社用車管理を車両管理アプリで効率化・ペーパレス化!運転の安全性も高める

情シス

企業で営業車を利用すると、車両の維持管理、保険、定期検査・車検、給油記録や運転記録など煩雑な車両管理を行っていく必要があります。近年は法律でアルコールチェックの実施と記録保管も義務となり、社用車について日々やるべきことと、定期的に期限内にやることが混在し運転者も車両管理者も双方の業務負荷が高まっています。そこで、車両管理アプリを導入することで、運転者や車両管理者が行う運転申請や点検状況の確認など社用車の管理業務を一元管理して効率的に行うことができます。ここではエクセルや紙で社用車の管理を行っている企業の車両管理者の方に向けて、車両管理アプリでできることや導入メリット、課題となるデメリットをご案内します。営業車の車両管理の手間削減を実現するために、ぜひアプリの選定に進んでみてください。

1.車両管理アプリとは

ここでは車両管理とは何か、車両管理アプリとはどういったものか等をご案内いたします。

1-1.そもそも車両管理とは何か

企業で事業のために社用車を運用する場合は、車両を管理する業務も必要となります。管理の内容としては、車両自体が安全であるかや、保険がかかっているか、車検、点検を行っているか、運転記録がつけられているか、燃料が適切に消費されているか、運転ルートや用途も適切であるかなど多岐にわたります。また直接車両のことではないものの、運転者が運転免許を保持しているか、運転前のアルコールチェックを行っているか、社員が法令を守って運転しているかなども重要なことなので、車両管理とあわせて確認、管理していることが多いです。
社用車を導入すると、事故を起こしたり、交通違反をしてしまい、人をケガさせたり、対人・対物で賠償義務を負ったり、会社の評判を落としたり、修理代がかかり営業活動も止まってしまうことがあります。車両をきちんと管理することで事故のリスクを下げることにもつながるので、必然的に企業では確実に車両管理を行っていくことが求められています。

1-2.車両管理アプリとは何か

車両管理アプリとは、企業に求められる車両管理業務や付随する安全運転のための管理業務をひとまとめにし、それらを効率的に行えるアプリです。
スマートフォンのアプリ(ブラウザーで開くWEBページタイプのアプリもある)でも提供されているため、例えば営業社員が社用車を利用する場合は、運転者が運転の前後に車内で車両管理業務を行うこともできます。具体的には、運転前の車両点検の結果をスマホからアプリに記録したり、アルコールチェックの結果を提出することもできます。運転が終了したら、アプリ上から運転日報を入力しその日のメーターや給油量、行先などを記録することができます。クラウド型の車両管理アプリであれば、運転者のスマホから運転前や運転後に打ち込まれた内容は、リアルタイムに車両管理者が確認することができます。

1-3.社用車(白ナンバー)でも5台以上持つ会社はアルコールチェックと安全運転管理者の選任義務がある

2022年4月より白ナンバー車を5台以上持つまたは11人以上の定員の車を持つ企業に対して、アルコール検査と安全運転管理者の専任が法律で義務付けらています。
社用車を5台以上持っている企業であれば、乗車の前と後にアルコールチェックを行い結果を1年間保存する必要があります。
車両管理アプリを使うとアルコールチェックの実施や結果の保管も同時に行うことができます。

アルコールチェックについてはこちらのアルコールチェッカーアプリをご紹介する記事で詳しくご案内しています。⇒「アルコールチェッカーアプリで遠隔地からのチェックや運転記録保持を手軽に

2.車両管理アプリの機能

車両管理アプリにはどのような機能があり、どんなことができるかご案内いたします。

2-1.車両の予約機能

車両管理アプリには車両の予約機能も搭載されており、社用車を使う前の予約段階から利用することができます。エクセルや紙で管理している場合は、スマホアプリから車両予約ができるため業務の空き時間でも手軽に予約することができます。その後アプリによっては、物理的な使わずそのままアプリ内のデジタルキー機能を使い車両を解錠・施錠して利用することもできます。

2-2.アルコールチェック機能

運転の前と後に運転者のアルコールチェックを行う機能です。主に方法は2つあり、bluetooth対応のアルコールチェッカーをスマホとペアリングして行う方法と、普通のアルコールチェッカーの検測結果をスマホで撮影する方法があります。bluetooth対応型であれば検査値をアプリに転送することができます。
車両管理アプリによってはアルコールが検出された場合は、車のエンジンを始動させないことも可能です。

2-3.車両状態の管理機能

運転前の車両点検も運転者がアプリで記録することができます。キズの有り無しのほかタイヤの状態、方向指示器やライトなどをスマホのタップ操作で手軽に記録ができます。社外か社内かわからないけれども、社用車に知らない間にキズが付いていた、という際にも記録をたどることで時期や利用者などを探っていくことができます。

2-4.保険・点検・車検・運転免許の有効期限管理機能

車両ごとに異なる保険の期間や、点検や車検の時期もアプリ上で管理していくことができます。また運転者の免許が更新となる時期も含めて、3ヵ月前にアラートを発出して期限切れを防いでいくこともできます。
保険も点検も免許も、期限切れで事故が起こると補償が受けられない場合や免許の場合は違法となるため、アラートを活かして期限切れが起こらないように管理していく必要があります。

2-5.車両のモニタリング機能(位置・ルート・映像)

車両に位置情報や運転姿勢の送信デバイスや、LTE通信付きのドライブレコーダーを装着することで、管理者が事務所の端末上で車両のリアルタイム位置情報を確認することができます。また、急発進・急ブレーキなどを行ったことや、その際のドライブレコーダーの映像も遠隔で確認することができます。

2-6.運転日報機能

乗車から降車までの運転日報もアプリ内に記述することができます。車両の位置情報を計測するデバイスを装着していれば、走行距離やルートも自動で入力されます。その他、給油した場合の給油量や高速道路の利用有無などを追加入力すればスマホ上で日報の提出も完了させることができます。運転日報のために事務所に帰ったりPCを開いて日報を記述する、という必要もありません。

2-7.車両の稼働状況確認機能

社用車の利用状況をチェックしたり、社用車の数が適切か検討したい場合など稼働状況の確認機能を利用すと一目瞭然に稼働状況を確認することができます。予約をしたが実際には使われなかったケースも確認することができます。

3.車両管理アプリの導入メリット

ここでは車両管理アプリの導入メリットをご案内いたします。

3-1.運転者や管理者の申請・報告・確認の手間を軽減することができる

アプリの導入で運転者側は社用車利用の最初のアルコールチェックから最後の日報送信までをアプリで行うことができ、社用車利用手続きの手間や時間を短縮することができます。スマートフォンのアプリで手続きを行えるので、場所を選ばず乗車前後の空き時間に行うこともできます。
管理者側にとっても、運転者がアプリに入力したアルコールチェックの結果や運転日報をPC上からリアルタイムに確認することができます。(アルコールチェックの結果は1年間の保存義務がありますが、クラウド上に保存しておくことが可能です。)紙やエクセルを廃止できるので紙の管理やエクセルのシートを複製してフォーマットを準備するなどの業務も無くしていくことができます。

3-2.管理者側はリアルタイムに運転者の申請や報告を確認することができる

運転者からスマホアプリで送信されたアルコールチェック計測や運転日報の内容は即時にクラウド上へアップされるので、管理者はリアルタイムで確認することができます。運転の許可を即時に出せるため、営業社員が例え出張で車を2日以上連続で遠隔地にて利用する場合でも、出張期間でもいつもと変わらずアプリ上でアルコールチェックや日報のやり取りを行うことができます。

3-3.車両位置がリアルタイムに把握でき業務対応力を向上できる

社用車に位置情報の送信デバイスをつけている場合は、管理者は地図上で社用車の現在位置を把握することができます。このため急遽訪問が必要になったお客様先があっても現在位置から一番近い車を把握して向かわせることができます。

3-4.運転者の安全運転意識を向上させることもできる

運転中の位置情報のほか急加速・急減速、その際のドライブレコーダーの映像も遠隔で確認できることから、社用車の安全運転を向上させることができます。人によっては荒っぽい運転が癖になっている人もいるもので、目の届かない社用車でもその癖が出てしまうことがあります。これも長年の社用車管理の課題でしたが、位置情報や運転姿勢を送信するデバイスを装着することで社員の運転内容も管理していくことができます。

3-5.社用車の事故から社員や会社を守ることにつながる

万が一事故が起こった際には、保険利用や事故処理、車の原状回復などが必要で車両の管理者も運転者も多大な費用や労力がかかってきます。
日ごろの車両点検や、保険の更新、車両点検などやるべきことをやっていれば事故が起こった際も、それでもスムーズに保険の利用や車の修理などを行っていくことができます。社用車での事故は、運転者、社内の車両管理者、保険会社、リース会社、運転者の上司など登場人物が多く1つでも不備があると様々な理由などの確認が入り煩雑になりがちです。
そのため、日々の点検や定期的な検査の実施をアプリで追いかけ、確実にやるべきことを履行していくことで、いざ事故が起こっても保険利用や修理なども最善の手を打っていくことができます。

4.車両管理アプリのデメリット

ここでは車両管理アプリのデメリットをご案内いたします。

4-1.見られていることに社員が拒否反応を起こすことがある

業務車両の管理を目的としているものの、運転者からである社員から位置情報や運転姿勢、ドライブレコーダーの映像を収集していることに対して、拒否反応を示されることがあります。本来は業務車両の管理のための情報収集なので問題はないのですが、それまでの社用車管理は走行内容も申告ベースです。社用車の利用環境が大きく変わるため拒否反応を示す社員もいるかもしれませんが、アプリによるアルコールチェックや日報申請で便利になること、事故が起こった際にも日々のアプリの正しい利用で自分や会社を守ることにつながることを説明して理解していただくのも解決方法の一つではないでしょうか。

4-2.機器の整備やアプリ利用に費用がかかる

運転者が車両管理アプリを利用するには最低限スマートフォンとアプリの契約が必要となります。他には必須ではありませんが、車両の位置情報や運転姿勢を管理者に送るためには専用のデバイスが必要となります。急ブレーキなどの映像を自動で送信する通信機能付きのドライブレコーダーも利用する場合は導入が必要です。リアルタイムで管理できることを増やしていくとどうしても導入する機器が増えて、費用も上がってしまいます。自社でどこまでの装備が必要かはよくよくご検討されることをおすすめいたします。

5.代表的な車両管理アプリのご案内

ここでは代表的な車両管理アプリをいくつかご案内します。

サービス名 提供元
Smart Drive 株式会社スマートドライブ
Bqey 株式会社東海理化電機製作所
AI-Contact ジェネクスト株式会社
Mobility One パイオニア株式会社
KITARO 株式会社アクシス
DRIVE CHART GO株式会社
D-Drive 株式会社ユビテック

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