電話の発信や着信が多く、本当はオペレーターを生産性の高い電話業務に振り向けたいけれども有効な手立てが無いと課題を抱えている顧客窓口の管理職の方もいらっしゃるのではないでしょうか。オートコールシステムを使うと一部の発信電話を音声応答による自動発信を行うことができます。自動音声なので未入金者への督促や書類の提出が無い方への催促へもそのまま活用することができます。また自動音声から途中でオペレーターに通話を切り替えることもできるため、テレアポにも使うこともできます。
ここでは、オートコールシステムとはどのようなものかや、導入事例、メリット、課題・デメリットをご案内いたします。
以前は選挙活動に利用されているケースもありましたが、昨今はビジネスに利用されることも増えてきています。電話オペレーターのリソースをより優先度の高い通話で活用することや、オペレーターのリソースを使わないため機会損失を考えることなくセールスの電話をかける事が可能になります。ぜひこれらの課題を抱えている企業はこの記事を読んで、オートコールシステムの比較に進んでみてください。
1.オートコールシステムとは
ここではオートコールシステムとはどのようなものかや運用の流れなど、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。
1-1.そもそもオートコールシステムとは
オートコールシステムとは、あらかじめ用意した電話番号リストに対して自動発信を行い音声メッセージを再生する通話方法のことです。人手を使わずに日時を選んで大量の電話を掛けることができます。
オートコールシステムは、あらかじめ決まった音声を再生するだけのものから、途中でオペレーターに代わることができるタイプまで複数のシステムがあります。通話の途中で電話のプッシュボタンを押してオペレーターに変わったり、アンケート回答を収集したりすることも可能です。オートコールシステムを利用すると人手に依存せず発信業務を行っていくことが可能です。
1-2.オートコールシステムの運用の流れ
ここではオートコールシステムの運用の流れをご案内いたします。IVR(Interactive Voice Response)という電話で自動音声を再生する仕組みを利用して行います。
1.自動通話で再生する音声メッセージを録音する
2.音声メッセージをオートコールシステムへ登録する
3.自動通話先の電話番号リストをオートコールシステムへ登録する
4.リストの電話番号への自動発信を開始する
5.自動通話が完了したら結果をオートコールシステムからダウンロードする
自動通話によりオートコールシステムに記録された通話結果の記録は、音声を何秒再生したかや、シナリオを組んだ場合は何番のプッシュボタンを押したか、オペレーターに繋いだかなどをダウンロードすることができます。
また、通話の途中でプッシュボタンの「0」を押すとオペレーターに繋いだり、「1」を押すと改めて別の時間に電話をもらうなど、設定をすることも可能です。
2.オートコールシステムの導入事例
ここではオートコールシステムの導入事例をご案内いたします。
2-1.入金や書類の督促
代金の支払いや書類の返送が予定の期日までになかった場合などにオートコールシステムを利用して督促の連絡をするというものです。
特に代金回収の督促電話は電話に出てもらえないケースも多く時間のロスも大きく、またオペレーターの対応負荷も高いことからオートコールシステムの利用は有効な手段です。例えば口座振替が引き落としできなかった場合にその落ちなかった利用者リストをへ自動発信を行ったり、設定していた期日までに申し込み書類が届かない場合などにも同様に利用することができます。督促の完了後に、電話に出なかった顧客やメッセージの再生後すぐに切れてしまった顧客をリストアップして再度自動通話を行ったり必要に応じて人手で督促を行うことも可能です。
2-2.テレアポ(営業電話)
新規顧客へのアプローチや、優先順位から手が付けられない既存顧客がいる場合などに、オートコールシステムでテレアポを行うこともできます。自動発信を行いメッセージでアポイントの趣旨説明を行いアポイントを希望する方にはプッシュボタンを押してオペレーターに変わって電話口で日時の調整を行う使い方も可能です。
2-3.選挙活動での候補者宣伝
選挙区内の固定電話へ向けて選挙の候補者を紹介するメッセージを自動発信することもできます。オートコールシステムと選挙区ごとの固定電話の電話番号リストを持っている業者がいるので、住民個別の電話番号を知らなくてもオートコールシステムを利用した宣伝サービスを利用することで選挙の候補者宣伝に利用することができます。オートコールシステムに録音機能があれば通話先の住民から意見を吸い上げることや、アンケートを取ることも可能です。
2-4.安否の電話確認
お年寄りへ日々の安否を電話を利用して行うことができます。介護施設が行っているお年寄りへの安否確認もオートコールシステムで自動化することができます。電話に出ただけで安否確認が取れたとすることもできますが、その日の体調をプッシュボタンで回答してもらうことも可能です。
また災害時の安否確認にも活用することは可能です。大災害時には通話の発信は規制されますがオートコールシステムでは電話つながらなくても、追って繰り返し通話を試みることができます。
2-5.アンケート調査
アンケートでのオートコールシステムの主な用途だと、世論調査や市場調査が上げられます。対面や紙のアンケートと違い、速やかにアンケートの実施と回収を行うことができます。新聞社やテレビ局などがRDDというランダムに電話番号へ発信して世論調査を行う方法はこのオートコールシステムを利用して行っています。
3.オートコールシステムの導入メリット
ここではオートコールシステムの導入メリットをご案内いたします。
3-1.通話業務を効率化できる
発信電話すべてにオペレーターが対応する必要がなくなるため、通話処理量を増やせたり、より重要な通話にオペレーターを投入して、通話業務全体を効率化することができます。オペレーターの増員を行わなくても済むため一定のコスト削減効果もあります。また、業績に大きく関わりそうな重要な通話先はオペレーターが通話を行い、それ以外の通話先はオートコールシステムに任せるという効率的な運用も可能です。
3-2.通話品質の質を向上・均一化できる
あらかじめ録音したメッセージを通話先に再生するため、すべての通話に対して品質を均一化することができます。通話技量の高い担当者にメッセージを録音してもらい、それを流すことで最良の効果を期待することも可能です。効果を見ながらメッセージは録音し直すこともできるためオートコールシステムの運用を改善していくこともできます。
3-3.通話ミスの削減
手動で行っている発信では電話番号の押し間違いが起こったり、通話漏れが起こる場合もあります。オートコールシステムでは同一の音声メッセージを再生するため、間違い電話によるクレームも削減していくことができます。
3-4.オペレーターの負荷を軽減できる
業務の中でも通話オペレーターの仕事は、顔が見えないで話をするため、時には通話相手からひどい言葉を投げかけられることもあります。このほかにも、緊張感を抱えながら業務を行うこともあり、オペレーターの仕事はストレスもたまりがちです。こういった問題に直面した場合、離職の要因にもなることから、オートコールシステムを利用することでオペレーターの負荷を軽減することができます。比較的負荷の高いと言われる督促であったり、ターゲットとしての見込みが相対的に低い通話先へのテレアポなど、オペレーター通話から切り離して負荷の軽減を図ったり、離職を減らしていく取り組みを行っていくことも可能です。
3-5.電話を使うので直接相手にリーチすることができる
電話を使ったコンタクトとなるため、ターゲット企業やその部署に直接リーチすることができます。通話中にオペレーターと変わることもできるため顧客が興味をもった場合はテレアポの場合はそのままオペレーターがアポイントを取ることもできます。直接相手にリーチできるメリットをそのままオートコールシステムでも利用することができます。
3-6.売上機会の損失を防止することもできる
自動音声で通話を行うため、オペレーターの余力がないがために発信の通話ができないといったことを無くしていくことができます。スクリプトや音声吹込み、ターゲット電話番号を用意できればオートコールシステムが自動で音声通話を発信するため、営業活動の売上機会の損失を防止することもできます。
3-7.営業電話の場合は相手側の負荷を軽減することもできる
営業の電話の場合その電話の受け手によっては、適切な社内のつなぎ先が見つからず、対応に苦慮する場合もあります。そのような適切な窓口部署が無い会社の場合は逆に切りやすいことがメリットになる場合があります。このように営業電話には、社内で電話を回せずに受けた担当者が苦慮する場合があります。逆に見込みのない会社にとっては早く切ることができるため相手方の負荷を軽減することもできます。
4.オートコールシステムの課題やデメリット
ここではオートコールシステムの課題やデメリットをご案内いたします。
4-1.自動音声での通話のためすぐに切られてしまうことがある
オートコールシステムでは最初から自動音声で通話を行うため、最初に営業や調査などと判断されてしまうとすぐに通話を切られてしまう場合もあります。そのため、通常のテレアポと同様に入口を突破するためのスクリプト作りは重要となります。特に最初の数秒で切らないよう内容をコンパクトにまとめるなどして吹き込む必要があります。
なお、督促の場合は、通話先も督促されることをわかっている場合もありますが、何かわからず切られてしまう場合もあります。そのため督促でも最初の数秒で内容をまとめてわかるようにするなど、通常の通話と同様にスクリプトは作りこむことをおすすめします。
また、オートコールシステムは通話が続いた時間を出力することもできるため、スクリプトごとに通話が継続した平均時間を比較するなど、スクリプトの改善を行うことで、すぐ切られる場合もあるデメリットを改善していくことも可能です。
4-2.自動音声のメッセージを相手によって変えることができない
自動音声で流すメッセージはすべての通話先に同じ音声を再生するため、例えば会社名や担当者名がわかっていても、メッセージに含めることができません。また、メッセージに興味がある場合でもメッセージが長いとオペレーターにつながるまで待たないといけません。切られてします対策としても、メッセージのスクリプトはやはりコンパクトに作りこむ必要があります。
5.代表的なオートコールシステムのご案内
ここでは代表的なオートコールシステムをいくつかご案内いたします。
サービス名 | 提供元 |
MiiTel Phone | 株式会社RevComm |
オートコールIVR | 株式会社電話放送局 |
InfiniTalk | ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社 |
Dream Call Next | 株式会社ドリームソリューション |
ソクコム | Foonz株式会社 |
MediaVoice | 株式会社メディアリンク |
TeleForce | 株式会社メディア4u |
lisnavi | 株式会社Scene Live |
オートコール EXLINK CALL | 株式会社アセンド |
MEGA-CALL | 株式会社グリーン・シップ |
ロボットコールセンター | SD Research and Development株式会社 |
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