入金消込をシステムで自動化!スピーディーな入金反映や資金管理も可能に

情シス

請求後の入金消込業務を毎回手作業で行っており、最近件数も増えてきたのでどうにか効率化したい!とお思いの経理担当者や管理職の方もいらっしゃると思います。入金消込自体はシステムを導入することで比較的簡単に実現することができます。ここでは入金消込の自動化を行うことで解決できる課題や、自動消込を行うシステムの機能、メリット、デメリットをご案内します。この記事を読んでぜひ入金消込を効率化できる自動消込システムの導入に向け、システムの選定に進んでみてください。

1.入金消込の自動化とは

ここでは入金消込の自動化とはそもそもどういうことかや、入金消込を自動化できるシステムの種類をご案内します。

1-1.そもそも入金消込の自動化とは

そもそも入金消込の自動化とは、自社で発行したどの請求書に、いくらの入金があったか、人手ではなく自動で入金情報を反映していくこと意味します。手作業による入金消込は、エクセル版の請求先名・請求金額の一覧を用意して、銀行の通帳やオンラインバンキングの画面を片手に、目視でどの請求先にいくら入金があったのか確認を行うというものでした。これらの手作業をシステム上で自動化することを入金消込の自動化と言います。

1-2.入金消込を自動化できるシステムの種類

入金消込を現在手作業で行っている場合は、自動化するために入金消込を自動化するシステムを導入する必要があります。入金消込を自動化するシステムは主に3種類あります。

  1. 請求書発行システムで入金消込を行う
    紙の請求書や電子請求書を発行するシステムを導入して入金消込を自動化する方法です。費用の負担も3つの中で一番安いものです。主に請求書の振込先口座にバーチャル口座が設定されて、その口座へ入金があると、発行済み請求書の一覧に入金金額や入金日が自動で反映されるものです。
    ちなみにバーチャル口座とは、1枚の請求書に専用の口座番号を1つ用意し紐づけて使います。その口座番号(を知っている人はその請求書を知っているひとのみ、となるので)へ入金があった場合には、口座番号を記載していた請求書に入金があったものとして消込を行いいます。
    代表的なシステムには「楽楽明細」「freee」「invox発行請求書」などがあります。
  2. 販売管理システムで入金消込を行う
    販売管理システムを使って入金消込を自動的に行う方法です。販売管理システムは、企業が物やサービスを販売するために必要になる一連の業務(見積・仕入・受注・発注・経理)が1つシステムで行えるものです。販売管理システムから請求書を発行を行い、その際にバーチャル口座を利用することで自動で入金の消込を行うことができます。※販売管理システムによっては請求書発行機能やバーチャル口座の機能が無い場合もありますが、その場合は販売管理システムと請求書発行システムを連携させると自動消込が行えます。
    代表的なシステムには「Ally」「PROACTIVE」などがあります。
  3. 債権管理システムで入金消込を行う
    債権管理システムを使って入金消込を自動で行うこともできます。もともと債権管理全般に関する機能があり、その中の1つの機能として自動消込を利用することになります。自動消込の方法には、バーチャル口座を利用した請求書を発行する方法のほか、普通の銀行口座の入金データをAIを使って消込をしたり、金額や振込元の名義等を使って機械的な消込等があります。※AIは消込実行前の照合に使用するためAIが自動で消込までを行うわけではありません。
    代表的なシステムには「マネーフォワード債権管理」「Bill One」「Bakuraku債権管理」などがあります。

2.入金消込の自動化で解決できる課題

ここでは入金消込の自動化で解決できる課題をご案内します。

2-1.入金消込業務の自動化による経理業務の効率化

入金消込業務の自動化により自社内で発行した請求書に対して、相手側から入金があったか無かったかの確認から、入金があった場合の金額や入金日の記録までを自動化するため、入金消込業務を効率化することができます。従来目視で行っていた入金消込を自動化でき、人為的なミスも削減することができ、かつシステムによる自動化で時間の制限も無く入金消込を行っていくことができます。※金融機関やシステムのメンテナンス時などは入金が遅れて反映されます。

2-2.消込スピードのアップ

入金消込をシステムが自動で行うため、顧客が増えた場合や一度に大量の入金があった場合でも速やかに入金を反映することができます。

2-3.金額差異のマッチング

バーチャル口座を使った場合でも、通常の口座を使った場合でも、振込金額自体は振込人が銀行に指定するため、相手先が何らかの理由で自社が請求した金額で振り込んでこない場合もあります。例えば振込担当者の方の金額ミスであったり、手数料を引いて振り込んでしまったなどがあります。1社に対して同じ振込期日で複数の請求書を発行した場合に相手側が振込手数料を節約するため全請求書の合算金額で振込をしてくる場合もあります。こういった入金金額が違う場合でも、バーチャル口座は入金自体は(過剰入金になるが)問題なく受け付けられ、通常口座の場合はAIを搭載したシステムを利用していると自動的に請求金額・着金金額・振込元の情報を加味して消込のための照合を行うこともできます。

2-4.属人化や人材不足への対応

もともと経理業務自体が振込日や請求書の到着時期など特定の時期に業務がかさむ傾向があるため、どの企業でも比較的少人数で専門知識を蓄えながら仕事を行っている傾向があるのではないでしょうか。育成に時間がかかるため人が抜けた場合には人材不足に陥りやすく、限られた人員で行うため属人化も進みやすいという背景もあります。この点は消込の自動化をシステムを導入して行うことで、経理担当による普段の消込業務については自動化できるため、一定の属人化や人材不足への対応を取ることにつながります。

2-5.会計ソフトへの連携も可能

自動消込を行うシステムを導入した場合、まずは人手を介さずに行った請求に対して自動で消込を行うことが第一番の目的であると思います。ですが、同時に会計伝票を起こして勘定科目を指定して入金記録をつける必要もあります。そのため、自動消込を行うシステムは、入金があった際に自動で消込を行うのと共に会計ソフトへ入金データを送信することも可能です。なお、勘定科目をつける処理は自動消込を行うシステム側で行うことができます。

2-6.電子請求書の発行も容易になる

自動消込を行うために請求書の作成をシステムで行う際に、特にクラウド型の請求書作成システムであると、そのまま自動消込に対応した請求書をPDFファイルで電子請求書としてお客様にメール送信することが可能です。もちろん電子請求書を送信して相手方が支払いに対応できるかは、事前に確認しておく必要はあるかと思いますが、電子請求書を送信できると紙の請求書を作成・封入・投函する手間も削減できるほか、郵便代も削減できるためさらに業務や経費を効率化することができます。

3.入金消込の自動化を行うシステムの機能

ここでは入金消込の自動化を行うシステムの機能についてご案内します。

3-1.リアルタイムでの入金消込機能

バーチャル口座を使って入金消込を行う場合は、特にクラウド型のシステムを使うと着金後にリアルタイムで自動消込を反映することができます。

3-2.未入金一覧の作成機能

システムが消込を自動で行うので、例えば振込期日が今日となっている発行済み請求書のうち、現時点で未入金になっている請求書の一覧を表示することができます。消込が自動で行われるからこそ現時点での入金状況の把握も簡単に行うことができます。

3-3.未入金時の催促メール送信機能

例えば前営業日を振込期限としていた請求書のうち、未入金であったお客様に自動で催促のメールを送信することもできます。クラウド型の請求書発行システムであれば、電子請求書のメール送信が可能で、電子請求書の送付先メールアドレスに未入金時には催促のメールを自動で送信することも可能です。

3-4.会計ソフトとの連携機能

入金消込を自動で行うシステムは、通常は会計ソフトとの連携機能が付いており、発生した入金については会計ソフトへの二度打ちを避けることができるようになっています。入金の消込は自動化できたけれど、会計ソフトへの入金伝票の登録は手打ちということだと、まだ半分は手を動かす仕事が残ってしまいます。入金消込を行うシステムへ勘定科目など設定をする必要はありますが、設定を行えれば主要な会計システム(例えば勘定奉行や弥生会計、freee、ジョブカンなど)にも入金データをシステム上で連携することもできます。

4.メリット

ここでは入金消込を自動化することのメリットをご案内します。

4-1.入金消込の実務作業を削減できる

入金消込を自動化すると、それまでは経理担当の方が振込金額や相手先の情報と、自社の請求情報を目視して消込をしていた実務を無くすことができるため、その分の実務労働力は削減することもできます。ただし、AIが入金と請求の照合を行うシステムの場合はAIは照合までは行いますが、それを正しいと判断して消込ボタンを押すのは引き続き人に求められています。他にも、バーチャル口座を使った場合、請求していた金額と振込されてきた金額が違うというこもと銀行振込の仕組上起こりえます。(振込は振込人が振込金額を決める原則があるため。)そのため、入金消込を自動化しても消込の内容が正しく運用できるよう管理していく人は必要になります。

4-2.入金反映のスピードがアップする

特にクラウド型の自動消込を行うシステムの場合は、バーチャル口座に着金したタイミングでリアルタイムに入金情報を反映することができます。そのため、人手で行っていた場合はどうしても労力がかかるため特定の日にまとめて入金消込を行っていたり、毎日消込を行っていても夕方になってしまったりと、タイムラグが発生していました。入金消込を自動化することで、営業や販売、コールセンターなどでは入金のあり・なしで業務フローが分かれていくため、各業務においてもその後の業務を速やかに効率的に進めて行くことが可能になります。

4-3.キャッシュフロー管理の精度が向上

入金消込をリアルタイムで行うことで自社のキャッシュフロー管理の精度も向上させることができます。バーチャル口座といってもそれは実在する銀行口座であるため口座に現金が入金されていることには変わりありません。着金した金額の管理が速やかに行えるメリット以外にも、未入金の発生も速やかに検知することができ、本来行う入金の催促も迅速に対応することが可能になります。未集金の管理も含めて入金消込の自動化をすることでキャッシュフロー管理そのものを向上させることも可能です。

5.デメリット

ここでは入金消込を自動化することで生じるデメリットをご案内します。

5-1.コストがかかる

入金消込を自動化するためにはシステムの導入が必要です。エクセルを使って入金消込を行うことはできず、利用には請求書発行システム等を導入する必要があります。請求書発行システム自体は利用料についてはそこまで大きな金額ではないため、比較的どんな企業でも導入しやすい面があります。もともと手作業で入金消込を行っていた場合はシステムの利用料がそのままコスト増と受け取られてしまうこともあるかもしれませんが、その際にはメリットで上げた入金消込の実務作業が削減できること、入金反映がスピードアップすること、キャッシュフロー管理の制度も向上することなど、費用に対する効果を訴えてみてはいかがでしょうか。

6.代表的な入金消込を自動化するシステム

ここでは代表的な入金消込を自動化するシステムをいくつかご案内します。

入金消込に利用するシステム システム名 提供元
請求書発行システム 楽楽明細 株式会社ラクス
freee フリー株式会社
invox発行請求書 株式会社invox
販売管理システム Ally 株式会社ディータイド
PROACTIVE SCSK株式会社
債権管理システム マネーフォワード債権管理 株式会社マネーフォワード
Bill One Sansan株式会社
Bakuraku債権管理 株式会社LayerX

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました