クリニック予約システムを導入して新規患者の獲得や事務工数の削減に活用

情シス

最近はクリニックでの診療予約をWEBで行えるようにしているところも増えてきています。その場で空きのある日時がわかるため予約の利便性が上がり新規患者の獲得にも活用したり既存患者の満足度を向上させることにも利用することができます。またクリニック内部でも予約受付を自動化して同時に電話の本数を減らすことで医療事務の工数を削減してクリニック内でより注力すべき業務をスピーディーに行っていくことも可能です。
ここでは新規患者の獲得や医療事務の工数削減のためにクリニック予約システムの情報収集を行っているクリニックの経営者の方や事務長の方に向けて、クリニック予約システムとはどのようなものかや、システムの機能、メリット・デメリットなどをご案内いたします。ぜひこの記事を読んでクリニック予約システムの選定に進んでみてください。

1.クリニック予約システムとは

ここではクリニック予約システムとはどのようなものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそもクリニック予約システムとは

クリニック予約システムとは、診察の予約を患者自身でWEB予約できるシステムのことを言います。もちろん予約自体は医療機関のスタッフの手で患者の予約を作成することも可能で、予約自体も初診や再診のほか検査の予約することができます。
このクリニック予約システムはクリニックの運営側から見ると予約業務をペーパレス化でき、なおかつ自動化できるため予約管理業務自体を効率的に行うことができます。患者向けの予約画面には診療や検査の注意事項も表示することができることも含めて考えると、クリニック予約システムの導入で予約や質問の電話を軽減でき、スタッフの工数も削減していくことが可能です。また患者側から見ても、クリニック予約システムの利用で待ち時間を短縮できたり、スマートフォンを使って予約も簡単に行えるため利便性を高めることができます。

1-2.クリニック予約システムの種類

クリニック予約システムは大きく分けて3種類のシステムがあります。シンプルに予約機能に特化したものから、様々な機能が付いた多機能型、電子カルテメーカーが作ったオプションとしての予約システムの3つに分かれます。

●予約特化型システム
クリニックの診察を予約することを中心に作られたのが予約特化型システムです。複雑な機能は省かれており、比較的低価格で利用していくことが可能です。

●多機能予約特化型システム
電子カルテへの連携機能やWEB上で問診機能などが含まれているのが多機能予約特化型システムす。WEB上から診察の予約が入ると電子カルテへ予約情報が連携されたり、診療後に会計が完了すると会計完了の情報が電子カルテからクリニック予約システムへ連携されるものがあります。また事前に問診表の記入をWEBから患者が行える機能もあります。

●電子カルテシステムの予約機能
電子カルテシステムのオプションとして予約機能が提供されているものです。電子カルテの予約機能ではクリニック内でスタッフが予約を入れるタイプのものも多いようですが、最近はWEB上から患者自身で予約が入れられる電子カルテも出てきています。

1-3.診療予約システムとクリニック予約システムは同義語

クリニック予約システムは、診療予約システムとも言われています。どちらもクリニックでの診療予約をするためのシステムのことで同じ意味です。念のためお知らせしておきます。

2.クリニック予約システムの機能

ここではクリニック予約システムの機能についてご案内いたします。

2-1.インターネット予約機能

クリニック予約システムの基本ともいえる機能ですが、患者が自身のスマートフォンなどで診察の予約を取ることができる機能です。診察希望日を選択して時間帯を指定して予約したり、ピンポイントで時間を指定して予約することも可能です。主にクリニックのホームページに診察予約のバナーなどを設置して患者はバナーから予約画面に入って予約を行います。

2-2.LINE予約機能

患者のLINEアプリ上から診察の予約を行うことも可能です。あらかじめクリニックの公式LINEを開設して、患者のLINEでお友達登録する必要はありますが、使い慣れたLINEアプリから数タップの操作で診察を予約することもできます。

2-3.予約変更・キャンセル機能

クリニック予約システムはWEB上で新規予約を取るだけでなく、一度取った予約を患者自身でキャンセルしたり変更することも可能です。キャンセルや変更もWEBで完結できることは、基本的ではありますがクリニックへかかる電話の数を削減することにも繋げられます。

2-4.来院忘れを防止するためのリマインド機能

WEB上から診察予約を行うと、診察日が近づいた際に患者へ「忘れずに来院してくださいね」という旨のリマインドメールを送ることができます。WEB予約は最初に会員登録を基本的に行いますのでその際に入力したメールアドレスあてにリマインドのメールが届きます。またLINEアプリから診察予約を行った場合には、LINEのプッシュ通知で診察前のリマインド通知を送信することができます。LINEはプッシュ通知を有効にしている人も多いためLINEアプリで診察予約をできるようにしておくと、リマインドを目にする患者も増やすことができます。

2-5.クリニックのスタッフによる代理予約機能

クリニック予約システムは、患者自身だけでなくクリニックのスタッフが次回の診察予約を入れることも可能です。例えば診察終了後に受付で患者と次回の診察日をやり取りしてその場でスタッフがシステムへ予約を入れることも可能です。

2-6.患者の来院時の受付機能

クリニック予約システムは、来院時にもシステムを活用することができます。受付で活用できる機能はいくつかあり、診察券のバーコードやQRコードを読み取るリーダーを設置して患者自身で受付を行うことも可能です。また、クリニック予約システムにつながったタブレット端末を置いて受付に利用したり受付票を発行することも可能です。予約なしで来院した患者に対してもタブレットで順番票を発行して受付を行うことが可能です。

2-7.院内での待ち人数のディスプレイ表示機能

受付を行った患者の人数を待ち人数としてディスプレイに表示することも可能です。診察室への案内や会計への呼び出しなどにも利用することができます。これらの機能は、予約なしで来院した患者も含めて利用することができます。

2-8.電子カルテとの連携機能

クリニック予約システムは電子カルテと連携することで、クリニックのスタッフにも患者にもより利便性を向上させて利用することができます。例えば電子カルテで管理している患者情報をクリニック予約システムに連携することで、患者はWEB予約サイトの会員登録をせずに予約を行うことができます。また患者が来院してクリニック予約システムを利用して受付をすると電子カルテへ来院情報を連携することもできます。

3.まだあるクリニック予約システムの機能

ここではまだまだあるクリニック予約システムの機能をご案内いたします。

3-1.WEB問診機能

診察前の問診票も事前に事前にWEBで患者に入力してもらうことも可能です。診察の予約時間前の短い時間で記入するよりもより精度の高い問診票の記入に向けた環境を整備することが可能です。また問診票のペーパレス化も実現できクリニック内での手間の削減にもつなげる事ができます。

3-2.患者との個別チャット機能

一部アプリが必要になる機能ですが、病院と患者の間で診察予約に必要な連絡事項のやり取りなどに利用できるチャット機能も利用することができます。電話がつながらない場合でもチャットを送ることで患者にメッセージを伝えることも可能です。

3-3.オンライン診療機能

オンライン診療に必要なビデオ通話機能や保険証の確認機能などを含んでいるクリニック予約システムも存在します。もちろんオンライン診療の予約も取得でき患者はスマートフォン1つで予約から診察までを完結することができます。

3-4.診療代のクレジットカード決済機能

オンライン診療後に必要となる診療代のオンライン決済機能も利用できます。この機能を利用すれば患者はネットショッピング時のようにクレジットカード情報を入力でき診療代をオンライン決済することが可能です。

3-5.電話の自動音声応答による予約受付機能

クリニックの代表電話を予約にも対応した自動音声応答機能に対応させることで、電話予約についても人手を介さずに行う処理することもできます。コールセンターに電話をした時のような流れで、例えば、はい●●クリニックです、というようにまず自動音声を再生して、予約を希望の方は1番を、というように予約処理を電話で進めることが可能です。
また問診票画面や予約確認画面のURLをショートメッセージ(SMS)で自動送信することも可能で、自動音声応答から予約された方についてもWEB予約時に案内している書類を送ることも可能です。

3-6.セキュリティ機能

クリニック予約システムによっては実に様々かつ高度なサービスを提供することができます。そのためセキュリティを高める機能が搭載されているシステムもあります。例えばIPアドレス制限と言われる、自分のクリニックの通信回線からでないと裏側の管理者画面にアクセスできなくする仕組みや、クライアント証明書(1つ1つ異なる仮想的な鍵のようなもの)をクリニックの端末にインストールしてその端末からでないと管理者画面にアクセスさせないよう制御することもできます。また患者側がクリニック予約サイトやアプリにログインする際に二要素認証(例えばID・パスワードを送信した後にメールで更に認証を行う)を利用して患者側の安全性も高めて運用することも可能です。

4.メリットと課題・デメリット

ここではクリニック予約システムのメリットと課題やデメリットをご案内いたします。

4-1.クリニック予約システムのメリット

クリニック予約システムを導入することのメリットをご案内いたします。

まず一番大きなメリットとしては、クリニックスタッフの予約業務の手間を減らすことができる事にあります。予約を希望する電話を減らすこともできるため、電話対応や予約操作の手間を減らしていくことができます。WEB上から予約ができるようになり利便性が向上することから、IT機器に慣れ親しんだ若年層であったり、空きを見てその場で予約ができることから新規患者の獲得にも活用できるメリットがあります。
他にも予約方法の利便性向上により予約件数が増加していくことで、来院する患者数も適度に時刻ごとに分散され待ち時間の短縮を図っていくこと も可能です。

4-2.クリニック予約システムの課題やデメリット

クリニック予約システムの導入することで生じる課題やデメリットについてご案内いたします。

高齢者など自力でスマートフォンを使った予約をできない患者については、電話予約を受け付けたり来院時にもクリニックスタッフが代理で予約入力を行うなど対応が必要となります。
またクリニック予約システムの導入時や運用に経費がかかるという課題があります。この点は予約業務や電話対応が減らせることを考慮して検討することがあります。クリニック予約システムの導入だけではまるまる1人分の人件費を削減できるところまでは行きませんが、自動精算機など併せて行うことで自動化による医療事務スタッフの工数を減らして1人分の人件費を削減していくこともできるのではないでしょうか。
このほかには導入時にクリニックスタッフ向けに教育を行ったり患者向けの利用方法周知などが必要ではありますが、導入時期を過ぎればスタッフも患者にも浸透していくものですので、最初の導入をどう乗り切るかを考えていくことで課題は解決できるのではないでしょうか。

5.主なクリニック予約システムのご案内

ここでは主なクリニック予約システムをご案内いたします。

 

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