クラウド型文書管理システムを導入し社内での文書管理を効率化し生産性を向上

情シス

社内のファイルサーバーに様々な文書が散財していて、文書の検索に時間がかかったり、権限管理もきちんとできておらず誰がダウンロードしたのか、誰が間違って削除してしまったのかもわからない、、、そんな課題を抱えている中堅・中小企業のシステム担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事ではこれらの課題を解決できるクラウド型文書管理システムをご紹介しています。クラウド型文書管理システムとはどのようなものかから、主要機能、導入メリットなどをご案内しています。ぜひこの記事を読んで文書管理の課題を解決するためにクラウド型文書管理システムの選定に進んでみてください。

1.クラウド型文書管理システムとはどういうものか

クラウド型文書管理システムとはどういうものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.クラウド型文書管理システムとは?

クラウド型文書管理システムとは、企業内で利用される文書を一元的に電子化し、登録、分類、検索、共有、廃棄など文書のライフサイクル全体を管理できるシステムです。システム内には登録・分類機能、検索・共有機能、セキュリティ・統制機能、業務プロセス連携機能などが組み込まれています。
文書管理システムはこれらの機能によって、企業の文書を保管しているだけの状態から活用できる状態へと業務の幅を広げていくことが可能です。
またクラウド型のため開発会社が提供するサーバー環境とソフトウェアを、月額または年額で利用する方式であるため、初期費用がかかる新たにサーバーを購入することだったり社内で専門的な設定作業は不要になります。またこれもクラウドならではの特徴ですがクラウド型文書管理システムを利用するユーザー数やストレージ容量は、契約プランを変更するだけで比較的柔軟に増減が可能です。社内の利用意向にそってクラウド型文書管理システムの利用者を増減させることが可能です。

1-2.紙の文章や通常の電子ファイルを管理する際の課題

多くの企業では文書は紙媒体とパソコン上で読み書きできるファイル(ファイルサーバー)の二元管理体制となっているのではないでしょうか。この紙と電子ファイルの二元体制は、情報の検索や共有、保管などで課題を生じさせてしまいます。
紙文書には、物理的な保管スペースの確保が必要なことはもちろんのこと、ファイリングや廃棄作業の手間がかかったり、オフィス外からの読むことができないこと、ほかにも災害リスク(火災・水害など)による消失リスクもあります。特段文章の管理体制を組んでいなければ紙の管理は属人化していたり、キャビネットに入れたまま管理者不詳となってしまうこともあります。
また、通常の電子ファイルだけを見た場合、基本的にフォルダ名やファイル名で検索するため目的の文書を探すのに時間がかかったり、複数人で文書を更新していると複数のドライブ内やメールなどに最新版が飛び散って、どのファイルが最新版かすぐに特定するのが困難になります。また、フォルダ単位のアクセス権限設定に留まり、誰がいつ、何を閲覧・ダウンロードしたかの操作ログ管理が不十分になりがちである。リモートアクセスから共有ドライブを利用する際も安全なリモートアクセスにはVPN接続などの専門的な設定が必要になります。
これら紙の文章や通常の電子ファイルの課題は、間接部門の工数を増やしたりセキュリティリスクの悪化させるなど運用上で課題が生じがちです。

2.クラウド型文書管理システムの主な機能

ここではクラウド型文書管理システムの主な機能についてご案内いたします。

2-1.検索と分類機能

ファイルサーバー最大の課題を解決できるのがクラウド型文書管理システムの検索機能です。必要な文書を探し出すのに時間がかかることです。クラウド文書管理システムでは、全文検索(フルテキスト検索)が可能で文書の中身(本文)まで含めてキーワード検索することができます。例えば、「2024年4月1日の価格改定」というキーワードで検索すれば、ファイル名に関係なく、そのキーワードが含まれるすべての文書を瞬時に見つけ出せます。またクラウド型文書管理システムは、文書自体に「顧客名」「契約日」「有効期限」「担当者」などのタグを付けることができます。それらのタグも検索時に条件として利用することができます。例えば「A社の契約書」「有効期限が今月中」といった、複合的な条件で絞り込みを行って言うことが可能です。必要な文書への到達速度が向上できます。

2-2.文書登録時の自動分類機能

クラウド型文書管理システムであれば文書の登録自体も効率化的に行うことができ、入力の手間とミスを減らします。ドロップ&ゴーと言われる画面にファイルをドラッグ&ドロップするだけで文書登録を行うことができることや、稟議書や申請書など定型文書はテンプレート登録をして「稟議書」や「申請書」といったタグ情報も最初から自動で付与されるように設定できます。
また、スキャン文書のデータ化も行うことができ紙文書をスキャンしてアップロードする際、OCR機能で画像化された文字を読み取り、検索可能なテキストデータに変換することもできます。精度の問題はあるかもしれませんがこれにより、紙文書も全文検索の対象に含めることができます。

2-3.バージョン管理機能

複数人で一つの文書を編集する場合の混乱や、承認作業の遅延を防ぐ機能は、業務の統制とスピードに直結します。

バージョン管理機能はファイルサーバーにはない、クラウド型文書管理システムの重要な機能の一つです。この機能は文書の最新版を自動識別できるもので、文書が編集・保存されるたびに、システムが自動で「Ver 1.0」「Ver 1.1」のようにバージョンを振ることができます。常に最新版(最終版)があるため誤った古い文書を使って作業するミスを無くしていくことができます。また過去のバージョンもすべてシステム内に保持されているため、「前の版に戻したい」「誰がどこを修正したか確認したい」といったことも簡単に対応することができます。作業の手戻りを防ぐ方法としても重宝します。

2-4.ワークフロー(電子承認)機能

ワークフロー機能もこの文書管理システムの機能を利用していくことも可能です。従来の紙の申請書を印刷し、ハンコをもらいに文書を回覧するという作業も文書管理システムでデジタル化することができます。ワークフロー機能なので部署や金額、文書の種類に応じて「誰から誰へ」承認を回すかをあらかじめシステムに設定することができます。申請者はシステム上で申請し、承認者にも対象となる申請依頼があるとメールやシステムが通知を発信します。そのため外出先でもスマートフォンから承認者は承認ができるため意思決定のスピードアップにも貢献することができます。ちなみに申請が今どこで止まっているのかを可視化することも可能です。「誰かが出社するまで止まっている」といった申請書類のブラックボックス化も防ぐことができます。

2-5.セキュリティ機能

セキュリティ機能の充実もクラウド型文書管理システムの特徴の一つにもなっています。クラウド型文書管理システムであれば、文書単位・ユーザー単位でのアクセス権限の設定も可能で、特定の文書一つだけに対し「この部署のメンバーは閲覧のみ」「この役職の人は編集不可」といった細かい権限設定も可能です。機密情報へのアクセスもきめ細やかに設定することができます。またダウンロードについても制御が可能で、文書の閲覧は許可しつつも、ダウンロード自体を禁止する設定も可能で従業員によるデータの外部持ち出しリスクを下げることもできます。
また操作ログについてもアクセス権限同様に、誰が、いつ、どの文書を閲覧した、ダウンロードした、編集した、削除したなど、いずれの操作も記録することが可能です。この操作ログがあるおかげで、従業員の不正行為に対する抑止力とすることも可能です。もし実際に疑わしい操作があった場合には、ログを検索することで、誰がいつどのような操作をしているか迅速に特定することができます。

3.クラウド型文書管理システムのメリット

ここではクラウド型文書管理システムのメリットについてご案内いたします。

3-1.業務効率や生産性の向上

クラウド型文書管理システムの一番のメリットは業務効率や生産性の向上にあると言えます。文書を探す時間自体が高速化されかつ、検索対象も文章の本文自体にも広がります。例えば、過去の成功事例や提案資料も簡単に検索し、新しいプロジェクトに活かすことで、資料作成の工数や質が向上させることもできます。
スピードの高速化は文書の検索だけでなく、ワークフロー機能による承認・回覧プロセスもクラウド型文書管理システムによって高速化することができます。電子回覧によって紙の申請書のように、担当者のデスクに置かれたまま数日停滞することがなくなり、承認が必要な文書は、システムが自動で次の承認者に通知し、場所を問わずスマートフォンやPCから即座に承認を行うことも可能です。生産性の向上という意味では、紙での業務ではなくなるため承認のために出社する必要もなくなり、営業担当者が出先で、経営層が移動中に承認を済ませることもでき、申請や意思決定のサイクルを短縮することができます。
また、 文書作成の手間とミス削減の観点からもクラウド型文書管理システムなら業務効率を向上させることができます。システム内に必要な申請書や報告書のテンプレートが一元管理されるためどの版の申請書を使えばいいか分からないや、古いテンプレートを使ってしまったといったミスを無くしていくことができます。

3-2.セキュリティの向上

これもクラウド型文書管理システムの重要なメリットの1つですが、情報漏洩リスクの低減も上げることができます。誰でもアクセスできるファイルサーバーと異なり、クラウド型文書管理システムでは文書単位で「閲覧」「編集」「ダウンロード」を細かく設定することができます。機密情報や個人情報の管理には本当に必要な人だけが扱える環境を作ることが重要ですがクラウド型文書管理システムで実現していくことが可能です。
また、シャドーITと言われる従業員が勝手に個人のクラウドストレージやメールを使って重要ファイルをやり取りすることも、きちんとした利便性のある文書管理システムを会社で導入することで防いでいくこともできます。このシャドウITを引き起こす要因には、社内のIT環境が不便であるということもあります。
またコンプライアンスに関わる機能にはなりますが、クラウド型文書管理システムは電子帳簿保存法などの法律に対応する機能が組み込まれています。タイムスタンプ機能などを活用することで、電子データが改ざんされていないことの証明を容易にし法的要件をクリアすることもできると言えます。クラウド型文書管理システムの導入はコンプライアンス遵守の手間が軽減される効果もあります。

3-3.コスト削減と持続可能な体制の確立

コスト的な面でもクラウド型文書管理システムはメリットがあります。ファイルサーバーを導入する際に発生する初期費用であったり、自社でサーバーを保有することに紐づいて発生する構築費用、や運用保守費用もクラウド型であれば不要にすることができます。クラウド型は、契約したらすぐ使え、解約も基本的に自由にすることが可能です。
また紙の文書を減らしていくことで、印刷用紙、インク、ファイル、キャビネット、物理的な保管スペースといったものも削減効果があります。文書の保管場所を削減するには本腰を入れて文書の電子化を進める必要もありますが、クラウド型文書管理システムであれば容量の心配もないため、気軽に電子化を進めていくことができます。
また、いざ文章を電子化しておけば、災害やコロナウィルスのようなパンデミックが起こりオフィスが機能停止した場合でも、外部から業務を継続することもできます。クラウドであれば地理的に分散された堅牢なデータセンターがデータを二重三重に保管しているため、会社のオフィスが被災してもデータが消失するリスクはありません。

4.代表的なクラウド型文書管理システム

ここでは代表的なクラウド型文書管理システムをいくつかご案内いたします。

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