AIカメラをリサーチや安全管理に活用!機能や活用事例、メリットなどを紹介

情シス

AIカメラを活用してマーケティングリサーチを行ったり危険が伴う場所での安全管理を行ったり、そんな構想を考えている企業内のマーケティング担当の方や安全確認担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。AIでどこまでできるかは、まだよくわからない方もいらっしゃると思いますが、実は既にネットワークカメラにAIが組み込まれた「AIカメラ」のサービスが提供されています。ここではAIカメラとはどのようなものかや、AIカメラでできること、活用事例、メリット・デメリットなどをご案内いたします。この記事を読んでAIカメラのサービスを導入に向けて選定してみてください。

1.AIカメラとは?

ここでは、まずAIカメラとはどのようなものかなど、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.AIカメラとは?

AIカメラとは、撮影した動画や写真に対して人口知能のAIを活用して様々な解析を行うことが可能なカメラです。一般的にはカメラを通信回線でつないで遠隔から利用するものです。
従来のカメラ(ネットワークカメラ)は、動画や写真を撮影するだけで、例えば映っている人の人数を数えたり異常が発生していないかは、有人による動画や写真のチェック・監視をしない限りは実現できませんでした。ですが、AIカメラを利用すると例えばカメラに映っている人の人数を数えたり、危険なことが起こりかけているかどうかの監視などをAIによって行うことが可能です。これまでのカメラでは、マーケティングリサーチや防犯のための安全管理を行うにしても、有人でかつ時間をかけて目視で業務を行うしかありませんでしたが、AIカメラの登場によってマーケティングリサーチや安全管理のシーンで無人かつ大規模に活用することもできます。AIカメラの利用は生命や財産に関わる事柄については人に分析結果を出したりアラート出して最後は人間の判断が必要となりますが、AIが生成する分析結果の精度によっては大きく人間の工数を削減できる可能性があります。

1-2.従来のネットワークカメラとは?

AIカメラとまず対比されることの多い、従来型のネットワークカメラについて、ご案内いたします。

従来型のネットワークカメラとは、カメラで撮影した動画や写真をインターネットなどを経由してパソコンやスマートフォンで見ることができるカメラのことを言います。身近な例では、自宅で子供やペットの様子を撮影して出先にいてもスマートフォンで見たり、防犯目的でも自宅玄関や駐車場にカメラを設置して録画しておいて異常が起こった時に再生するなどでも利用されています。他にも電柱やオフィスビル、公共施設などに設置されている防犯カメラであったり、交通事故時に映像が自動伝送するドライブレコーダーとして利用しているケースもあります。
これらは撮影している映像をリアルタイムで再生することや、パソコンやスマートフォンで再生できる形式で動画や写真として保存することもできます。とにかくは、ネットワークカメラとは離れた場所の映像や写真を通信回線を経由して取得して、パソコンやスマートフォンなどで再生することができるカメラのことを言います。

1-3.AIカメラの種類(エッジAI、クラウドAI)

AIカメラは「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」の2種類に分かれます。ここではそれぞれどのようなものかをご案内いたします。

●エッジAIカメラ
エッジには「末端」という意味がありますが、エッジAIカメラは末端であるカメラ自体にAIが組み込まれているカメラです。カメラで撮影した動画をカメラ内でAIが解析できるため、AI解析のために動画を外部へ送信する必要がなく素早くAI解析を行うことができます。

●クラウドAIカメラ
クラウドAIカメラはカメラ自体にはAIは組み込まれておらず、カメラで撮影した動画や写真をインターネット経由でクラウド環境にアップロードしてそのクラウド上でAIが解析を行うものです。例えばショッピングセンターなど広範囲に多数設置されているカメラの膨大なデータをクラウドにアップロードして、顧客行動を分席するなど大規模なAI処理もクラウドAIカメラなら比較的実現しやすくなっています。

1-4.AIカメラの基本機能(画像認識、画像分類、画像処理)

AIカメラには画像を分類する機能と画像を認識する機能、画像を処理する機能の3つが備わっています。これらの機能を使って最終的にマーケティング活用であったり防犯活用のサービスが提供されています。

●画像を認識する機能
例えば、撮影した画像内には何が存在するかを認識することができますので、大人、高齢者、子供など映った身体的な特徴から認識することもできます。大人や高齢者や子供の人数を分析することもこの機能で実現することができます。

●画像を分類する機能
例えば、同じ場所を撮影していても、AIによって晴れている画像と雨が降っている画像をこの機能によって分類することができます。天気によって顧客数がどのくらい増減するかといった分析もこの機能で実現することができます。

●画像を処理する機能
例えば、撮影した画像を編集して人の顔の部分を自動的にぼかしてプライバシー対策を施すことも可能です。顔を利用せずに被写体のプライバシーに配慮した分析を行う際にもこの機能で実現することができます。

2.AIカメラでできること

ここでは、AIカメラでできることをご案内いたします。

2-1.人数や通行量の計測機能

基本的でかつAIカメラを利用した分析にも比較的利用されるのがこの人数や通行料の計測機能です。
人数計測では、マーケティングリサーチのための録画データを使った人数算出から、イベントや施設での安全対策としてリアルタイムの人数算出まで活用することもできます。人手での集計や即時の把握が難しい物事でもAIの処理を利用することでスピーディーにに計測可能です。
交通量計測でも従来の人手によるカウントからAIカメラの利用によって自動化することができ、道路交通の交通量であったり交差点でどの方面へ言ったかなどもAIカメラの画像認識機能で実現することが可能です。

2-2.ユニーク人数カウント機能

これも人数計測機能の一部ですが、ユニーク人数カウント機能は同一人物を1人としてカウントするものです。AIが撮影データから身体的特徴を利用して1人1人を識別して同一人物を1人としてカウントするものです。人数計測ではのべ人数になるため同じ場所を行き来するとそれだけ人数が増えてしまいますが、ユニーク人数カウント機能を利用すれば実来場者数を集計することも可能です。

2-3.性年代の推定機能

AIカメラによる解析で、性別や年代を推定する機能です。この機能も人手で行った場合は解析対象の人数が増えるほど高コストであったり捌けなくなるという課題もあります。AIの算出結果を人の目でも検証する必要はありますが、大規模な調査でもAIで一気に性年代の推定ができるため、サンプル調査を行い精度を見つつ活用していくいことも可能です。

2-4.顔検出・顔認証機能

この顔検出や顔認証機能は、身近な例ではスマートフォンのロック解除で利用されています。また、企業で社員の出勤・退勤時間を管理する勤怠管理システムでもこの顔検出・顔認証機能を使われていたり、海外旅行に行く際の出国審査でも現在は無人のゲートにパスポートの写真面をセットして顔写真の撮影を行い顔認証による出国審査をおこなっています。

2-5.物体の検知機能

この機能は人間以外の「物体」を検知する機能です。そのため検知対象は様々な物に及びます。
例えば、車であれば普通乗用車か軽かバスかトラックか、工事車両かなど車両の種類を検知することも可能です。また、量販店やコンビニの商品棚に商品が陳列されているかや、製造している製品に不良品の検品なども行うことが可能です。
また人がヘルメットなどの安全装備を装着しているか未装着かも検知することもできます。

2-6.人の姿勢検知機能

この人の姿勢を検知する機能は、既に介護現場などでも利用が始まっています。例えば、高齢者施設の個室にAIカメラを設置して夜間など介護スタッフによる巡視ではなくAIによる姿勢検知機能を利用して巡視を行うことでスタッフの負担軽減や少ない人数でのオペレーションも可能にしています。このほかにも建設現場や工場など危険区域へ人が立ち入りそうになったことを検知してアラートを出すことも可能です。

2-7.導線分析機能

例えば大型店舗で同一人物がどこからどこへ移動しているかなど、顧客の導線分析を行う時などに利用できる機能です。マーケティングに利用できる他にも車の交通ルートなどの交通調査にも利用することができます。

3.AIカメラの活用事例

ここではAIカメラの活用事例をご案内いたします。

3-1.大型ショッピングモールでのAIカメラ活用事例

大型ショッピングモールには多くの場所にカメラが設置できるため、AIカメラを活用すると様々な取り組みを行うことができます。
例えばモールの運営面では、モール内の各エリアごとの混雑状況を把握したり、清掃が必要な箇所があるかや、不審者の検知なども行うことができます。またマーケティング面では、AIカメラを使った顧客分析を継続的に行っていくことで性年代別の来場者数が日毎や時間帯ごとに追いかけることが可能です。またキャンペーンを打った時期にどの程度来場者数が増えているかなど、キャンペーンの効果検証に利用することもできます。

3-2.無人レジでのAIカメラ活用事例

昨今人手不足への対応やコスト削減を行う目的で無人レジの導入が増えています。ですが商品のバーコードの読み取りを本人が行う方式のため、万引き被害も同時に増えています。このためAIカメラでレジを撮影して万引き被害の実態調査を行うことも可能です。バーコードを読み取らずに商品をバッグへ入れた際にAIがリアルタイムで「バーコードを読み取ってください」のように案内することはできるかもしれませんが、誤検知もあえるため現在はそこまで行わないのが通常かもしれません。

3-3.介護現場でのAIカメラ活用事例

介護現場でも人手不足は深刻ですが、少子高齢化で今後もますます支える側のマンパワーは減っていくことが分かっています。そういった中で介護の品質を維持、向上させていくために、一部の介護現場ではAIカメラの活用が進んでいます。実際にはAIカメラだけでなく他のIoT機器も活用されているようですが、高齢者施設の居室内で入居者が睡眠中であるか、起床したか、何か異常が起こっていないかなどAIカメラも活用して見守りを自動化しています。何か起こったとAIが判断した場合は施設スタッフへ通知を送ることもできます。またAIカメラではあるものの、普通のネットワークカメラとしても使えるため、AIやコールボタンで異常のサインが発出された場合は居室の様子をスマートフォンなどですぐに確認することもできます。

4.AIカメラのメリットと課題・デメリット

ここではAIカメラのメリットと課題・デメリットをご案内いたします。

4-1.AIカメラのメリット

AIカメラのメリットは、何と言っても自動で人や物の識別を行うことができることにあります。人がその場で人流調査を行ったり、映像を見て安全確認を行うには人数をそろえたり24時間対応を行うなどおのずと費用と体制に限界があります。AIカメラであれば特にマーケティングリサーチを機動的に行うことも可能です。生命や財産に関わる安全対策に利用する場合は、24時間監視ができるAIの特性を活かして初動の検知に活用することもできます。

4-2.AIカメラの課題・デメリット

AIカメラの最大の課題やデメリットは、AIであるがゆえに誤検知が発生することです。人間でも間違えはありますが、例えばポスター内の人物やマネキンを人間と検出してしまうなど人間ではあまり起こさないいわばAI特有の間違えを行うこともあります。またAIカメラを大規模に配置する場合にはそれなりの初期費用や運用費用がかかってくることも課題としてあります。

5.AIカメラサービスのご案内

ここではAIカメラのサービスをいくつかご案内いたします。

 

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