電子チケットシステムを導入して顧客の利便性と業務効率・販売効率をUP

情シス

電子チケットの導入を考えている観光施設の方やイベント主催者もいらっしゃるのではないでしょうか。特に観光施設を運営している中小企業の経営者の方は、電子チケットの導入の進め方がわからないというお悩みも多いかと思います。この記事では、電子チケットとはどのようなものかから、電子チケットシステムの機能、メリット・課題、導入の進め方をご案内いたします。この記事を読んでぜひ電子チケットシステムの導入に向けてシステム選定を進めてみてください。

1.電子チケットシステムとは

ここでは電子チケットとはどのようなものか等、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそも電子チケットシステムとは

電子チケットシステムとは、イベントや観光施設など従来は紙で入場券を販売していたものを、ペーパレス化してチケットの流通や利便性を向上させるためのサービスです。電子チケットは利用者がWEB上で購入して、スマートフォンに電子チケットを表示させて利用するタイプが多くあります。紙のチケットを発行しないため、従来プレイガイドなどに委託していた集金や発券をシステムを利用して自社で行うこともできます。電子チケットシステムの利用には別途システム利用料がかかりますが、間際までWEB上で販売できたり直販化を進めることも可能です。また電子チケットを実際に利用する際もチケットをQRコードなどをスキャンすることで速やかに入場確認も行うことも可能です。

1-2.電子チケットシステムの主な利用場所

ここでは電子チケットシステムの導入が進めやすい主な場所をご案内いたします。
イベント:説明会や展示会、ライブ、スポーツ、コンサートなど
観光施設:美術館や博物館、庭園、遊園地、演劇、映画館、交通機関など
招待関係:周年イベント、インセンティブパーティーなど

2.電子チケットシステムの機能

ここでは一般的な電子チケットシステムの機能をご案内いたします。

2-1.電子チケットのWEB販売機能

電子チケットシステムにはWEB販売の画面が付いているため、自社のホームページ上からチケットの販売画面へリンクすることでチケットのオンライン販売を行うことができます。クレジットカード決済も可能になっておりそのまま購入して、入金確認が取れた状態で電子チケットを購入者へ渡すことができます。

2-2.現地窓口でのチケット販売機能

電子チケットシステムは、施設の窓口でチケットを販売する際にも店頭販売のためのシステムとしても利用することができます。タブレットとプリンターを用意するだけで、電子チケットシステムからチケットを発券することができます。当日窓口でチケットを購入されるお客さまには、施設では電子チケットシステムを利用するものの、その場で利用しやすい紙のチケットをお客様に配布することができます。

2-3.施設での入場機能

施設での入場受付の際にも電子チケットの特性を生かして、QRコードによる確認の手間を減らした受付や無人の入場ゲートによる受付も可能です。

●QRコードによる受付
来場者のスマホで電子チケットを表示させて、QRコードの読み取り端末をへかざしチケットの認証を行う受付方法。

●スタンプによる受付
係員が来場者のスマホに表示された電子チケットスタンプを押して認証する受付方法。スタンプ(といってもいインクの付いていないゴムスタンプのようなもの)をスマホ画面に押すことでスマホと電子チケットシステム間で認証が行われます。システムによってはこの認証は専用のスマホアプリが必要な場合もある。ちなみにスタンプの仕組みは、スタンプを押すとスマホの画面では二本指でタップしたような状態となります。このスタンプ上の指の間隔などの情報が、あらかじめ電子チケットシステムに登録されたスタンプの間隔と一致した場合は、電子チケット上にスタンプマークが表示される仕組みです。

●入場ゲートによる受付
施設の入口に入場ゲートを設置して、来場者が自分のスマートフォンで電子チケットをゲートのQRコードリーダーにかざして行う受付方法です。施設の現地窓口で発行した紙チケットも含めて入場受付を無人で行うことができます。

●顔認証による受付
一部のシステムでは、チケット購入者自身で自身や同行者の顔写真を電子チケットシステムへ登録して、当日の入場の際に顔認証を電子チケットのQRコード読み取りと共に行う受付方法もあります。主には転売制限を意図したもので、イベント主催者の意向によって利用するケースもあります。

2-4.プレイガイドとの連携機能

システムによっては、大手のチケットプレイガイドと電子チケットの連携を行ったり、チケットの在庫数なども連携を行うことも可能です。チケット販売は1件1件の対応に手間がかかりますが、プレイガイドとシステム連携することも電子チケットシステムによっては可能なためプレイガイドでの販売の手間を削減していくことができます。

2-5.団体予約機能

電子チケットシステムには、団体予約の管理機能も含んでいるものがあります。団体予約と個人向けのチケット販売では業務フローが違いますが、電子チケットシステムに団体予約の記録を残すことで、予約を一元管理でき団体予約の漏れを防ぎ館内に情報共有をすることも可能です。また、チケットの売上集計や精算を行う際も、団体と個人それぞれの売上集計や精算を行うことができ、電子チケットシステムで売上管理や精算管理を行っていくことも可能です。ちなみに、旅行会社へチケットを販売した場合の支払手数料についても加味して精算を行うことができます。

2-6.売上管理機能

電子チケットシステムはご説明してきた通り、個人向けの販売も団体向けの販売の両方の売り上げを管理することができます。直販のほかプレイガイド、旅行会社との契約形態にあわせて、発券精算、着券精算など精算形態を分けることができ、前受金、売掛金の管理も可能です。

2-7.オフライン機能

館内で通信機器の障害が起こってインターネットがつながらなくなった場合でも、窓口でのチケット販売やQRコードによる入場はオフラインでも行えるよう一部の電子チケットシステムは設計されています。

3.電子チケットのメリット

ここでは電子チケットの導入メリットをご案内いたします。

3-1.チケットの発送がなくなり間際まで販売が可能になる

チケットの電子化を行った場合の販売面のメリットとしては、購入後の郵送が不要のため間際まで販売を行うことが可能です。販売ロスを減らして売上の最大化を目指していくことが可能です。

3-2.紙代や専用発券機、発送料を削減できる

紙のチケットを発行しなくなるため、紙代や専用発券機といったランニングコストのほか発送料なども削減することができます。従来は専用紙に印字をしたチケットをお客様へ渡して、そのチケットを持っていることがお金を払ったことの証としていました。ですが、現在はWEB上でチケットを予約して支払いを済ませれば本人のスマートフォン上にその人のチケットを表示できるため、紙のチケットを発行する意味(チケットを持つお客様は支払いを済まていることの証明)も薄れています。

3-3.当日の受付コストや精算コストを削減できる

電子チケットであれば、当日の受付にかかる人件費も紙チケットより削減することができます。係員を配置して日時の確認をするよりも、QRコードや専用スタンプを使って電子的に確認を行い速く入場処理を行うこともできます。この他にも入口に無人の入場ゲートを設置してQRコードの読み取りを来場者に行ってもらうことも可能です。この場合は入場係員の数を大幅に削減することも可能です。
また既存の精算フローに紙のチケットを回収後、枚数を集計して精算を行う方式を取っている場合でも電子チケットであれば、入場時に読み取った電子チケットの枚数を瞬時に算出することができます。このような場合は精算のための人員についても削減することが可能です。

3-4.チケット購入者の利便性向上

紙チケットの電子化はチケットの購入者にもメリットをもたらします。基本的に電子チケットはスマートフォン上に表示させて利用するため、紛失リスクや当日の持ってき忘れリスクを軽減することができます。紙チケットだとうっかり紛失してしまうと、ほぼ再発行することは不可能です。(紙チケット自体がチケット代と等価を持つ金券であり、そのお金の価値のある紛失チケットを回収できないため)スマートフォンの方が紛失リスクも低く、宅配を待つなど受け取りの手間もなく運搬も容易のため購入者の利便性も電子チケット化で向上させることができます。

3-5.WEB上で効果的に販売促進策を打つこともできる

電子チケットは購入を決めたらすぐにWEB上で購入ができるため、WEB上での販売促進策とも親和性があります。例えば自社の会員にSNSやメールでイベントの告知を行い、その告知画面から電子チケットの購入画面へリンクするといった購入数を増やす販売促進策を行うことも可能です。

3-6.業務フロー全体を通してペーパレス化を行える

電子チケットの導入により、すべての業務フロー上でペーパレス化を行うことができます。前売りを行う場合の発券や発送から、入場の受付はもちろんのこと、入場時に電子チケットを読み取るため精算についても紙のカウントを無くしていくことができます。一部団体予約の受け入れで利用した旅行会社発行のバウチャーなどは残りますが、それらも売上管理機能に入力することで、電子チケットシステム上で利用実績をペーパレスで管理することができます。

4.電子チケットシステムを導入する上での課題

ここでは電子チケットシステムを導入する上での課題をご案内いたします。

4-1.チケットの値段や内容の誤入力のリスクがある

チケットの価格や内容は、利用施設側で電子チケットシステムに入力してチケットの販売を行っていきます。そのためチケット情報をマスタ登録する際には十分注意して価格や内容の入力を行う必要があります。入力完了後にはダブルチェックを行うなど再確認することもおすすめします。間違った入力のまま気付かないままでいると、間違った価格でオンライン販売したり、店頭でも間違った価格をご案内してしまうことになります。電子チケットシステムには、価格や入力内容の間違いを教えてくれる機能はありませんので注意して入力はしていく必要があります。

4-2.チケットの電子化で業務フローが変わるので導入時には業務フロー

電子チケットを導入すると業務フローが変わってくる箇所が発生します。基本的に、紙を廃止してシステム上の処理になってくるので手間は減りますが、新しい業務フローに直していくためには、電子チケットシステムの操作方法のほかに、購入があったチケット枚数や入場があった入場枚数はいつ、どこに反映されるなどのシステム内の制御も把握すする必要があります。業務フローの検証にはシステム処理の最初から最後までをまず整理することをおすすめします。最初に入力したチケット情報が、購入操作によって人数や売上の入力がシステム内に追記され、入場処理が行われるとここに反映するなど、最初から最後までをシミュレーションすることで、各自が電子チケット導入後にどう変えればいいか、わかりやすくすることができます。

5.電子チケットシステム導入の進め方

ここでは電子チケットシステム導入の進め方をご案内いたします。

  1. 現状の把握と目的を明確にする
    1日の来場者数(平日・休日別)
    月間・年間の売上高
    現在のスタッフ数と業務内容
    繁忙期・閑散期の把握
  2. 現在紙チケットの運用で困っていることをリストアップする(以下は例)
    外国人観光客の対応が増えてきて苦労
    売上集計が煩雑
    チケットプリンターの故障が増えている
    引き続き施設の受付でもチケットを発券できるようにしたい
  3. 予算の検討
    自社で考える予算額をおおまかでもいいので算出する
    インターネットで電子チケットシステムの資料を複数請求しながら価格感を確認
    予算案を作成する
  4. 電子チケットシステムの比較・検討
    解決したい課題(2で記載したもの)をどのシステムなら解決できるか確認
    施設受付でタブレット端末を使う場合はタブレットの機種も検討(通信環境もWi-FiかLTEか確認)
    業務フローについても課題がないか社内確認を開始する
    費用と解決できる課題を勘案して電子チケットシステムを決定
  5. 電子チケットシステムの導入(必要に応じてテストを実施)
    チケット情報やチケット情報をマスタ登録する
    ホームページからチケット購入画面をリンクする
    確定版の業務フローを策定する
    受付用タブレットや入場管理用のQRコードリーダーを設置
    紙チケットから電子チケットへの切り替え日を決定
  6. 運用開始
    切り替え日にから電子チケットの運用を開始する
    運用開始の当日はトラブルが無いかシステム担当などの立ち合いをお勧めします

6.主な電子チケットシステムのご案内

ここでは主要な電子チケットシステムをいくつかご案内いたします。

サービス名 提供元
CLOUD PASS 株式会社ユニエイム
Smart Hello 株式会社システムディ
MOALA playground 株式会社
チケットペイ 株式会社ペイメントフォー
Funity 株式会社EVENTIFY
Tsudle 株式会社リザーブリンク
チケット for LINE Hybrid 株式会社IC
STORES STORES株式会社
いつでも発券 株式会社パストラーレ

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