課題管理ツールの導入でプロジェクトや業務の課題を見える化!対応漏れも防ぐ

情シス

営業部門でも管理部門でも、プロジェクトを行う際や、新しいサービスや物品を購入する際、業務の改善を行う際など、実務に入ると様々な課題を管理・解決してプロジェクトや購買、業務改善を成し遂げていくと思います。
実際に日々、課題が掘り起こされたり、解決に道筋が付いたりしていくものですが、それを口頭のやり取りで確認したり、エクセルで管理していると、処理する課題に漏れがあったり、期日を過ぎてしまったり、担当者が曖昧で誰も着手していない課題があったりなど、様々な課題があるのではないでしょうか。
ここではそんな課題をお持ちのプロジェクトのオーナーや、管理職の方に向けて、課題管理ツールをご案内いたします。課題管理ツールを導入することで課題の見える化はもちろんのこと対応漏れにもつなげていくことができます。またその他にもタスク管理やプロジェクト管理にも活用することができます。ぜひスムーズな課題管理に向けて、課題管理ツールの選定に進んでみてください。

1.課題管理ツールとは

ここではそもそも課題管理や課題管理ツールとはどのような事か、などをご案内いたします。

1-1.そもそもビジネス上の「課題管理」とはどのようなことか

課題管理ツールの説明に入る前に「課題管理」という言葉の意味についてまず整理しておきましょう。
仕事上における課題管理とは、サービスや物の購入を検討する際や、現在行っている業務の改善を検討する際に、現在考えられる課題をリストアップして、今後どう改善できるかや問題なく利用できるかを1つ1つの課題を管理していくことを意味します。
ここで重要なことは、課題には「できない事」を書くのではなく、購入を検討する際や改善をしたい際に「確認すべきこと」を記入していく、ということです。確認を進めることで、購入しても問題なく使えることがわかったり、自社側の業務を見直せば使えるので購入して問題ない、自社の業務には足りないことがあり解決できず購入しても使えない、などがわかります。
課題管理とは確認事項を1つ1つ、どう解決できるか確認して1つ1つ、つぶしていくことを意味します。

1-2.課題管理の例(勤怠管理を紙からシステムに置き換える場合)

ここでは勤怠管理を紙からシステムに置き換えていくことを例にして、課題管理のとはどのようなことを行うのかご案内いたします。
ここでは前提として労務管理部門で日ごろ勤怠管理業務を行い業務を熟知している勤怠担当者と、情報システムの担当者の2人で課題整理をしている想定です。

タイムカードで勤怠管理をしている企業が、勤怠管理システムを導入する場合の課題管理例
1.自社の就業規則を勤怠管理システム上に問題なく設定できるか
2.有給休暇の取得義務に対して取得システム上でアラートを出せるか
3.社員の勤怠データを自社で使っている給与計算システムに取り込めるか
4.費用のシミュレーションができているか
5.導入スケジュールを作成できているか
6.社員用のマニュアルは勤怠管理システムに付いているか
7.子会社の勤怠管理も同時にできるか、契約は親会社の契約だけで問題ないか

課題管理をしていくうえで大切なことは、システム導入が趣旨の課題管理であっても、導入するために課題となる費用やスケジュール、マニュアルや契約なども漏れなく記述することをおすすめします。課題管理を見れば解決している

1-3.課題管理ツールとはどのようなものか

課題管理ツールとはインターネット上で課題を一元管理するツールです。課題を入力すると、まずメンバー間で共有でき、回答をしてもらいたい担当者や回答期限を設定することができます。写真やファイルも添付でき、いろいろな課題の伝え方に活用できます。課題にはステータスも設定でき、未対応・対応中・完了など進捗状況も一目で判別することができます。
他にも様々な工夫がされており、課題を登録すると指定された担当者にメールで通知が行く機能であったり、検索機能を使うと解決した課題は過去ログとして利用することもできます。
エクセルを使った課題管理ではファイルのやり取りが必要となったり、検索性やファイル添付ができないことなど不便な面があります。課題管理ツールを利用するとこれらの便利な機能を使って課題を整理していくことができます。

1-4.課題だけでなくタスク管理やメモ管理にも利用できる

課題管理ツールは、入力項目が似通っているため課題管理の用途だけでなく、タスク管理やメモ管理にも利用することもできます。例えば、月次業務を課題(ではなくタスクですが)に登録して、期限を設定し、状況を対応中などにすると簡単にタスクの進捗を共有することができます。また、IDを持っているメンバーがログインすると必ず課題やタスクの一覧が表示されますが、共有すべきメモがあればその一覧にメモも掲載してメンバー間で周知することもできます。
このように課題管理ツールは課題の解決に向けてだけでなく、タスク管理やメモ管理にも利用することができます。

2.課題管理ツールの導入メリット

ここでは課題管理ツールの導入メリットをご案内いたします。

2-1.関係者間での課題の見える化を実現できる

課題管理ツールの基本かつ重要なメリットととして、導入によって関係者間で課題の見えるかが実現できる点があります。最初に関係者へ課題管理ツールのログインID・パスワードを発行すれば、実際に課題の投稿が行われると関係者全員で課題を見ることができます。また一度ログインすれば課題管理ツール上には、過去に掲載され未解決のままの課題も表示されるため、他の課題の進捗状況もすぐに確認することができます。課題管理ツールは多くの課題を進捗も含めて見やすく表示できるように工夫されているため、課題の見える化も一層進みやすくなります。
なおエクセルでの課題管理では、エクセルを開いても、1つの課題に大量の文字が入っていると、一画面に表示できる課題自体の数は数個となり、逆く課題が探しにくいというデメリットもあります。

2-2.課題の対応漏れを防止することができる

課題管理ツールには、課題に期限を設定したり、その課題を主導して解決してもらう担当者を指定することができます。新しい課題の担当者に自分が設定されたり、期限が到来するとメールで通知することも可能です。
期日と担当者が明確になるので、担当者も動きやすくなる面がありますが、エクセルにただ課題を記入しているだけでは誰も対応せずに対応漏れとなってしまうこともあります。課題管理ツールでは、担当者として指名された課題の一覧を表示することも簡単にできるため、誰がどれくらいの課題を担当しており、かつ未解決が何件残っているかなどもすぐに一覧表示することができます。
また課題管理ツールにはToDo管理も搭載されていることがあり、課題の期日とは別にリマインダーを設定することもできます。自分が課題を解決していくうえで、細かい確認事項が発生した場合などは課題管理ツール内にあるToDo管理を使うと小さな課題でも忘れずに行っていくことができます。

2-3.マネージャーの管理業務も効率化することができる

課題や担当者、期限をはじめ課題の元となる情報が課題管理ツールで一元管理されているため、マネージャーによる課題管理も効率的に行うことができます。課題管理ツールは一種の課題のデータベースであるため、入力されている課題を、未解決で期限が今月中になっているものだけを抽出するなど、簡単な操作で行うことができます。マネージャーは、担当者が対応を忘れており未解決のまま期限を迎える前にそういった課題を課題管理ツール上で簡単に抽出することができます。課題管理ツールはマネージャーの方の進捗管理業務にも有効に利用することができます。

2-4.クラウド型なのでPC・スマホでいつでも最新の課題を確認可能

現在提供されている課題管理ツールはクラウド型が主流です。そのため、例えば担当者がPCで課題を入力しても、出先にいる管理者がすぐにスマホで課題を確認することもできます。管理者は出先にいますが、急を要する課題であれば電話で指示を出すなども可能です。課題管理ツールを使えば初動の気づきを速めることも可能です。

3.課題管理ツールの機能

ここでは課題管理ツールの主な機能をご案内いたします。

3-1.課題の投稿・共有機能

課題管理ツールの基本的な機能として、課題の投稿・共有管理機能があります。課題にはタイトルや、詳細説明、解決期限、この課題を解決していく担当者、添付ファイル、優先順位、ステータス、検索用のカテゴリなどを登録します。
課題が登録完了すると、課題一覧にタイトルや期限、ステータス(解決中など)が表示され、関係者での共有が開始されます。誰でも課題のタイトルをクリックすることで、どのような内容で誰が(コメントを精査することで)どう対応しているかを確認することができます。

3-2.ToDoリスト機能

ToDoリスト機能は、タスクを登録する際に利用します。1日にいろいろな業務があると思いますが、各業務を登録してタスクの進捗状況を共有することもできます。ToDoリストはリマインダーとして個人の業務管理にも利用できますが、業務の見える化をする際にも利用することができます。

3-3.プロジェクト管理機能

この記事の最初の方で、課題管理ツールはタスク管理にも使えることをお伝えしました。
プロジェクトを行う際に、やっていく各業務を課題ではなくタスク(ToDoリスト)に登録していくと、タスクをガントチャート上で表示することもできます。
例えば新卒社員の入社プロジェクトがある場合は「新入社員への入社日への連絡」「PCの準備」「オリエンテーションの準備」など各タスクを実行時期と共に登録することで、プロジェクトをガントチャート上で管理していくことも可能です。

3-4.メンションやコメント機能

投稿された課題にはメンバーがコメントを書き込むことができます。その際にメンションをすることも可能です。メンションとは、伝えたい相手に通知を飛ばすことで、コメントを入力した際にそのコメントを読んでほしい相手へメンションすることで、その相手へ通知を飛ばすことができます。メンションは @鈴木一郎 のように、アットマークと氏名で一般的には飛ばすことができます。

4.課題管理ツールの課題やデメリット

ここでは課題管理ツールの課題やデメリットをご案内いたします。

4-1.課題で溢れてしまい優先順位の把握が困難になる場合がある

課題管理ツールには、いくつもの課題を登録できるため、未解決の課題を大量に投稿した場合は、優先順位の把握が難しくなります。
課題を1つ1つ確認して処理していくのは人間ですので、課題の量が多すぎその人の処理能力を超えると当然優先順位がわかりずらくなります。そのため、課題があふれてきた場合は担当者任せにせず、管理者が優先順位付けをするなどしていくと、よりスムーズに課題管理を動かしていくことも可能です。プロジェクトの初期は一気に課題があふれることもあるので初期には注意深くみておくこともお勧めいたします。

5.代表的な課題管理ツールのご案内

ここでは代表的な課題管理ツールをいくつかご案内いたします。

サービス名 提供元
Backlog 株式会社ヌーラボ
Asana 双日テックイノベーション株式会社
monday.com 株式会社ギャプライズ
Trello アトラシアン株式会社
Jira アトラシアン株式会社
Flagxs フラッグス株式会社
Lychee Redmine 株式会社アジャイルウェア
Sciforma サイフォーマ株式会社
Wrike Wrike Japan株式会社
Jooto 株式会社PR TIMES
タスクワールド Taskworld

 

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