GPSを使った勤怠管理で不正や打刻忘れを防止!GPS打刻の導入方法案内

情シス

タイムカードやエクセルで勤怠管理を行っており、不正や打刻忘れが気になっている労務管理担当の方や経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手作業で勤怠管理を行っていると特に事務所を離れて行う直行直帰やお客様先への常駐、現場や工場への出勤など姿が見えない場所では、社員が正規の勤務場所に確実に出勤しているのか確証をもって勤怠管理をしていきたいものです。これらに対しては、スマートフォンでGPSの位置情報を使いながら打刻できる勤怠管理システムを導入することで解決できます。ここでは労務管理担当の方や経営者の方に向けて、GPSを使った打刻を導入することで解決できる課題や、導入に伴うメリット・デメリット、導入に向けたポイント、GPS打刻に対応した代表的な勤怠管理システムをご紹介します。ぜひGPSを使った打刻を導入するために対応した勤怠管理システムの選定に進んでみてください。

1.GPSを使った勤怠管理とは

ここではGPSを使った勤怠管理とはどのようなものかをご案内します。

1-1.そもそもGPSを使った勤怠管理とは

GPSを使った勤怠管理とは、スマートフォンのGPS機能を利用して今いる場所の位置情報を取得して、どの場所から打刻したかを管理できる機能です。
このGPSを使った勤怠管理を利用するには、紙のタイムカードを使っていたり、エクセルで出退勤時間を管理している状況では利用できず、そのような場合はGPS機能に対応した勤怠管理システムを新たに導入する必要があります。
このGPSを使った勤怠管理では、出勤や退勤の時刻をどの場所で行ったかが確認することができるため、不正な打刻を防ぐことができます。そのためオフィス外へ出社する際など、例えばテレワークや出張のほか直行直帰の勤怠管理には特に効力を発揮させることができます。

1-2.GPSを使った勤怠打刻の運用方法

このGPSを使った勤怠管理には、2種類の運用方法があります。勤怠管理システムによって両方できる場合や、どちらかだけできる場合があります。

  1. 打刻した場所を記録するタイプ
    このタイプはスマートフォンで打刻操作を行った際の現在地をGPSで取得して、勤怠管理システムに時刻と共に場所も記録するものです。例えば営業などの直行や直帰の場所が、比較的いろいろ変わるケースでは、打刻する場所を記録してあとで必要に応じてチェックするといった方法が効率的です。
  2. あらかじめ指定された場所まで行ってその範囲にいるときにだけ打刻ができるタイプ
    このタイプは、あらかじめ勤怠管理者が社員ごとに勤務場所を勤怠管理システムに登録して利用します。社員は管理者が指定した勤務場所へ実際に行って、スマートフォンの位置情報が管理者が指定した場所の中であれば打刻が可能になるというものです。お客様先への常駐や工事・工場の現場など勤務場所が外部で固定されている場合は、かならずその場に現れていないと打刻できないため、そのような場合には効率的な方法となります。

2.GPSを利用した勤怠管理の導入で解決できる課題

ここでは勤怠管理にGPSを導入して解決できる課題をご案内します。

2-1.不正打刻の防止効果を高められる

勤怠管理を電子化した場合、スマートフォンから打刻を許可すると、どこからでも打刻が可能になります。極端な話は直行すると言ったものの、自宅にいて自宅で打刻していた・・・ということも起こりえてしまいます。しかしスマートフォンでの打刻時に位置情報を同時取得することで、社員は打刻時点で居た場所が勤怠管理システムに記録されるため、(おかしいことをしてもバレるので)不正な打刻を防止することができます。

2-2.打刻漏れを削減していくことができる

スマートフォンは常に持っていることが多いため出勤や退勤の打刻の打刻漏れを削減していくことができます。
紙のタイムカードを使っている場合は、直行直帰などの際はタイムカードの打刻が空欄となり虫食いの状態になってしまいます。後から出勤や退勤時間を手書きする運用にしている場合は、記入が遅れがちになったり忘れがちになってしまいます。勤怠処理は後にためると記憶も薄れるため極力速やかに記入することが求められます。事務所へ出勤しない日が続く勤務日程だとどうしてもタイムカードに記入しない日が増えてしまうので、スマートフォンから勤怠管理システムへ打刻することで勤務時間を日々申請・実績化していくことができます。
また、このGPSを使った打刻は、直行する場所や直帰する場所で打刻をする必要があります。そのため、勤務開始時と勤務終了時にその場所の位置情報が必要になる意識がはたらきやすくなるため打刻漏れ(打刻し忘れ)も減らしていけるとも言えます。

2-3.オフィス以外で働く社員の勤怠管理を強化できる

オフィス以外の場所で社員が働く場合も、労務管理面では出勤や退勤の打刻だけしている状態では社員がどこにいるのかといった管理をすることができません。オフィスに出勤している場合は一目瞭然ですが、例えば客先へ常駐する場合に出勤しているかの確認を自社として取りたい場合などには、GPSを使った勤怠管理を導入すると社員の所在場所も社として管理することができます。直行・直帰が多くかつ近年新たな労働時間の規制も行われている建設業でもGPSを使った打刻は有効に活用することができます。

3.メリット

ここでは勤怠管理にGPSを導入することで得られるメリットをご案内します。

3-1.打刻に関する不正を防止することができる

出勤や退勤時に正規の勤務場所とは違う場所に社員がいる場合、その情報を使って是正したり、そもそも不正な場所での打刻を抑止することもできます。勤怠管理システム上では社員一人ひとりの出勤・退勤時間の管理はもちろんのこと、位置情報も記載されます。会社で出勤や退勤時の位置情報も管理していることを公表することで、不正な場所での勤怠自体を抑止する効果もあります。

3-2.共用の打刻端末を不要にすることもできる

社員に貸与したスマートフォンで打刻を行うようにすると、例えばICカードリーダーであったり顔認証といった打刻のための共用機器を導入せずに済ませることができます。スマートフォンでの打刻は、そのまま使っていると出勤時間と退勤時間だけを記録することとなり不正をしているかしていないかの判別ができませんが、打刻時の位置情報を利用することでスマートフォンを使った打刻の信頼性を高めて共用の打刻機器を頼らずに運用し続けることができます。

3-3.不要な直行や直帰を抑制できる

GPSを使った勤怠管理を導入すると不要な直行や直帰を抑制することも可能です。これは打刻時点での位置情報を利用するため、例えばまだ帰社できる時間に外での用事が終了し帰宅するようなケースがあっても、打刻操作を行った場所が自宅の場合は自宅の位置情報が取られてしまいます。このように業務中の所在場所が見える化されるため、規定や規則に反する場所での勤務についてもGPSを使った勤怠管理を導入することで一定の抑制をかけることができます。

3-4.災害発生時の安否確認にも活用できる

地震をはじめとした大きな災害が発生した場合に、社員の安否確認を行うと思いますがこの際にも、GPSを使った勤怠管理を導入していると位置情報を有効活用することができます。
災害が発生すると電話やスマートフォンの利用者が増えて普段のコミュニケーション手段が一時的にマヒしてしまうこともあります。この際にGPS打刻の情報を見ると、その日の出勤打刻をどこで行っていたか、場所を把握することができます。安否確認についても、その日の朝にどこにいたかが判明していれば、確認に優先順位をつけることになっても優先順位付けの参考情報にすることもできます。

4.デメリット

ここでは勤怠管理にGPSを導入することで生じるデメリットをご案内します。

4-1.スマートフォンの位置情報機能をオフにするとGPS機能が利用できない

このGPSを使った勤怠管理は、スマートフォンに内蔵されている位置情報機能を利用します。そのため、スマートフォン本体の設定で位置情報機能をオフにしてしまうと、出勤・退勤時に位置情報の取得ができなくなってしまいます。位置情報を使った勤怠管理を社用スマートフォンで開始する際には位置情報機能をオフにしないよう周知する必要があります。

4-2.場所によってはビルや地下でGPS機能が利用できない場合がある

打刻自体はスマートフォンを使うので、まず電波が圏外であると打刻自体が行えなくなってしまいます。GPS機能についてもGPS信号そのものは空から降ってくるため地下にいると受信できなくなって強います。そのため、勤務や出張で行く先によっては、GPSが取得できなかったり、スマートフォンの通信が圏外となってりで、打刻できない場合があります。このようなイレギュラーはどうしても起こってしまうため、勤怠は事後申請を行うなど社内フローを整備しておく必要もあります。なおこの事故申請は位置情報を取得して行うことができないため、その点は労務管理部門でも認識の共有をしておく必要があります。

5.導入に向けたポイント

ここでは勤怠管理にGPSを導入するためのポイントをご案内します。会社から貸与されたスマートフォンですので基本的に業務で必要性があれば位置情報の利用は可能です。これまで会社がどこまでの位置情報を取得するか、しているかについて従業員と疎通していないケースの方が多いかもしれません。もともと勤怠自体が給与や賞与にも反映する性質もあるため、位置情報の勤怠での利用については運用開始前に従業員と意思疎通を図ることも大切です。

5-1.GPS情報の利用について社員への理解

スマートフォンの位置情報を使った勤怠管理を開始する際に、社員が抵抗感を持つ場合があります。会社で貸与されたスマートフォンを使って位置情報を取得すること自体は業務上問題ないことと言われていますが、社員の抵抗感をそのままにせずに理解を得ながら導入していくことをおすすめいたします。

例えば、勤怠管理で出勤や退勤時に位置情報を取得することに加えて、これが打刻不正の対策であること、災害発生時の安否の確認にも使えること、テレワークなどでも正規の場所で働いていることの記録になること、紙の勤怠管理からの切り替えを行う場合は打刻する社員や労務管理担当の勤怠業務が効率化できることなど、効果を幅広く説明してはいかがでしょうか。社内には様々な部署や階層の社員がいるため、位置情報の取得を勤怠の打刻に使うたった1つの目的だけで説明するよりも、取得した位置情報には、他の効果があることも余すことなく伝えることで、社員の位置情報取得についての理解が進むのではないでしょうか。

5-2.プライバシーへの配慮

位置情報を取得した勤怠管理からは話が少し外れてしまいますが、社員に貸与しているスマートフォン端末は、端末管理アプリを入れている場合は会社側で端末の位置情報を取得することができます。
勤務時間外にも緊急連絡用の用途も含めて会社貸与のスマートフォンを持ち帰る運用をしている企業もあるかと思います。それらの場合は勤務時間外でも企業側で仕組上は位置情報を取得できてしまいます。そのため、今回の勤怠管理に位置情報を利用するよりも広い意味で、そもそも社用スマホで位置情報を利用することについては、あらかじめどのような状況や目的で利用するか、会社から社員に伝えておくと勤怠管理での位置情報利用もスムーズに進められるのではないでしょうか。

6.GPS打刻に対応した勤怠管理システム

ここではGPS打刻に対応した代表的な勤怠管理システムをご案内します。

システム名 提供元
KING OF TIME 株式会社ヒューマンテクノロジーズ
ジョブカン勤怠管理 株式会社DONUTS
jinjier勤怠 jinjer株式会社
マネーフォワード クラウド勤怠 株式会社マネーフォワード
Touch On Time 株式会社デジジャパン
Look JOB2 株式会社庚伸
ICカードリコーダー 株式会社オープントーン

 

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