社内ポータルサイトを導入して情報共有をスムーズに 機能や作り方をご案内

情シス

社内で情報共有の方法について度々改善したいという意見が出て、社内ポータルサイトを作り導入することを考えている、そんな中堅・中小企業の情報システム担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、社内ポータルサイトとはどのようなものかから、機能、メリット、導入方法をご案内しています。モバイルPCやスマートフォンを使い外出先やテレワークをする機会も増えてきた昨今、情報共有を行うための社内ポータルサイトの導入気運も高まっています。この記事を読んでぜひ導入に向けて社内ポータルサイトのツール選定などに進んでみてください。

1.社内ポータルサイトとはどういうものか

ここでは社内ポータルサイトとはどういうものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.社内ポータルサイトとは

社内ポータルサイトとは、その会社に所属する社員が、業務に必要な情報を見つけたり、規定類を閲覧したり、社内システムや勤怠システムを開くなど、会社の情報へアクセスするための一元化された入口のことです。

例えばこれまでは、販売マニュアルや新商品のパンフレット、規定類などは、社内の共有ドライブに入っており、必要な人がフォルダを辿って見に行くという使い方が多く存在していました。また最新の社内向けのお知らせについてもメールで連絡が届き、業務のメールの中に埋もれてしまい、過去の受信メールの記憶をさかのぼりながら検索して四苦八苦ということもあったのではないでしょうか。

これらが社内ポータルサイトを導入すると、ブラウザーで社内ポータルサイトを開けば、ポータルサイト内で業務マニュアルやパンフレットを見つけることができます。また、社内向けのお知らせもニュースのような形でタイムリーに掲載できるため、ポータルサイトを開くだけで業務連絡も確認することができます。他にも業務に必要な社内システムや勤怠システムへのリンクもポータルサイト内に貼っておくことで社員はポータルサイトから業務をスタートすることも可能です。

このように社内ポータルサイトは、営業部門から管理部門まで会社で必要となる情報を一つの場所に集約し、誰でも簡単に、そして必要な情報にすぐにたどり着けるような役割を果たしています。社員に社用スマートフォンの支給も進みつつある今、社内ポータルサイトを整備することでポータルサイトを利用する社員は情報を探す時間を削減できたり、逆に「〇〇の資料はどこにあるか教えてください」といった社員からの問い合わせ対応の手間も削減していくことが可能です。

1-2.社内ポータルサイトとグループウェアはどう違うのか

ここでは一見すると違いが分かりにくいこともあるので、社内ポータルサイトとグループウェアはどう違うのかについてご案内いたします。
まず簡単にグループウェアとはチーム内、課内、部内、本部内など、同じ組織に所属する人たちの業務を効率化したり、協働を促進していくためのツールルと言えます。マイクロソフトの「Teams」やグーグルの「Google Workspace」、サイボウズやデスクネッツなどのサービスが比較的よく使われています。例えば営業部内のターゲットリストをグループウェアに掲載して社員でローラーセールスをかけていく際に予定や進捗を記録したり、グループウェア内のオンラインミーティング機能を使って打合せや朝礼を行うといった活用も可能です。
社内ポータルサイトが、全社を対象とした情報発信とすれば、グループウェアは、日常業務を円滑にするための情報共有や情報発信機能が中心となります。ちなみに、グループウェアの利用は部署にとらわれることなく、別の部署の社員同士が協力して行っていくプロジェクトでも利用することができます。

グループウェアの代表的な機能としては以下のようなものがあげられます。

●スケジュール管理
チームメンバーの予定を確認し、会議室を予約するなど、業務をスムーズに進めるための機能。

●Webメール・チャット
リアルタイムでのコミュニケーションを可能にし、スピーディーな意思決定を支援する機能。

●タスク管理
チームのタスクや進捗状況を可視化し、作業漏れを防ぐ機能。

●ファイル共有
プロジェクトに関連するドキュメントや資料を共有し、共同編集を可能にする機能。

●ワークフロー
稟議や申請などの手続きを電子化し、承認プロセスを効率化する機能。

2.社内ポータルサイトの主要機能

ここでは社内ポータルサイトの主要機能についてご案内いたします。

2-1.お知らせ・掲示板機能

お知らせや掲示板機能は、社内ポータルサイトの最も基本的で重要な機能です。会社全体の重要な発信を全社員に確実に周知していくために利用することができます。次々と受信メールが届き埋もれてしまうメールでの情報共有とは異なり、ポータルサイトのトップページに目につきやすい新着情報も用意してそこでお知らせを表示することも可能です。社員に広く周知したい経営方針に関わることや人事情報などもうまく共有することができます。
また、ややグループウェアの領域にも入ってしまいますが、ポータルサイトのお知らせであっても各部署やチームの連絡事項などターゲットを絞って情報を発信することもできます。必ずしも全社情報の投稿だけでなく、誰でも情報発信できるように設定すると、社内コミュニケーションの活性化にも利用することが可能です。

2-2.社内マニュアル・FAQ機能

業務マニュアルやよくある質問(FAQ)を掲載する機能は、社員の探す時間を削減できるだけでなく、回答する側の時間を削減することも可能です。例えば、勤怠管理システムのマニュアルを社内ポータルサイト上に作成したり、各種の申請方法など頻出の質問をFAQコンテンツに掲載していくことで、利用する側と運用する側の双方の時間を短縮していくことが可能です。
他にも営業部門で使う販売マニュアルについても、社内ポータルサイトに整理して掲載することで、既存社員に向けた情報発信以外にも新入社員への教育用途でも活用することもできます。社内ポータルサイトの導入は情報が表にでる環境を構築することにつながるので、情報のブラックボックス化へ歯止めをかけるきっかけとすることもできます。

2-3.ファイル共有機能

例えば社内規定であれば、就業規則から給与規定、通勤費規定、育児介護休業規定など他にも多くの規定類が存在していると思います。ファイル数も数十個に及ぶことがあるかもしれませんが、それらも社内ポータルサイト上にアップロードし、ツリー形式に整理して数多く存在する社内規定を選びやすく掲載することも可能です。
社内規定だけでなく、商品のパンフレットや仕様書などもファイル共有機能にアップロードしておけば営業社員だけでなく技術スタッフや営業アシスタントにいたるまで幅広く共有することもできます。

2-4.ワークフロー機能

社内ポータルサイトには、各種申請や稟議を行うためのワークフロー機能を持たせることも可能です。ワークフロー機能はグループウェアにも搭載されていることがある機能ですので、必要に応じて社内ポータルサイトで行うかグループウェア上で行うか検討することもおすすめいたします。
機能的にはどちらも、申請を電子化して社内の承認プロセスをシステム上で行ってしまうものです。従来の紙での申請書作成や押印、手渡し回覧が不要になるので業務を効率化することが可能です。

2-5.アンケート・投票機能

社内ポータルサイトは全社員が見に来るため、アンケートや投票を行う際に利用することもできます。例えば「新商品開発アイデア」を募ったり「社内イベントでやりたい企画」などを募集することも可能です。

3.社内ポータルサイトを導入するメリット

ここでは社内ポータルサイトを導入するメリットについてご案内いたします。

3-1.社員が情報を探す時間を短縮でき効率的に社内の情報共有を行うことができる

例えば、社内で経理の経費精算ルールであったり、総務の各種申請書が部署ごとに異なる場所に保管されていたり、社員によって最新の業務マニュアルがある場所を知っている人と知らない人がいたり、こういったことを新入社員に都度都度教えていたり、といったことはあるのではないでしょうか。
こういった社員が情報を探すのに費やす時間は、塵も積もれば山となるものです。年間で見ると多くの時間を費やしていることにもつながるため、社内ポータルサイトで情報を一元管理することでわかり易く情報を整理して探す業務時間を削減していくことができます。

3-2.ペーパーレス化を進めたり働き方改革へも貢献することができる

社内ポータルサイトを運用開始すると、すべての情報が電子化されて掲載されるため必然的にペーパレス化を進めることができます。例えば、稟議書、申請書、回覧など社内で使われている文書をポータルサイト上で管理・共有していくことで、印刷して使うといったことも減らしていくことができます。
また、テレワークや出先でモバイルPCを使って業務を行う際にも、業務上必要となる情報をどこにいても社内ポータルサイトから引き出せるため、場所にとらわれずに業務を遂行していくこともか可能です。社内ポータルサイトは働き方改革を実践していくために必要となるインフラの1つとも言うことができます。

3-3.広く社内で利用できる情報共有基盤を作ることで業務の俗人化にも歯止めをかけることができる

全社で社内ポータルサイトを導入すると、それはナレッジの蓄積環境を構築したことになります。特定の社員しか知らない業務ノウハウや進め方を共有しはじめるにも情報を共有するための箱が必要となります。アナログな仕事の仕方を行っていると仕事のやり方も表に出ずらく業務の俗人化が進んでしまう面があります。社員の退職や異動でナレッジが消えてしまわないためにもまず情報共有基盤を整備することが一番に必要です。

3-4.社内情報のセキュリティ管理を強化したりBCP対策にも利用できる

社内ポータルサイトは社員一人ひとりにID、パスワードを配布することができ情報アクセスの権限も管理することが可能です。そのため、不用意な情報流出を権限で制限しておくことで流出に関するセキュリティリスクを低減することができます。また社内ポータルサイトは災害時や緊急時にも、会社から社員への安否確認や緊急連絡を迅速に行うためのインフラとして活用することも可能です。平時から会社で利用する情報が一元化されているため、災害発生時でも社員は正しい情報に迅速にたどり着くことができます。

4.社内ポータルサイト 作り方・導入の仕方

ここでは社内ポータルサイト 作り方・導入の仕方についてご案内いたします。

4-1.導入の目的を明確化する

まずはツールを検討を行う前に、何のために社内ポータルサイトを導入するのかを明確にすることが重要です。自社内で情報共有に関して課題と言われることを洗い出し、例えば「社員の問い合わせ対応を減らしたい」「情報共有のムラをなくしたい」「新入社員教育を効率化したい」「全社員に経営からの発信を浸透させたい」「ナレッジを蓄積し、属人化を防ぐ」など整理してみましょう。

4-2.自社に合ったツールを見つける

目的が明確になったらツール選定に移ります。自社にあったツールを選ぶためには下記の観点でシステムを比べてみることをおすすめいたします。。

●機能
自社で利用したい機能(お知らせ、マニュアル、ワークフローなど)がきちんと備わっているか。

●使いやすさ
閲覧時でも投稿時でも社員が直感的に使えるか。全社だとITリテラシーが高くない社員がいることも想定して簡単に使えるかどうかも重要な項目の1つです。

●コスト
初期費用や月額費用、追加ユーザー費用など、ツールごとに料金体系は異なります。一度使い始めると情報が集約されるので他のツールへ乗り換えるには移行の手間もかかるため、年単位での運用コストをシミュレーションしてコスト面は比較することをおすすめいたします。

●無料トライアル
ツールによっては無料トライアルができる場合があるので、利用可能な場合は実際に操作性を確かめてみることをおすすめいたします。

4-3.スムーズに運用を開始する

社内ポータルサイトは導入当初には情報を載せる作業があるため社員に負荷がかかりがちです。またこの導入当初に「今後はこの場で情報共有を行っていきます」ということを広く共有しておくことも必要です。
スムーズな運用開始には例えば、経営層からトップダウンで「なぜこの社内ポータルサイトが必要なのか」の説明であったり、あるいは社員が見たくなるような魅力的なコンテンツ(社員紹介、部署ブログなど)も用意することも有効です。このほかには 日常で周知する機会にも「お知らせはポータルに掲載します」や「マニュアルは必ずポータルで確認してください」など口頭で少しづつ触れていくことも重要です。

5.主な社内ポータルサイト運用ツールのご案内

ここでは主な社内ポータルサイト運用ツールのご案内いたします。

 

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