見積管理システムを導入して見積書作成を楽にしてミスを削減!

情シス

自社の見積作成がエクセルで行われているので、見積の入力ミスがあったり、承認を得ずに見積が提出されてしまったりと、見積作成業務に課題を感じている中堅・中小企業の営業管理職の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここではエクセルで見積作成していることで生じるどのような課題が見積管理システムの導入でどう解決できるかご案内します。加えて見積管理システムの機能や導入のメリットやデメリットも掲載していますので、見積管理システムの導入に向けてぜひシステム選定に進んでみてください。

1.見積管理システムとは

ここではそもそも見積管理システムとはどのようなものかや、見積管理システムの種類をご案内します。

1-1.そもそも見積管理システムとは

見積管理システムとは、企業が顧客に提示する見積を効率的に作成することのできるシステムです。システムを使うことで営業社員や営業アシスタントは過去の見積書をコピーしたり、登録されている顧客情報を流用したり、原価に利益率を指定して売値を作成したり。といったことが可能になります。また、作成した見積書はシステム内に保存することができるため、見積書作成業務の属人化を避けることや、上長の承認を経て見積を出力させることができます。このように複数の社員が関わる見積作成業務をシステムで行うことでスムーズで効率的に行うことができます。

1-2.どのような種類の見積管理システムがあるのか

見積管理システムは主に3種類存在します。見積書の発行に特化した見積管理システムや、電子請求書等の送信にも対応した見積管理システム、販売管理システムと一体になった見積管理システムがあります。
具体的なシステムについてはこのページの末尾でご紹介しますので。そちらをご覧ください。

2.見積管理システムの導入で解決できる課題

ここでは見積管理システムを導入することで解決できる課題をご案内します。

2-1.見積作成のスピードアップ

テンプレートを使って見積書を作成できるため見積書作成のスピードをアップすることができます。作成済みの見積書をコピーすることも簡単で、他の社員が過去に作成した見積書を流用して作成することができます。
エクセルでできていたような数量や単価から合計金額を計算する計算式も見積管理システムには最初から設定されています。

2-2.上長承認もシステム上でスムーズに行える

社員が見積を作成した場合、上長が内容を確認する社内フローとなっている場合があります。この見積確認のフローについても、一般社員と上長は見積管理システム上で行うことができます。手順としてはまず一般社員がシステム上でお客様名や内訳・数量・単価などを入力して見積を完成させ、その後上長へ通知が飛び、上長が見積内容の確認を行います。クラウド型の見積管理システムなら外出先からスマホで手軽に承認することも可能です。

2-3.入力ミスや計算ミスを減らすことができる

エクセルでの見積作成は、使い慣れていてフォーマットも割と自由に作り替えられますが、反面、計算式が気付かずにおかしくなってしまっていても気付かず間違った見積書を作成してしまうこともあります。見積管理システムであれば、入力欄があらかじめ数量欄や単価欄が用意され見積書に特化された状態となっています。販売単価の入力も例えば「原価●円に対して利益率●%」と設定すると自動計算で設定することもできます。

2-4.見積書の属人化解消や共有を進められる

見積書管理システムを使うと見積書のフォーマットを社内で統一することができます。しかも作成した見積はシステム内に保存できるため、見積を共有して蓄積していくことができます。エクセルで見積書を作成していると、フォーマットも自由に変えていたり、保存場所もバラバラということが割と発生してしまうと思います。見積書管理システムを使うことで保存場所や見積書のフォーマットを統一していくこともできます。

2-5.見積書で使う顧客情報を一元管理できる

見積書の上部で表示するお客様の会社名などの顧客情報欄も見積管理システム上で一元管理することができます。社員ごとに自分のエクセルフォーマットで見積書を作成していると、会社名や電話番号、住所、相手先担当者名など同じ会社の見積書を別々の社員で入力する場合も二度打ちすることになります。見積管理システムを利用することで、誰かが入力した顧客情をほかのスタッフも共同利用でき、誤入力や二度打ちの手間を削減することができます。

2-6.請求書や納品書も効率的に作成することができる

これまでは見積書のお話をしていましたが、見積管理システムを使うと実は請求書や納品書も効率的に作成することができます。(見積管理システムに請求書や納品書作成機能が搭載されている場合に限る)
見積書を提出後、特に内容の変更なく受注した場合は、請求書の請求内容は見積書と内容とほぼ一緒になってくるかと思います。そのため見積管理システムには、請求書の作成機能が付いている場合があり、見積書をコピーするような操作で請求書を作成することができます。請求書への記載がそぐわない見積書の備考欄などは削除することもでき、逆に見積書に必須の支払い期限は別途入力できるようになっています。1つ前に記載した顧客情報の一元管理機能は請求書作成機能でも活かすことができ、見積書に設定した顧客情報をそのまま請求書で利用したり加工して利用することもできます。

3.見積管理システムの機能

ここでは見積管理システムの機能についてご案内します。

3-1.見積書の作成機能

あらかじめ見積作成がシステム化されていることで、誰でも見積書を正確に速くきれいにを作成することができます。
正確さでは販売金額の自動計算機能があるため入力ミスに起因する間違い(例えば桁を1桁打ち忘れた等)以外は排除することができます。
速さでは、見積を新規作成する際にはテンプレートを選ぶことで書式は簡単に作成でき、お客様の情報も二度打ちすることなく顧客情報からもってくることが可能です。また、過去に作成した見積をシステム上で検索して、手入力をせずに内訳や単価をコピーすることも可能です。
きれいに見積が作成できるという面では、あらかじめテンプレートできれいな見積書が用意されていたり、社判の印影を貼り付けることもでき、社員によりばらつき無くきれいな見積書を統一的に作成することができます。

3-2.社内承認機能(ワークフロー機能)

見積の顧客提出前に社内の上長承認がルール化されている企業もあるかと思います。このような社内承認についても見積管理システムに組み込まれているものを利用して行うことができます。
まず社内承認機能には、社員や課長や部長など見積管理システムの利用者が階層で管理されており、最初に見積作成者ごとの決済者を設定します。この際に見積管理システムによっては細かな承認フローを設定することもできます。例えば見積金額がいくら以内であれば課長決裁で、いくら以上なら部長決裁というように規則に即した設定も可能です。
承認が取れていない状態の未承認請求書については正式な見積書として出力させない見積書の出力管理も行うことができます。
またクラウド型の見積管理システムであれば見積書の社内承認機能も出先からスマホで手軽に行うこともできます。仕事に追われがちな決裁者にとってはすきま時間に見積の決裁ができることは重宝するのではないでしょうか。

3-3.見積書以外の帳票(納品書や請求書など)作成機能

見積管理システムでは、見積の後で必要になる、注文書や納品書、請求書、領収書といった帳票も出力することができます。見積書の記載内容は後の業務で見積書の記載流用して注文書などを作成することが多いため、作成した見積を流用した複数帳票の作成機能が付いています。修正があった場合も見積書を修正すればその他の帳票にも反映されるメリットもあります。この点でエクセルで見積書を作成していると、修正があった場合に見積書も直して納品書も請求書も直してと、どこかで修正漏れが起こるリスクも抱えてしまいます。
なお、これらの帳票は見積管理システムからPDF版を出力することができ、メールでお客様へ送信することもできます。

3-4.商品管理・取引先管理・社員管理機能

見積書は多くの枚数を作成することが多いため、よく利用する商品や取引先名、社員名などは初期設定で先にまとめて登録をしてしまう機能があります。(いわゆるマスタ登録機能です)例えば一度、取引先管理機能に「海山商事 電話番号:xxxxx 住所:東京都~~~」と会社情報を登録しておくと、見積書を作成する際にはマウスで「海山商事」を選択するだけで、見積書に「海山商事 電話番号:xxxxx 住所:東京都~~~」と表示されます。会社情報を二度・三度と打たなくて済むような機能が付いています。

4.メリット

ここでは見積管理システムを導入して得られるメリットをご案内します。

4-1見積書をはじめとした帳票類を簡単にペーパレス化できる

見積管理システムには、見積書以外にも注文書や納品書、請求書、領収書といった帳票も出力できることをご案内しました。これらの帳票はシステムから簡単にPDFで出力することができます。例えば、見積書や注文書をPDFで出力してお客様でメールに添付してお送りすることも可能です。

4-2.見積のワークフロー機能を構築できる

見積管理システムには、システム上で社内承認の処理を行えるワークフロー機能がついています。そのためエクセルの見積書作成では、承認を得ずに顧客へ見積提出してしまうことも(押印など不要な場合)仕組上はできてしまいました。しかし、見積管理システムを導入した場合はシステム上で承認処理を経なければ出力させないこともできるため、見積作成の社内手続きに際してはきちんとした形でワークフロー機能を組むこともできます。

4-3.見積書のミス削減

この点が、見積を作る側にとっては一番のメリットかもしれませんが、合計金額であったり販売単価の計算はシステムが自動で行うことができます。原価と、加算する利益額か利益率を入力するだけで、システムが販売単価を自動計算しますので計算ミスは削減していくことが可能です。見積を作る側が気を付けることとしては、一番大切なのは見積作成後の再確認ではありますが、見積作成中にも打ち込んだ数量や利益設定があっているか、は気を使った方がいいかもしれません。

5.デメリット

ここでは見積管理システムを導入することのデメリットをご案内します。

5-1.コストがかかること

従来エクセルで見積書の作成をしていた企業の場合は、見積管理システムの導入自体が全く新しいコストとしてかかってくるため、この点で理解を得にくいことがあります。
そういった場合は、見積管理システムの導入効果として、社員、管理職、会社それぞれにメリットがあることを説明してはいかがでしょうか。
例えば、社員にとってはシステムで見積を作成することでミスを減らせたり、管理職にとっては確実に見積を確認してから承認ができ、会社によっては見積業務の属人化を回避することができます。見積管理システムの導入はコストはかかるものの会社全体にメリットをもらすものであることを説得材料にしてみてはいかがでしょうか。

6.代表的な見積管理システム

ここでは代表的な見積管理システムをご案内します。

区分 システム名 提供元
見積作成に特化した
見積管理システム
見積RICH 株式会社コネクティボ
見積デザイナー 株式会社ユニオンシンク
電子請求書等の発行も
可能な見積管理システム
ジョブカン見積・請求書 株式会社DONUTS
バクラク請求書発行 株式会社LayerX
マネーフォワード クラウド見積書 株式会社マネーフォワード
販売管理と一体になった
見積管理システム
freee販売 フリー株式会社
楽楽販売 株式会社ラクス

 

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