名刺管理ツールで社内の名刺を一元管理!名刺の社内共有と流出リスクを減らす

情シス

名刺の管理に課題を持つ中堅・中小企業の営業管理職の方は多いのではないでしょうか。交換した紙の名刺を営業担当各個人で管理しているため、必要な時に社内に顧客の情報が共有や検索できないなど、名刺情報の一元化ができていないことでも問題が起こることがあります。また、紙の名刺を管理し続けていると情報流出や紛失のリスクもあります。これらの課題に対して、名刺管理ツールを導入することで改善に向けた対策を打っていくことができます。ここでは、中堅・中小企業の営業管理職の方に向けて、名刺管理ツールの機能や導入するメリット、デメリットをご案内いたします。この記事を読んで、ぜひ名刺管理ツールの導入に向けて名刺管理ツールの比較に進んでみてください。

1.名刺管理ツールとは

ここでは名刺管理がなぜ必要かや、名刺管理ツールとはどのようなものか等をご案内いたします。

1-1.そもそも名刺管理はなぜ必要か

そもそも名刺管理は、顧客や取引先への連絡や営業活動への活用を目的に行います。名刺の情報を基にDMを売ったり、メルマガを送ったり、名刺の相手から名刺を受け取った日付やメモを残すなど、名刺情報を様々な営業活動に利用できます。
同じ社内で名刺を共有することで、他の営業担当とのバッティングを避けたり、他の営業担当の別案件を進めるために紹介してもらう、と言ったことも可能になります。また、部署の異同や役職に変更があった場合にも共有することで最新の体制を基に営業活動を行うこともできます。
顧客情報管理の面でも、受け取った名刺の情報を自社外に漏洩することは顧客情報の流出となります。社員の退職時などに情報流出が起きないようにしていくことも名刺管理の目的には含まれています。

名刺は会社の資産となるので、積極的に活用していくことで自社の営業を効率的に行っていくこと可能になります。受け取った名刺を社員個人で管理してしまうとケースに入れたままデスクで保管され社内で活用することは難しくなってしまいます。そのため営業活動で交換した名刺は、社内で管理ルールを設けて共有し活用していく必要があります。

1-2.名刺の管理がうまくいかない課題とその理由とは

名刺の管理がうまくいかない課題としては、名刺自体を紙でもらうため、共有したいのにPCへの入力やスキャンなど手間がかかってしまったり、個人情報なのでカギのかかる場所に保管しなければならないが、忘れてしまい机の上に置きっぱなしになっている、などがあります。
いずれも紙や個人情報がボトルネックになり手間がかかり管理が行き届かないことが理由と考えられます。
プライバシーマークやISMS認証を取得している企業では、定期的な監査もあり個人情報の保管ルールも浸透しているかもしれません。こういった定期的な名刺(をはじめとした個人情報の)管理が適切に行われているかは、どの企業でもきちんと行っていくことが求められています。

1-3.名刺管理ツールとは

名刺を管理する方法として、名刺管理ツールを利用して行う方法があります。名刺管理ツールとは、名刺に記載されている氏名や会社名・組織情報をツール上に取り込んで社内活用できるものです。名刺交換によって入手した紙の名刺をスマホのカメラやスキャナーで読み取って、自動文字認識機能を使ってツール上に手打ちせずに名刺情報を取り込むことができます。
エクセルなど個人での名刺管理と違って、従業員が読み取った名刺情報はシステム上に取り込まれ手間なく共有していくことが可能です。閲覧する際は、社名や名刺交換日、住所等で検索することができます。名刺管理ツールを導入すると名刺を読み取るだけで名刺情報の一元管理が可能となります。
代表的な名刺管理ツールとしては、SansanやSKYPCE、Eightなどがあります。

2.名刺管理ツールの機能

ここでは名刺管理ツールの機能についてご案内いたします。

2-1.名刺の読み取り・データ化機能

紙の名刺を手打ちすることなくデータ化できる機能です。スマートフォンのカメラや複合機のスキャナーなどを使って名刺を撮影して、名刺管理ツールが撮影データを解読して名刺を読み取ります。一気に30枚程度の名刺をスキャンできる名刺専用スキャナーもあり、事務所に1台おいて従業員でスキャナを共用しつつ、枚数の多い名刺を手間なく取り込むこともできます。

2-2.名刺データの検索機能

スキャンされ、名刺管理ツールに保存された名刺の情報は、氏名、会社名、部署名、名刺交換日、メールアドレスなどで検索することができます。

2-3.「組織図」の作成機能

名刺の読み取りを継続すると、1つの企業で様々な部署に所属する人の名刺情報がツール上に集約されます。そのため名刺管理ツールが、部署名を読み取って「組織図」を作成することもで可能です。例えば3枚の所属部署が異なる名刺があり、それぞれ部署名が営業本部第一営業グループ、第二営業グループ、第三営業グループとなっていた場合、ツール上では営業本部に第一営業グループ、第二営業グループ、第三営業グループがぶら下がる「組織図」が作成できます。誰がどこに所属しているのかをわかりやすく可視化する機能も用意されています。

2-4.営業活動への支援機能

名刺管理ツールには、営業活動の記録をつけたり、一斉にメールを送信したりその企業のニュース情報を確認できたり、といった営業活動の支援機能も付いています。こういったメールをBCCで平打ちのメールで配信していると、いずれ操作ミスでBCCではなく普通にTOやCCで(あて際に指定したメールアドレスを全ての受信者に流出させてしまう)メールを送ってしまうことがあります。そのため名刺管理ツールなどのツール上でニュースメールの発信は行うことをおすすめします。

2-5.名刺の名寄せ機能

名刺を交換した相手から新しい名刺を異動や組織体制の変更があってもらった場合は、名刺管理ツールの名寄せ機能を使うことで、新しい名刺に記載された組織情報を名刺管理ツールへ反映することができます。

2-6.名刺管理ツールと営業管理システムの連携機能

セールスフォースやキントーンなどの営業管理システムと名刺管理ツールを連携することもできます。営業管理システムでは商談管理であったり売上見込み時期、顧客情報など比較的幅広い情報を扱います。そのため名刺情報の読み取りやデータ化機能については名刺管理ツールで行い、その情報を営業管理システムに登録するといった運用も可能です。名刺情報が営業管理システムに取り込まれることで、営業情報の一元化を行っていくことも可能です。

2-7.メールの署名からの連絡先取り込み機能

名刺情報の取得方法は紙の名刺を読み取るだけでなく、日ごろ利用しているメールの署名から読み取ることもできます。対応できるメールはM365やGoogle Workspaceのメールなど、一部のクラウド型メールに限られていますが、より多くの名刺情報を収集することが可能になります。

2-8.セキュリティ機能

名刺管理ツールへログインする際に、二要素認証やIPアドレスによる接続制限を設定して、セキュリティを強化することもできます。名刺管理ツールは基本的にクラウド環境で提供されるため、職場以外にも出先や自宅からでもアクセスできる利便性があります。その利便性を損なわずに不正なアクセスを防止していくため、ID・パスワード以外にも二要素認証やIPアドレス制限なども行うことができます。名刺情報は重要な顧客情報ですので高いセキュリティで保護していくことをおすすめいたします。

3.名刺管理ツールの導入メリット

名刺管理ツールを導入することで得られるメリットをご案内いたします。

3-1.名刺管理の効率化

紙のままの名刺管理から、ITツールを使った名刺管理へ移行することで、名刺管理業務の効率を上げることができます。名刺の記載内容がツール上に自動でアップロードされることで、紙による管理がなくなり紛失リスクを無くしていくことができます。また名刺管理ツールは基本的にクラウド型のシステムのため、一度名刺情報をツールへ登録すれば、出先やテレワークでも簡単に名刺情報を検索・閲覧することができます。場所を選ばない働き方がしやすくなり、営業職等の働き方改革につなげていくこともできます。

3-2.出先からスマートフォンで名刺情報の検索・閲覧も可能

過去に登録した名刺情報はスマートフォンで出先から検索・閲覧することができます。PCを開かずに名刺情報を確認することもでき、訪問前のちょっとした時間にスマホから名刺情報を確認するといった使い方も可能です。※スマートフォンは名刺登録時の撮影だけでなく、登録後の名刺データ検索を行うこともできます。

3-3.顧客情報の流出防止

一度、名刺管理ツールに登録した顧客の名刺情報は顧客情報の流出を防ぐためツール上でアクセス権限を設定して運用していくことが可能です。紙の名刺は、名刺管理ツールへの取り込み後、シュレッダーにかけると物理的な個人情報を無くすことができ一層顧客情報の流出リスクを下げることができます。

3-4.メールの一斉配信が可能

名刺の情報にはほぼメールアドレスが付いています。そのメールアドレスを活用したメールの一斉配信を行うことも可能です。いわばメルマガの送信機能のようなものです。自分の顧客だけに新商品や最新在庫をお知らせするニュースメールを配信することも可能です。

3-5.名刺情報を組織で一元管理できる

交換した名刺は、名刺管理ツールで一元管理して部署内で同僚や上司と共有することができます。紙の名刺のみの名刺管理だと、名刺情報を一元管理するにはエクセルに打ち込むなど手間をかける必要があります。そのため一元管理は名刺管理ツールを導入する重要目的の1つとも言えます。

4.名刺管理ツールの課題・デメリット

ここでは名刺管理ツールの課題やデメリットについてご案内いたします。

4-1.誤字として読み取ることがある

名刺をスマホのカメラで読み取った際に、名刺管理ツールに取り込まれる際に誤字として判定され誤った文字で名刺情報が保存されることもあります。読み取り機能は完璧ではないため、名刺のフォントや撮影時のぼやけ等の理由で誤字として扱われることがあります。このような場合は取り込み後に手動で修正していく必要があります。

4-2.コストがかかる

名刺管理ツールの利用には、主に初期費用や月額費用が掛かります。月額費用は名刺管理ツールを利用する社員の人数分かかるツールもあります。月額費用については比較検討を行う名刺管理ツールごとにシミュレーションを行って実際にかかる額を想定していくことが大切です。このほかにも、名刺をまとめて読み取りできるスキャナを利用する場合はその費用もかかってきます。
名刺管理ツールを導入し紙の名刺をデジタル化することで、名刺を個人管理から組織による一元管理に移行することができます。名刺の管理に手間がかかると運用を行う従業員のモチベーションにつながらない面がありますが、名刺管理ツールはスマホによる名刺読み取り機能や、メール配信機能など運用する従業員にもベネフィットとなることが多く存在します。そのため、名刺管理ツールは費用はかかるものの、社員の名刺管理の工数を減らし、個人情報の流出リスクも減らしていけるものと考えることができます。

5.代表的な名刺管理ツールのご案内

ここでは代表的な名刺管理ツールをいくつかご案内いたします。

サービス名 提供元
Sansan Sansan株式会社
eight Sansan株式会社
SKYPCE Sky株式会社
Hirameki7 トライベック株式会社
Tonichi NEXTaMeishi 東日印刷株式会社
ホットプロファイル 株式会社ハンモック
名刺de商売繁盛 ヤマトシステム開発株式会社
PHONE APPLI PEOPLE 株式会社Phone Appli
アルテマブルー キヤノンエスキースシステム株式会社
CAMCARD BUSINESS キングソフト株式会社

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