法人向けパソコンの選定ポイントや個人向けパソコンとの違いを解説

情シス

会社で新しいパソコンを調達することになったけれど、そういえば法人向けパソコンと個人向けパソコンの違いがはっきりわからないという中小企業にお勤めの比較的なりたての情報システム担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは近く新しいパソコンの調達を考えているそんな情報システム担当の方に向けて、法人向けPCとはどのようなものかや、法人向けパソコンと個人向けのパソコンの違い、法人向けパソコンの選定ポイントをご案内いたします。ぜひこの記事を読んで法人向けパソコンの特徴を把握して効率的に機種選定や保守検討を行ってみてください。

1.法人向けパソコンとは

ここでは法人向けパソコンとはどのようなものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそも法人向けパソコンとは

そもそも法人向けパソコンとは、企業ユーザー向けのニーズを組み込んだパソコンのことで、実際に多くの企業で法人向けPCが導入されています。パソコンには実は法人用パソコンと個人用パソコンの2種類があり、外から見ると違いはほぼわかりませんが、法人用パソコンにOS(のエディション)が異なっていたり耐久性の面で丈夫に作られていたり等、中身には結構違いがあります。企業向けではコストも比較検討の重要な要素となることから、プレインストールソフトも必要なものだけに絞られていたり、逆に故障時にも業務継続していくための保守サービスを別途契約をして利用することがあったりといった特徴もあります。もちろん、法人向けパソコンはデスクトップタイプでもノートタイプでも両方発売されており好きな方を購入することができます。

1-2.個人向けのパソコンとは

法人向けパソコンの対極にある個人向けのパソコンについても、簡単にどのようなものかご案内いたします。(ここでは法人向けパソコンの対極として個人向けパソコンの言葉の意味の解説が主になります)

個人向けパソコンは、家庭にあるパソコンのことで、街の電気店やアマゾンなどのネットショッピングで手軽に購入することができます。一家に一台はあるかもしれませんが、WindowsやMacのどちらかを搭載し、家庭内のインターネット利用だったりプリンターとつないでの印刷に使ったり、DVDを見たりなどホームユースに使われているものです。また昨今は、小学生から大学生までパソコンやタブレットを使った学習を行うことも多く勉強にも家庭用パソコンは使われています。

1-3.法人向けパソコンのメーカー

法人向けパソコンメーカーとしては、日本メーカーだと、富士通やパナソニック、NEC、VAIO、Dynabookなど様々な企業があります。海外メーカーでもDellやhp、Lenovoなど主要メーカーは法人向けパソコンの販売は行っています。もうお気づきかもしれませんが、個人向けに販売しているパソコンメーカーは、ほぼ法人向けのパソコンも製造販売していることになります。

●主な法人向けパソコンを製造販売するメーカー
富士通
パナソニック
NEC
VAIO
Dynabook
マウスコンピューター
ASUS
Microsoftなど

1-4.法人向けパソコンのブランド

法人向けパソコンには個人向けとわかりやすく区別するため法人用の専用ブランド名が付いていることが多くあります。ここではその法人向けパソコンのブランド名をご案内いたします。

メーカー 法人向けブランド 個人向けブランド(参考)
富士通 LIFEBOOK、ESPRIMO FMV
NEC VersaPro、Mate LAVIE
Dell Vostro、OptiPlex、Latitude XPS、Inspiron、Alienware
HP EliteBook、ProBook、Zシリーズ Spectre、Envy、Pavilion
Lenovo ThinkPad、ThinkCentre、ThinkStation Yoga、IdeaPad、Legion

2.法人向けパソコンと個人向けのパソコンの違い

ここでは法人向けパソコンと個人向けのパソコンの違いについてご案内いたします。

2-1.パソコン自体の耐久性が高められている

法人向けパソコンの一番の特徴ともいえるのが、耐久性を高めていることにあります。要はパソコン自体を頑丈に設計・製造されており、ノートパソコンやデスクトップパソコンそれぞれで以下のような工夫がされています。

●法人向けノートパソコン
ビジネスであればノートパソコンを持ち運んで使うことが多くその分、ぶつけたり落下させたりといったことが起こる確率も高いため頑丈に設計・製造されています。他にも飲料の近くで使うことも多いためキーボードの耐水性や他にも防塵性能を高めているものもあります。ビジネスでのノートパソコン利用シーンを想定しつつ、パソコンメーカーではなるべく業務継続をしていけるようノートパソコンの耐久性を高めています。

●法人向けデスクトップ
デスクトップパソコンは、企業では基本的にデスクなどに据え置いて使うため、移動に伴う落下による故障リスクなどはそう高くはありませんが、家庭用パソコンに比べると長時間の連続利用が想定されるため、冷却性能を高めていたり、高品質な電源ユニットを搭載するなど長時間の利用に対してパソコンの安定性を高める工夫がされています。

2-2.WindowsをHomeではなくProを使っている

もう一つの大きな法人向けパソコンと個人向けパソコンの違いは、WindowsのOSが個人向けパソコンであればHomeエディションを使うことが多く、法人向けパソコンであればほぼProエディションを使うという点が上げられます。Windows Proであれば、法人向けに必要とされるデータ暗号化(BitLocker)やリモートデスクトップ(社外からの接続)が利用できるほか、Windows Proが入ったPCであれば一括管理(WindowsServerのActiveDirectoryを使用)することもできます。OSの費用はHomeよりProの方が高くなりますが、企業で必要となる機能がProには含まれています。
Windows Proエディションについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
⇒企業のPCはなぜWindows Proが必要なのか!Homeとの違いは?

2-3.ノートパソコンのバッテリーの信頼性を高めている

法人向けノートパソコンであれば、家庭用ノートパソコンよりも格段に充電や放電(バッテリーの利用)の頻度が高くなります。バッテリーは使用を繰り返すと劣化してしまうため、法人用ノートパソコンでは比較的高品質で信頼性の高い電池を採用しています。

2-4.HDMIやUSBなどビジネスシーンで利用する端子がそろっている

特に法人向けノートパソコンになりますが、HDMIやUSBなどビジネスで比較的よく使われる端子類を装備しています。最近は職場でノートパソコンを大型モニターとHDMIで繋いで利用したり、スマートフォンの充電にUSBタイプCでパソコンと繋いで利用することも増えています。オフィス内でのパソコン利用ニーズにあわせて、法人向けパソコンにはHDMI端子やUSBタイプC端子などが搭載されています。

2-5.LTE通信機能を内蔵しているノートパソコンがある

法人向けノートパソコンは、営業社員など場所を選ばずに仕事をするニーズも多いことから、どこでもすぐに通信を利用できるようLTE通信機能が内容されているも機種が用意されています。このLTE通信機能付きノートパソコンの特徴は、データSIMカードを刺しておけばすぐにインターネット通信が利用できる点にあります。実際の使い方としては、閉じたままのノートパソコンの液晶を開いてWindowsのロックを解除したらもうそこから何の接続操作をしなくてもインターネットを利用することができます。そのため、顧客との商談中であってもスマートフォンのテザリング操作をするような手間もかけずに商談の流れの中でシームレスにインターネットを利用することができます。実際にLTE通信機能を内蔵したノートパソコンでインターネットを利用するためには、別途通信会社とのデータSIM契約をする必要があります。なおデータSIM契約をしない場合は、通常のノートパソコンのようにWi-Fiでインターネット接続をすることが可能です。
LTE通信ができるノートパソコンについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
⇒LTE通信ができるノートパソコンで営業社員は場所を選ばない働き方が可能に

3.法人向けパソコンの選定ポイント

ここでは法人向けパソコンの選定ポイントをご案内いたします。スペックとコストパフォーマンスと保守サポートが選定ポイントとなります。

3-1.業務内容に対応したPCスペックの検討を行う

まずは、社内でパソコンをどう使っているかによってPCスペックを検討することをおすすめいたします。
例えば外出が多い営業社員であれば軽さを重きを置いてノートパソコンを選んだり、大きいサイズのエクセルファイルでよく業務を行う内勤社員であればCPUの性能を高めたりやメモリーの容量も多めにするなど業務にあわせて調達するPCのスペックを検討することができます。他にも社内でホームページやグラフィック、動画制作を行う部署がある場合はCPUやメモリーももちろんですがグラフィックカードの性能についても考慮する必要もあります。

3-2.コストパフォーマンスの検討

新しいPCに必要なスペックが決まってきたら、ここでもうおおよその費用を調べてしまうことをおすすめします。機種のリストアップが必要となりますがWEB上には法人向けにパソコン販売を行うサイトもあるので、スペックが満たす機種を複数のメーカーであたってみましょう。こうすることでコストパフォーマンスの良い機種の情報を収集することができます。付き合いのあるパソコンベンダーがいる場合は、最終的にはそのベンダーで見積を取って発注することもあるかと思いますが、ここでは価格傾向を調べておくためWEB上で情報収集されることをおすすめしています。

3-3.保守サポートの検討

法人向けパソコンの調達時には、パソコンの故障時に備えて保守サポートを契約することが比較的多くあります。例えば、センドバック保守と言われる故障したパソコンをメーカーへ送り修理後に戻してもらう保守サービスであったり、通常のセンドバックでは代替機は提供されないためオプション保守で代替機サービスを追加することもできます。
法人向けパソコンは業務の継続性の観点から上記以外にもリモート保守であったり長期保証など様々な保守サービスが提供されています。ぜひ保守についても改めて必要なものを検討することをおすすめします。

4.主な法人向けパソコンメーカーのご案内

ここでは主な法人向けパソコンメーカーをご案内いたします。

パソコンメーカー 主なブランド 生産方式
富士通 LIFEBOOK、ESPRIMO 通常の既製品生産
NEC Mate、VersaPro
VAIO VAIO Pro
Dynabook dynabook
mouse Mouse Pro
Dell Latitude、DellPro
hp ElliteBook、ProBook
Lenovo ThinkPad
Dospara 各シリーズ
ASUS ProArt、ExpertBook
FRONTIER 各シリーズ BTO(受注生産方式)
パソコン工房 SOLUTION

 

 

 

 

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