写真や動画などメールに添付できない大容量のファイルを送るときに、無料のファイル受け渡しサービスを利用していますか!?企業で使う場合、安全性の高い有料版の大容量ファイル受け渡しサービスを使うことをおすすめします。例えばお客様へ機密性のある情報をお送りするときにも、安全に配慮された有料版なら自社はもちろんファイルを受け取るお客様も安心して受け取ることができます。この記事では有料版のメリットや無料版のリスク、代表的な有料版のサービス紹介を行っています。会社で無料版のファイル受け渡しサービスを使っている場合は、この記事のメリットやリスクを社内への説得材料にして、ぜひ有料サービスを導入して安全に利用してください。
1.有料大容量ファイル受け渡しサービスとは
ここでは、有料大容量ファイル受け渡しサービスとはどんなものか、どんな時に使うものか、その背景も含めてご紹介します。また、このサービスには無料版もありますが、会社で利用する場合はセキュリティが充実した有料版を推奨しています。ここでは企業ユースでの無料版をおすすめしない理由もご紹介しています。
1-1.どのようなサービスか
大容量ファイル受け渡しサービスとは、動画やたくさんの写真など大容量のファイルを自分から相手へ安全に送るものです。企業向けでは主に有料で提供されており、安全に利用できる工夫が施されています。サービスの中には無料版もあり「ギガファイル便」や「データ便」などの名前で提供されています。皆さんも聞いたことがあるかもしれませんね。ここでは企業向けに安全性が高い有料版をご紹介していきたいとおもいます。
1-2.どんな時に使うものか
大容量ファイル受け渡しサービスの多くは、メールで添付することができない大容量のデータを相手先へ即時に送る際に利用されています。大容量ファイル受け渡しサービスは企業ユースに安全性が高められているため、動画などの大容量ファイルだけではなく、企画書や見積書など機密性のある文書の送信にもよく利用されています。
例えば、以下のようなファイルでよく利用されています。
- 画像や写真・動画
- パンフレットやチラシの校正PDF
- CADデータ
- 企画書、提案資料、見積書
- プログラムの納品
多くの場合はまず送り主が、ファイルを受け渡しサービスへアップロードして、その後ファイルのダウンロードURLを相手側へメールで送り、相手がダウンロードして使用されています。
1-3.サービスを利用する背景
メールは大容量の添付ファイルがついているとメールサーバーの容量制限に引っかかり、送受信できないことが多々あります。送信側でメールが送れても受信側のサーバーは容量をオーバーしてメールが戻ってきた、なんてこともよく聞きます。このほかにも、容量の大きいメールをたくさん送ると、相手の受信トレイが重くなってしまい相手のメールソフトも使い勝手が悪くなり、その迷惑を避けるため大容量ファイル受け渡しサービスが利用されている場合もあります。
1-4.無料版をおすすめしない理由
- セキュリティ面で有料版に劣る
特にビジネスで使用する場合は、ファイルの受け取り手のが「えっ!こういうデータを無料のサービスで送ってくるの!?」「ちょっとセキュリティ意識が低いのではないか、心配だな・・」という反応を引き起こすこともあります。そのため、相手のセキュリティ意識が高い、低いに関わらず、企業でのファイル送信は安全性も高い有料版のサービスを使うことをおすすめします。 - 誤送信の防止機能が不十分
一般的な無料版サービスの利用方法は、送り手がまずファイルをアップロードし受信者のメールアドレス打ち込むと、ダウンロードURLが記載されたメールが相手先に送信されることます。メールアドレスを間違えていた時のために有料版では、承認機能や宛先の制限が用意されていることがあります。 - 企業内のセキュリティポリシーで禁止されている場合がある
企業によっては内部のセキュリティポリシーで無料版のサービスを利用禁止にしていたり、会社が指定する大容量ファイル受け渡しサービスでのみ利用を許可している場合があります。無料版を禁止する理由は、会社としてセキュリティ面で劣る無料版を社員に使わせたくない等の意図があります。 - 広告が表示される
無料版では広告の収益でサービスが運営されている面もあり、広告がよく表示されます。ビジネス的に不適切な広告(ライバル会社の広告が表示される場合もある等)が表示されることもあり、このようなことも無料版をお勧めしない理由の1つです。
1-5.その他の大容量ファイル受け渡し方法
ファイル受け渡しサービス以外で、大容量ファイルを相手へ渡す方法もあります。その方法は、USBメモリーやDVDを使うものです。USBメモリーは手軽に利用できるメリットがありますが、その半面物理的なメディアのため紛失してデータ漏洩につながるリスクがあります。
2.メリットとデメリット
ここでは、法人向け大容量ファイル受け渡しサービスのメリット・デメリットをご紹介します。
2-1.メリット
- セキュリティが高く安心して利用できる
有料版は無料版に比べて、ファイルのアップロードやダウンロードが安全にできたり、ウィルス検査機能がついていたりと、安全性を高める工夫がされています。他にもダウンロード回数や期間の制限もできます。 - 低コスト、スピーディーに利用できる
USBメモリーやDVDを使った場合に比べるとメディア代や配送料を削減することができます。大容量ファイル受け渡しサービスであればWEB上でファイルの授受が終わるためUSBメモリーやDVDを買う必要がなくサービス利用料だけですみます。)
2-2.デメリット
基本的にデメリットは費用がかかることくらいと言えます。セキュリティ面もサポート面も有料版は無料版より優れています。有料版であればお客様にも悪い印象を与えることは無いと思いますので、有料版の費用は安全性や安心のためと考えるのがいいでしょう。
3.法人向け大容量ファイル受け渡しサービスの選び方
有料サービスは多くの業者が提供しています。ここではサービスの選び方をご紹介します。
3-1.一度に送信できる容量で選ぶ
サービスを比較する上で一度の送信で最大何ギガまでファイルを送れるのかは、皆さんが一番知りたいことかもしれません。基本的にはどこも、1ギガ以上のファイルを送れることが一般的です。これは一般的な企業で行うパンフレットデータや見積書データの送信であれば1ギガもあればほぼ問題なく使えます。ただ、特に制作系の仕事など時に何ギガ、何十ギガの容量が求められる業務では、一度実務で使う容量をシミュレーションして把握してからサービス比較することをおすすめします。
3-2.セキュリティ対策で選ぶ(1)
ビジネスでファイル受け渡しサービスを使ってお客様へ企画書や見積書、納品データを送ることも多々あると思います。ファイルには相手側の機密だったり公開前の情報を含んでいることも多く、送信側の企業としても取り扱いに配慮が求められます。そのためファイル受け渡しサービスを選ぶ際にも、どのようなセキュリティ対策が取られているかも比較することをおすすめいたします。
これは無いとも言えない事ですがもし、もし自社が利用するファイル受け渡しサービスにサイバー攻撃が行われて情報が流出したとします。そのようなときに無料版より強固なセキュリティ対策が取られている有料版を選定したことは説明はできるかもしれません。もちろん攻撃が無いに越したことはありませんが。
今日、突然どこでサイバー攻撃や情報流出が起こるか全くわかりません。セキュリティ対策を取っていても、情報流出事故が起こることはあり得ます。そのためお客様の機密をファイル受け渡しサービス上で取り扱う場合は、有料版のサービス選定の際に、どのようなセキュリティ対策が取られているかも把握しておくことをおすすめします。
3-3.セキュリティ対策で選ぶ(2)
セキュリティ対策で選ぶ場合の具体的なポイントを3つご紹介します。
- 誤送信への対策
メールでファイルのダウンロードURLを送る際に、あらかじめホワイトリストとして送信してもいいメールアドレスを登録できるサービスもあります。都度都度メールアドレスを入力して誤送信してしまうリスクを下げることができます。その他にも、あらかじめ設定した期日になるとファイルが自動削除される機能や、ダウンロード回数の上限を決める機能、送信時の組織内での承認機能もあり、各機能を組み合わせることで、誤送信のリスクをより下げることも可能です。 - 自社の情報セキュリティルールとの整合性
例えば自社内で定めた情報セキュリティルールに、お客様の機密にかかわるデータは社外のサーバーに置くことを禁止している場合もあります。大容量ファイル受け渡しサービスは相手先に送りたいデータを社外のサーバーに置くことになります。このため社内ルールに違反してしまうこともあり、このような場合は規定を見直すことも検討する必要があります。 - 操作ログの有無
大容量ファイル受け渡しサービスで誰がどのような操作を行ったかログが確認できる機能が付いているサービスもあります。大容量のデータが社外へ送れるだけに、万が一、故意での流出があった場合に損害の規模も大きくなりかねません。ログ機能を導入してそういったことへの防止やけん制につなげることも考えることが可能です。
4.主な法人向け大容量ファイル受け渡しサービス
サービス名 | おおまかな費用感 | 最大ファイル容量 | セキュリティ対策 |
Kozutumi | 比較的安め | 100ギガ | パスワード付ZIPファイルのアップロードを禁止しているため安全性が高い。(アップしたファイルにサーバー側でウィルスチェックする) |
GigaCC OKURN | 標準的 | 50ギガ | メール送信後に送信した後でファイルに問題があることがわかっても、その時点でダウンロードリンクを無効にすることができる。 |
DIRECT! EXTREME | 利用容量が多いと割高 | 2テラ | 基本的なセキュリティ機能に加えて、海外と安定的にファイルをやり取り可能。 |
クリプト便 | 利用者が多いと割高 | 10ギガ | 「人の誤操作」を最小化することを目的にシンプルな設計の下で管理機能を充実させている。政府のクラウドセキュリティ評価制度に対応しており行政機関でも使いやすいサービス。 |
Bizストレージ ファイルシェア | 高め | 4ギガ | 誤送信防止やアクセスログ機能などセキュリティ対策はほぼフルラインナップがそろっている。 |
5.利用時の注意点
ここでは、ファイル受け渡しサービスを導入後、実際に利用する際の注意点をご紹介します。
5-1.事前にファイル受け渡し手段を使うことを相手先にお知らせする
ファイル受け渡しサービスを利用してファイルを送信する場合は、実際に送信する前に「ファイルは後から受け渡しサービスを利用してお送りします」とお伝えしておくと丁寧でスムーズです。
例えば企画書や見積書などは受け取る相手方にとっても機密性のある文書であることも多々あります。予め「後から受け渡しサービスで送る」と伝えることで、安全な方法で文書を送ることをニュアンスではありますが伝えることもできます。
5-2.外部へファイル送信する際の社内ルールを確認する
企業によっては情報セキュリティの社内ルールで、ファイルの種類によって外部に送信できるもの、できないものが区別されていることがあります。ファイル受け渡しサービスを使う際は、社員一人ひとりが自社のルールに照らして、どんなファイルならアップロードできるか理解して運用する必要もあります。
なおファイル受け渡しサービス自体に承認機能があるものもありますので、より事故を防止していきたい企業では承認機能のあるものを導入検討されることをおすすめします。
5-3.パスワードをかけてから送る
実際にファイル受け渡しサービスで文書やデータを送る場合は、ファイル受け渡しサービス上でパスワードをかけて送ることをおすすめします。
パスワードをかけずに送った場合、もしダウンロードURLが相手方から流出してしまった場合に容易にダウンロードできてしまいます。そのためパスワードは設定して相手へ送ることをおすすめいたします。
なおパスワードのかけ方に関してです。現在はパスワード付きの圧縮ファイルを利用することは現在推奨されていません。パスワード付き圧縮ファイルだとウィルス検査をすることができないため企業によってはパスワード付き圧縮ファイルが使用できない場合があります。
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