操作
セキュリティ
ネットワーク管理 ×
リモート機能 ×

1-2.HomeとProをざっくり表で比べる

デスクトップの見た目だけではHomeもProも、同じように見えるかもしれません。しかし、会社で使う観点で見るとその違いは大きいと言えます。ここでは企業で使う機能を中心にHomeとProをざっくり表で比べました。

分類 具体的な機能 Home Pro 会社での必要性
情報を守る データの暗号化(BitLocker) × とても重要
ウイルス対策(Windows Defender) 重要
パソコンの管理 会社全体のPC管理 × とても重要
複数PCの設定一括変更 × 重要
セキュリティルールの一括設定 × 重要
外出・在宅対応 社外から社内PCへ接続 × 重要
PCの遠隔サポート 普通

2.こんな時に役立つ!Windows Pro

在宅勤務やPCの効率的な管理などにProが役立ちます。少し詳しくご紹介します。

2-1.在宅勤務

コロナ禍以降、在宅勤務は新しい働き方として定着しつつあります。リモートデスクトップ機能は、安全な在宅勤務環境の構築に不可欠です。

主な良い点は以下の通りです:

  • 社外から社内PCへの安全な接続
  • オフィスと同じ環境での作業
  • データを社外に持ち出さない運用が可能

IT管理者による遠隔サポートも容易になります:

  • PCトラブル時の迅速な対応
  • セキュリティアップデートの確実な実施
  • 使用状況の把握とモニタリング

2-2.PCの一括管理

企業では、複数のPCを効率的に一括管理する必要があります。Proが入ったPCであれば、WindowsServer(別途必要)を使用して一括して管理することが可能です。(Homeが入ったPCは一括管理の対象外)

具体的な良い点は以下の通りです:

  • ユーザーアカウントの集中管理
  • セキュリティ設定の一括適用
  • ネットワークリソースの共有設定

例えば、以下のような運用が可能になります:

  • 部署ごとのデータへのアクセス権限設定
  • プリンターやファイルサーバーの共有設定

2-3.IT管理の手間を減らす

多くのPCを使用する上ではIT管理者の負担軽減も大切です。この観点でもProが入ったPCは、WindowsServer(別途必要)を使用してIT管理の手間を減らせます。

具体的な良い点は以下の通りです:

  • セキュリティ設定の一括適用
  • アプリケーションの使用制限

さらに、以下のような管理業務も効率化されます:

  • ソフトウェアアップデート
  • ユーザーアカウント
  • トラブル対応の効率化

3.Proならではの重要機能

Proには、企業の業務効率を高める様々な機能が搭載されています。これまでは軽く触れてきましたが、少し詳しく解説します。

1)セキュリティ

  • BitLockerによるデータ暗号化
  • デバイスの使用制限
  • アプリケーションの実行制御

2)ネットワーク

  • Active Directoryとの連携
  • リモートアクセスの制御

3)システム

  • グループポリシーによる設定管理
  • ソフトウェア配布の自動化
  • バックアップ管理

3-1.BitLockerでデータを守る

BitLockerを使うと、PCやUSBメモリ内のデータを暗号化が可能で、紛失や盗難にあった際の情報漏洩リスクを下げる効果があります。使用をおすすめする状況の一例をご紹介します。

1)顧客情報を扱う営業部門

  • 取引先の機密情報をPCで管理
  • 外出先でのPC使用が多い
  • USBメモリでのデータ持ち出しがある

2)経理・人事部門

  • 給与データの管理
  • 従業員の個人情報管理
  • 会社の財務情報の取り扱い

3)開発・設計部門

  • 製品設計図面の管理
  • ソースコードの保護
  • 知的財産情報の取り扱い

近年、情報漏洩事故が企業の存続を脅かす大きなリスクとなっています。 Proには、この情報漏洩を防ぐための重要な機能が搭載されています。特に重要なのが「BitLocker」という暗号化機能です。 PCやUSBメモリの紛失・盗難時でも、データを確実に保護できます。

3-2.リモートデスクトップで在宅勤務

Proを使えば会社のPCに自宅から接続することができます。在宅勤務に不可欠なツールです。

以下のような活用が可能です:

主な使用シーン:

  • 自宅から社内PCへの安全な接続
  • 出先からの業務データ確認
  • IT担当者による遠隔サポート

セキュリティ面での特徴:

  • 暗号化された通信
  • 二要素認証への対応
  • アクセスログの記録

4.Windows Proについてのよくある質問

Q1. 「うちの会社は小規模だけど、本当にProが必要?」
A1. 会社の規模に関係なく、顧客情報や機密情報を扱う時には必要です。情報漏洩対策やリモートワーク対応など、ビジネスに必要な機能はProでしか使えません。

Q2. 「HomeからProへ後から変更できる?」
A2. はい、可能です。Windows10/11のHomeからProへ有料でアップグレードも可能です。

Q3. 「社員が個人PCを持ち込んで使う時にはどうすれば?」
A3. 会社管理外のPCで業務を行うことは情報流出などのリスクを上げるため好ましくないですが、BYOD(個人デバイスの業務使用)の場合でも、会社データを扱うPCはProを推奨します。情報管理の観点から、最低限のセキュリティ機能が必要です。

Q4. 「Proの主な管理機能は何?」
A4. 主に以下の3つです:

  • BitLockerによるデータ暗号化
  • リモートデスクトップによる遠隔操作
  • グループポリシーによる一括管理

Q5. 「在宅勤務でProは必須?」
A5. はい、推奨します。Proのリモートデスクトップ機能により、安全に社内PCへアクセスできます。Homeでは、この機能が使えません。

Q6. 「導入後のサポート体制はどうすれば?」
A6. Proの機能を使えば、IT管理者が遠隔で各PCをサポート可能です。セキュリティ設定や更新プログラムの適用も一括で行えます。

Q7. 「データ暗号化って本当に必要?」
A7. はい、非常に重要です。PCの紛失・盗難時の情報漏洩を防ぐため、BitLockerによる暗号化は、多くの企業で必須となっています。

Q8. 「既存のソフトは使える?」
A8. はい、基本的にHomeで動作するソフトはProでも問題なく使用できます。むしろ、Proの方が互換性は高くなっています。

Q9. 「Proの運用に専門知識は必要?」
A9. 基本的な機能は直感的に使えます。ただし、グループポリシーなどの詳細設定には、ある程度の知識が必要です。必要に応じて外部サポートを検討してください。

Q10. 「セキュリティ対策はHomeでも十分では?」
A10. Homeでは、企業に必要な重要なセキュリティ機能(BitLocker、詳細なアクセス制御など)が使えません。データを扱う企業としての責任を果たすため、Proが推奨されます。

5.まとめ

企業でのパソコン導入では、Windows Proの選択が推奨されます。HomeとProの違いは、主にセキュリティ機能と管理機能にあります。

繰り返しになりますが特に重要な機能は以下の3つです:
・BitLockerによる情報漏洩対策
・リモートデスクトップでの在宅勤務対応
・複数PCの一括管理機能

これらの機能は、現代のビジネスに不可欠な要素となっています。顧客情報や機密情報を扱う企業では、情報セキュリティの観点からもProの導入が必須といえます。

また、在宅勤務の普及や、効率的なIT管理の必要性を考えると、Homeでは機能が不十分です。Proの導入は、単なるコストではなく、企業の情報資産を守り、効率的な業務運営を実現するための投資として捉えることが重要です。

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