社内の情報共有をメールや共有ドライブで行っていて、情報を発信する面でも、きちんと情報を見るにも手間がかかっている中小企業も多いのはないでしょうか。ここではそんな中小企業にお勤めの総務担当の方や経営者の方に向けて、クラウド型のグループウェアを導入すると解決できる課題や、グループウェアの機能、導入で得られるメリット・デメリット、中小企業におすすめのグループウェアをご案内します。この記事を読んでぜひグループウェアの導入に向けて、グループウェアの選定に進んでみてください。
1.グループウェアとは
ここではグループウェアとはそもそもどのようなものかや、中小企業向けにクラウド型グループウェアを導入することをおすすめする理由をご案内します。
1-1.そもそもグループウェアとは
グループウェアは、コラボレーションツールやコラボレーションアプリとも言われる職場での情報共有を支援するためのソフトウェアのことです。ブラウザ上で利用できるサービスが主流で、社内への文書発信であったり、会議室や備品の予約、スケジュール表等をはじめとした機能があります。発信自体は社内のどの部門からでも行うことができ、社員相互での情報発信・情報共有が可能になっています。
1-2.中小企業向けのグループウェアはクラウド型がおすすめ
グループウェアには、クラウド型(ITの知識が無くても主要な機能をすぐに利用できる)とオンプレミス型(初期費用がかかるがカスタマイズでき導入にIT知識が必要)があります。
中小企業向けには、初期費用を小さく抑えられ、ITに詳しくなくても導入がしやすいクラウド型のグループウェアがおすすめです。クラウド型は月額料金制で1名あたり●●●円×社員数のような課金方法が一般的です。大人数でなければそこまで大きな月額にはならずに利用していくことも可能です。
主なクラウド型のグループウェアは、Googleワークスペース、desknet’s NEO、サイボウズOFFICE、Microsoft 365、NI Collaboなどがあります。
2.グループウェアの導入で解決できる課題
ここではグループウェアの導入で解決できる課題をご案内します。
2-1.スケジュールの共有による見える化・効率化
グループウェアを使うと個人のスケジュールを簡単に社内共有することができ、ミーティングの開催であったり各自がどのような仕事に触れているかの把握もしやすくなります。スケジュールには、業務予定のほかに休暇予定も入れることができるため、例えば、ミーティングの日程調整もあらかじめ休暇の日がスケジュール上でわかるので、効率的に行うことができます。
また、広く社内共有することに向かない予定がある場合は、非公開スケジュールとして登録することもできます。
2-2.会社設備の有効活用
会議室やプロジェクター、スピーカーマイクなど社内設備だったり備品を予約して使っている場合はグループウェア上で在庫管理をして予約することができます。スケジュールとも連動しており、例えば会議のスケジュールで来週火曜の13:00~14:00に登録して、利用設備を照会すると13:00~14:00に空きのある会議室を同時に予約することもできます。
2-3.社内情報の一元管理による効率化
総務であったり、経理であったり、営業であったり、社内の情報共有をグループウェア上で行うことで、情報を一元管理することができ、従業員も効率的に時間をかけずに情報を集めることができます。この点、逆な例では、営業部はメーリングリストで情報共有をしていて、総務・経理はGoogleドライブで情報共有をしていると簡単に情報が入手できず情報共有に手間や時間がかかることがあります。メーリングリストは受信者が限られているので非受信者は受信者から転送してもらったり、GoogleドライブのID・パスワードを知らない人は知っている人に教えてもらったり新規発行してもらったり、ということがあります。
グループウェアを利用すると全社員が同じグループウェアで情報を投稿・確認(一元管理)するため、簡単で効率的に情報共有をすることができます。
2-4.場所を選ばない働き方の実現
社内の連絡や通達をグループウェア上で発信し即時に共有することができるため、社員はどこで働いていてもグループウェアで最新の社内情報を確認することができます。そのため、人手を通じた連絡や電話など時間のかかる手段での連絡は不要になるため、場所を選ばない働き方(働き方改革)を実現することもできます。
3.グループウェアの機能
ここではグループウェアの代表的な機能についてご案内します。
3-1.掲示板機能
掲示板機能ではテキストや画像、添付ファイルなどを掲載でき、グループウェアへログインした社員に向けて情報を配信することができます。具体的な使い方としては、例えば部署ごと(営業部、総務部、経理部など)に掲示板を用意して、営業部は新商品の販売開始について掲示板を使ったり、総務部は健康診断の受信方法を掲載したりといった使い方も可能です。この掲示板は、グループウェアにログインするとポータル(入口のページ)で投稿を新しい順で表示することができるため、用途とすると社内に対して速く知ってほしいことや、今知ってほしいことを掲載することに向いています。また、ポータルにも掲載されると聞くと掲示板は全社員向けの情報を掲載するものと思われるかもしれませんが、実際は一部社員向けの発信も掲示板に掲載して運用している企業もあり、掲示板に関するルールは各企業内で決めて運用を行っています。
3-2.スケジュール管理
スケジュール管理機能では、個人ごとであったり部署の予定を登録して社内に共有することができます。例えば、経理のAさんが明日銀行に行く予定があった場合は、明日の個人スケジュールに13:00~14:00は銀行に外出と記載しておくと、社内の他のスタッフもAさんの予定を確認することができます。そのため、例えばAさんを含めた会議の日程を調整する際も、明日の13時台はAさんは参加できないことが事前にわかるため、全員が空いている日時を探して会議を行うこともできます。
また、会議の話題が今出たのであわせて解説すると、会議の日程調整もスケジュール管理機能で行うことができます。例えば、明日の16:00からAさんBさんCさんの3名で会議をしたいとCさんが思ったら、Cさんはスケジュール管理機能上でAさんBさんの空きを確認して、空いていればそのまま全員のカレンダーに会議予定を一括で送信することもできます。会議の日程調整も手早くスケジュール管理機能で行うことができます。
ちなみに会議の日程調整をしようと思ったら、全員が空いている日時がなかった、という際には、参加者のうち予定が既に入っている人がいても、その人にも会議予定を送信することができます。
3-3.設備の予約
設備の予約機能は、会議室であったりプロジェクターなど社内で共有して利用する部屋や物品を予約できる機能です。例えば●月●日の10:00~12:00に会議室Aを予約とグループウェア上で登録しておくことで簡単に施設を予約することができます。
3-4.ファイル共有(書庫)
ファイル共有(書庫)機能は、出張申請書や稟議書など社内で決まったフォーマットがある文章のほか、就業規則などの文章を格納しておくことによく利用されています。例えば様々な申請書が格納された文章ラックのようなイメージをもっていただけるとわかりやすいかもしれません。ほかにも営業用資料を格納しておいて、ファイル共有機能から営業社員がダウンロードして利用するということも可能です。
3-5.ポータル
ポータル機能は、社員がグループウェアにログインしたときに一番最初に表示されるページのことです。このポータルは入口という意味で、このポータルを自社に使いやすいようにカスタマイズすることができます。例えば、ポータルを使う自社の従業員にとって入口のページが便利になるように、やや大きめに個人の予定を表示したり、見逃すことの無いように掲示板の新着も表示することもできます。
3-6.メール
メール機能は、グループウェア上で会社のメールを読んだり書いたりすることができる機能です。そもそもグループウェアは、スマホからなど会社外からもアクセスすることができます。そのため、社外からグループウェアにアクセスして、グループウェア上で会社のメールを読んだり送信したりといったことも可能です。
3-7.チャット
チャット機能は、グループウェアの中で社員同士のチャットが行える機能です。グループウェアは、基本的には発信した内容は全社で共有されますが、チャット機能を利用すると1対1のコミュニケーションを行うことも可能です。
3-8.ワークフロー
ワークフロー機能は、各種の社内申請であったり稟議のような機能です。例えば、ワークフロー機能上で、社員の住所や通勤経路の変更を受け付けて総務の担当が承認といった使い方も可能です。
4.メリット
ここではグループウェアを導入することのメリットをご案内します。
4-1.ペーパレス化によるコスト削減
社内向けの発信をグループウェア上で行うことができるため、紙での連絡・通達や回覧を廃止することができ、紙代や発送料といったものを削減することができます。ペーパレス化の効果は実は紙代だけではなく、情報発信のスピードも速める効果があります。
4-2.円滑な情報共有を促進
グループウェアは、即時に掲示板のアップやチャットのやり取り、スケジュール反映等を行えるため、情報共有を円滑にすることができます。グループウェアを使いだすと、発信した情報を見てタイムリーに従業員が業務を行っていきます。リアルタイムに情報が共有できるグループウェアを使うことで便利という認識が広がり、情報共有を促進させることも可能です。
4-3.予約や押印の手間を削減
会議室や社用車の予約などノートやエクセルで行っていた場合は手書きやエクセルフォーマットの作成に関する事務的な手間を削減することができます。また社内申請はワークフロー機能を使うことでログインしている従業員の情報を利用して申請できるため押印を省略して手間を削減することもできます。
5.デメリット
ここではグループウェアを導入することでのデメリットをご案内します。
5-1.コストがかかる
基本的にグループウェアは、1ID当たりの月額料金がグループウェアを利用するID分かかる料金体系が一般的です。例えば、1IDあたり300円の月額料金となっているグループウェアを、30名の社員で利用する場合は、30名×300円=9,000円の月額料金がかかります。
グループウェアをこれまで導入していない場合は、新しくかかる費用となってくるため、この点で会社の理解を得にくい場合もあります。そのような場合は、経営者からの情報発信も総務や営業などの各部門からの情報発信もスピーディーに行えること、かつ見る側の従業員もスマホでどのような場所からすぐに見られること、その結果グループウェアを使うと経営者と従業員や従業員同士の情報共有を速やかに行えることを、効果として訴えてみてはいかがでしょうか。
6.おすすめの中小企業向けクラウド型グループウェア
ここではおすすめの中小企業向けクラウド型グループウェアをいくつかご案内します。
サービス名 | 提供元 |
Googleワークスペース | |
desknet’s NEO | 株式会社ネオジャパン |
サイボウズOFFICE | サイボウズ株式会社 |
Microsoft 365 | マイクロソフト |
NI Collabo | 株式会社NIコンサルティング |
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