営業活動に案件管理システムを導入して可視化＆一元管理！効率的な案件管理へ

営業部でエクセルの案件管理を行っていて、営業社員に案件入力してもらっているものの、入力ミスや入力漏れがあったり、はたまたエクセルが見づらかったり、いろいろな課題を抱えている営業管理者の方がいらっしゃるのではないでしょうか。これらの課題は対して案件管理システムを利用することで様々なことを解決することができます。案件管理システムをご存じではない方やあまり知らない方でも、この記事を通して案件管理システムとはどのようなものかや、導入のメリット、システムの選び方をご案内いたします。ぜひ案件管理を効率的に行える案件管理システムの導入に向けてこの記事を読んでシステム選定に進んでみてください。

1.案件管理システムとは

ここではそもそも「案件管理」や「案件管理システム」とはどのようなものかなどをまず最初にご案内いたします。

1-1.そもそも「案件管理」とはどのようなことか

案件管理とは、営業活動の目標達成に向けて活動内容や進捗を記録し、営業部門内で活用していくことを言います。案件管理によって営業活動が可視化され、社内のどの営業社員がどこの企業の誰に対して、どのような案件で営業を掛けているかを簡単に把握することができます。他にもそれぞれの案件が、ポテンシャル段階なのか商談が進み確度が高まっているかや、見積の提出をどの商材をいくらで出しているか、獲得予定日や競合他社の情報を管理することもできます。
これらの案件管理を行うことで、営業活動を行う本人の記録になることはもちろんのこと、営業管理職との活動内容の共有、他の営業メンバーとの案件情報の共有も可能となります。

1-2.案件管理で追いかける項目とは

ここでは営業活動の案件管理で、追いかける代表的な項目をご案内いたします。

1. 顧客名
   企業名や相手先の部署名・担当者名
2. 案件名
   案件内容を案件名として簡単にまとめたもの
3. 営業社員名
   自社の担当者名
4. 活動開始日
   営業活動を開始した日付
5. 進捗状態
   案件の段階（例：ヒアリング/提案/見積/受注/失注）や確度
6. 商品名
   販売する商品名
7. 売上予定金額
   案件を受注した際の売上予定金額
8. 受注予定日
   案件が受注できる予定の時期

その他にも、商談の詳細内容であったり案件のフック（例えば新規テレアポや既存顧客の紹介などどう発掘したか）なども管理している場合もあります。

1-3.案件管理システムとは何か

案件管理システムとは、取り掛かっている案件をシステムで一元管理する仕組で、1件ごとの営業活動の詳細から、担当者ごと、部署ごと、商材ごとの進捗まで可視化できるものです。
現在ではクラウド型の案件管理システムが主に使われており、営業社員がPCやスマホからログインして新規の案件を登録したり更新をしていきます。案件管理システムは入力画面が営業管理に特化されているので案件情報を効率的に入力したり分析することができます。システム自体は、エッジやクロームなどのブラウザ上で利用するため出先でスマホを使って入力することも比較的簡単にできます。
また、システムは部署内で共有できるため、例えば社内でスタッフが顧客から新規案件の電話を受けた場合はスタッフが案件管理システムに案件を新規登録して営業社員に引き継ぐ使い方も可能です。

ちなみに、案件管理システム以外にも、CRM（カスタマー・リレーションシップ・マネジメント）という呼び名であったり、SFA（セールス・フォース・オートメーション）という名称でも案件管理システムは提供されています。一般的にCRMは顧客管理が中心のシステムで、SFAは営業活動支援が中心のシステムです。

1-4.エクセルで行う案件管理の方法（参考）

案件管理システムが未導入の場合は、エクセルで部署内の案件管理をしたり、担当者個人で案件管理を行っていることが多いのではないでしょうか。（担当者個人で案件管理をしていてもエクセルを使っていことが多いと思います）

エクセルのいいところは、フリーフォーマットで作れるため手軽に案件管理を開始することができます。一般的には、縦軸（A列・B列など）には項目名（企業名、営業担当者名、案件名など）を設定して、横軸（2行目以降）に具体的な案件情報を1案件につき1行入力していきます。入力項目を増やしたい場合も縦軸に新しい項目用の列を追加すればすぐに入力することができます。案件管理用のエクセルファイルは共有ドライブに保存すれば、社内共有して追記していくこともできます。

1-5.エクセルと案件管理システムとの違い

エクセルと案件管理システムとの違いは、案件が増えてきたり利用する社員が増えてくると、エクセルは自由に入力できることがあだとり、入力ミスや未入力に気づかなかったり、他の営業社員の案件を間違えて消してしまうなど、案件情報をきちんと入力できなくなることが増えてしまいます。これはエクセルが1つの画面を上下左右にスクロールさせて、入力する場所を探して入力する仕組みなので、未入力や入力ミスはどうしても起こりがちです。

この点、案件管理システムでは入力画面が案件管理に特化しているため、案件の基本情報を入力する画面や、商材を入力する画面、売上を入力する画面などが用意されています。案件管理システムを利用すると、入力間違いが減らせ、かつ効率的に入力していくことができます。案件管理システムにはレポート機能やダッシュボード機能もあるため、入力された案件から売上を拾って担当者ごと、商材ごと、部署ごとなどで簡単に集計することもできます。また案件管理システムは複数人で一斉に案件を入力したり編集することも可能です。エクセルだと1人が開いていると他の人は読み取り専用となり同じ時間帯に編集を行うことができません。（M365を利用している場合は誰かがエクセルを開いていても共同編集することができます）

2.案件管理システムを利用することのメリット

ここでは案件管理システムの利用で得られるメリットをご案内いたします。

2-1.案件の入力効率を上げて案件情報を蓄積できる

案件管理システムを利用すると、入力漏れや入力ミスを減らして効率的に案件を入力することができます。PCやスマートフォンのブラウザ上から案件を入力することができ、クラウド型なので外出先でもテザリングなどを使いインターネット接続ができるノートPCやスマートフォンがあれば、場所を問わずに案件を入力できます。入力画面も案件登録に特化して入力しやすくなっているため、比較的案件情報も蓄積しやすくなっています。

2-2.案件の可視化ができる

システムならではの案件の可視化が可能です。例えば、フェーズがヒアリングのまま30日以上滞留している案件を抽出して、担当者に要因を確認したりすることもできます。こういうケースでは、見積が出せない要因があり滞っている場合や、そもそも案件自体を最新状態に更新していなかった、ということもあります。
また基本的なこととしては、各営業担当ごとや商材ごと、地域ごと、フェーズごとなどで最新案件の一覧を作成することができます。これらは出力条件をレポート機能に設定しておけば、いつ見ても最新の案件一覧を確認することができます。

2-3.営業活動の属人化を防げる

営業活動の内容や顧客の情報を案件管理システムに入れることで、営業活動の経過が透明化され属人化も防ぐことができます。エクセルでの入力をやめ案件管理システム上の情報を基に上司が営業管理を行っていくことで徹底していくことができます。

2-4.場所を選ばない働き方ができる

お客様への訪問が多い営業社員にとっては、出先で案件管理システムの入力ができるため、場所を選ばない働き方が可能になり時間を有効活用することができます。例えば一日中営業活動で外出していた場合は、最後の訪問が終わった後にテレワークブースから案件情報の入力を行い、会社に戻らずにその日は終業することもできます。
なお、営業機密や顧客情報を扱いますので、外出時はノートPCにのぞき見防止フィルターを装着することをおすすめします。

2-5.ダッシュボードを利用して活動状況を自動集計できる

ダッシュボードを利用すると、現在の目標金額と手持ち案件の売上を可視化することはもちろんのこと、例えばローラーセールスをする場合に予め設定したターゲットのうち商談化している案件数が現時点でどれくらいあるかや、現時点で立っている売上も自動集計することができます。ダッシュボードを使うためには自社内で設定をする必要はありますが、営業施策を検証する上でも有効なツールです。

3.案件管理システムの課題やデメリット

ここでは案件管理システムを導入することの課題やデメリットについてご案内いたします。

3-1.営業社員の習熟に時間がかかる場合がある

エクセルの案件管理から案件管理システムへ移行する場合は、営業社員がシステムの操作に慣れるまで時間がかかる場合があります。そのためある程度余裕を持った移行計画を立てるなど対策を検討する必要があります。
また案件の情報自体は、受注に向けタイムリーかつ確実に管理していく必要があります。そのため営業社員が確実に案件管理システムを利用できるようになるまでは、例えばエクセルの案件管理と二重管理していくことで安全性を高めていくこともできます。特に案件情報を中心にして営業評価を行っている場合は二重管理の必要性について検討する必要があります。

4.案件管理システムの選び方

ここでは案件管理システムの選び方についてご案内いたします。

4-1.入力画面が見やすく使いやすいか

案件が増えてくると営業社員は比例して忙しくなってくるものです。そのため、案件の入力を短時間に終えられるためにも、自社にとって入力画面が見やすく使いやすいものを導入する必要があります。システムによってはお試し利用ができる場合は利用をしてみたり、あるいは製品デモを利用するなどして、ぜひ入力画面を確認しておきましょう。

4-2.自社に必要な機能をリストアップする

あらかじめ自社で必要に思われる機能をリストアップしておくと、案件管理システムの選定がスムーズです。案件管理システムには、差別化のために様々な機能が付いていることが多いです。例えば、顧客管理や営業日報などはどの会社のシステムにも付いていることが多いですが、システムによっては見積作成機能や、名刺管理機能、出勤退勤の打刻なども利用できる場合があります。そのためまず自社で必要となる機能にあたりをつけておくことをお勧めします。

4-3.費用面の確認を行う

システムにより月額固定費を取っていたり、利用する社員の数に応じて月額費用が決まったり、月額固定費+利用社員数の従量課金という費用体系を取っている場合もあります。そのため、自社で利用する社員数を想定して費用のシミュレーションを行うことをおすすめいたします。案件管理システムのようなクラウド型のサービスは、月額制をとっているため基本的に利用する期間が長いほど費用も大きくなります。そのため将来にわたり年間でいくらかかってくるか見込んで予算化しておくことも場合により必要となります。

5.代表的な案件管理システムのご案内

ここでは代表的な案件管理システムをいくつかご案内いたします。