IT資産管理ツールで機器やソフトを見える化!安全性を高めコストも最適化!

情シス

社内のパソコンや社用スマートフォン以外にもの様々なIT機器を導入しており、その管理まで手が行き届かないという中小企業の情報システム担当や経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。手が行き届かないままだと、マルウェアが端末に入り込んだり端末を紛失して情報流出を招くリスクも増えてしまいます。そのような課題に対してIT資産管理ツールを導入すると、PCに最新のセキュリティアップデートを適用させたり、許可していないアプリケーションの起動を禁止することもできます。また端末を従業員が適正に(服務規程の範囲で利用しているかも含めて)端末管理することができます。ここでは自社でのIT機器の管理に課題をお持ちの中小企業の情報システム担当や経営者の方に向けて、IT資産管理ツールとはどのようなものかや主な機能、メリット、ツールで管理できる項目の例をご案内いたします。ぜひこの記事を読んで自社の課題解決に向けて端末管理ツールの選定に進んでみてください。

1.IT資産管理ツールとは

ここでは、IT資産管理ツールとはどのようなものかなど、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそもIT資産管理ツールとは

まずIT資産管理とは、企業内や学校・公的機関で使うパソコンやソフトウエア、サーバーや周辺機器などの使用状況や状態を把握して管理することを言います。IT資産管理ツールとはそれらの情報を効率的に取得するためのソフトウェアです。
最初に「管理」という言葉を使ったため少しシンプルに伝わってしまったかもしれませんがIT資産管理ツールで扱う情報は広範囲に及びます。例えば、組織内で使われているパソコンに関する情報では、機種名などの基本情報からスペック、ネットワーク設定、リースや保守情報、OSのパッチ情報などを扱います。ソフトウェアに関する情報では、オフィスのライセンス管理、実際の使用状況などを扱い、パソコンに接続されているデバイスに関する情報やPC内のログ情報も扱います。

パソコンをはじめとしたIT機器は本人以外では利用実態がどうしても見えにくくなってしまいます。そのためIT資産管理ツールを使うことで、物品管理的な機器の存在確認はもちろんのこと、機器が正しい方法で利用されているか、組織内のコンプライアンスやセキュリティ対策が行き届いているかなど、IT資産状態を把握することができます。

1-2.IT資産管理ツールの導入・利用目的

IT資産管理ツールの導入目的や利用目的についてご案内いたします。

●IT機器のセキュリティ確保
IT機器を管理する立場として最も不確実性があることとしては、マルウェアの感染であったり社内からの情報漏洩、これらによる業務の中断にあるのではないでしょうか。これらは誰もが防ぎたいことです。IT資産管理ツールでは、PCに最新のセキュリティパッチが適用されているか確認したり、USBメモリなどの記憶媒体の接続を禁止する機能が付いています。またログを通しても、いつ、どのような記憶媒体を接続していたかなども確認することができ、こういったことが可能なことを組織内に公表することでも不正利用防止に対する対策にも活かすことができます。

●コストの管理や削減
特に複数の事業所や店舗を運営している組織では、社内にパソコンが何台あるかは把握できていても、あまり利用されていない端末が存在するか存在する場合はどこにあるかや、オフィスソフトのライセンス数に余剰が出ていないか、など把握できていないことも多いのではないでしょうか。IT資産管理ツールを使って最新の運用データを取り、機器やライセンスを適切な人に割り当てをすることでIT資産に関するコストをきちんと管理して費用なものを購入を防ぐことでコスト削減につなげるていくこともできます。

●コンプライアンスや組織のガバナンスの推進
コンプライアンスは法令順守を意味しますが、ITに関わるコンプライアンス違反としては個人情報の漏洩(故意の持ち出しやマルウェアによる漏洩など)や著作権違反などがあげられます。IT試算管理ツールを使ってUSBなど記憶媒体の接続を制限したり、インストールされているソフトウェアのライセンス数を把握して監視することができます。

1-3.IT資産管理ツールが必要とされる背景

ここでは、どのような背景でIT資産管理ツールが必要とされているかご案内いたします。

●組織で利用するIT機器類の増加
近年コロナ禍の影響もありましたが、企業や学校、公的機関などの組織内で利用するIT機器が増えています。企業ではオンライン会議の普及によるカメラやマイクスピーカーやスマートフォンの導入をはじめ、学校現場でも学習端末や電子黒板、公的機関でも業務効率向上のため出先でも使えるタブレット端末の調達など、様々なIT機器が導入されています。これら物理的にIT機器の種類や台数の増加に伴い効率的に安全性を高める管理を行っていくためIT資産管理ツールが必要とされている背景もあります。

●働き方改革推進の影響
スマートフォンの普及と共に場所を選ばない働き方も可能となり、これまでノートPCやスマートフォンを活用した働き方改革もさかんに行われてきました。この働き方改革では、IT機器を社内で利用するのではなくテレワークや直行直帰の際にテレワークブースなどの社外へ持ち出して利用することが多くなります。そのため、パソコンやスマートフォンの持ち運びに伴う紛失や盗難などへの対策も必要になり、IT資産管理ツールでそれらの実現を求められてる背景もあります。

●セキュリティ面やコンプライアンス・ガバナンス面の強化
近年マルウェアの感染やサイバー攻撃などが高度化・巧妙化しており、ソフトウェアに脆弱性を未修正のままにしているとこれらの感染や攻撃に合う可能性も高まってしまいます。また、個人情報の流出や著作権違反などが起こった場合には損害賠償を行ったり会社の評判も大幅に低下したりという大きな問題も起こります。さらにその場合コンプライアンスを含むIT利用ルールをきちんと運用できなかったガバナンス面にも改善が必要となります。IT資産管理ツールが必要とされる背景にはこれらの課題に対して対策を講じることが求められていることもあります。

2.IT資産管理ツールの主な機能

ここではIT資産管理ツールの主な機能についてご案内いたします。

2-1.ハードウェアやOSなどの情報管理

社内などの組織内のネットワークに接続されたパソコンや、社用スマートフォンなどのハードウェア情報を自動で収集することができます。パソコンやスマートフォンの機種をはじめ、OSのバージョン、ハードディスクの容量など様々な情報を収集することができます。この情報収集によってOSのソフトウェアアップデートを行っていない端末をあぶり出し、それらの端末へ自動アップデートをするよう指示を出すことが可能です。

2-2.リースやレンタル情報の管理機能

IT資産管理ツールはハードウェアやOSなどの情報をネットワーク経由で吸い上げると、IT資産の管理台帳を作成してくれます。この情報にはリースやレンタルなどの契約情報は入っていませんがこれらの情報を追加することができます。リース期間などをIT資産管理ツールに追加登録することで、端末情報をIT資産管理ツールで一元管理することもできます。

2-3.ソフトウェアの配布やライセンス管理機能

組織内の端末に対して、ソフトウエアの追加インストールが必要になった場合はIT資産管理ツールから一括で端末にソフトウエアを配布することができます。

2-4.禁止デバイスやソフトウェアの利用制限機能

USBメモリや外付けハードディスクなど情報漏洩につながりかねない機器類の利用を制限することができます。あらかじめIT資産管理ツールで禁止機器の設定をしておくことで、利用者がメモリやハードディスクをUSBに接続しても利用不能にしてなおかつログも残すことができます。
ソフトウェアについても利用制限をかけることは可能で、こちらもあらかじめIT資産管理ツールで設定することで、業務外のソフトを起動させない制御を行うことも可能です。

2-5.ログの取得機能

PC上で実際に行った操作のログを取得することができます。ログは結構幅広く取得が可能で、ファイルのコピーをはじめ、印刷、ネットワークク接続、WEBサイト閲覧、外付け機器との接続、アプリケーションの起動などを確認することができます。

3.IT資産管理ツールの利用メリット

ここではIT資産管理ツールの利用メリットをご案内いたします。

3-1.IT資産管理業務の効率化

PCやスマートフォンをはじめとした組織内で利用するIT機器類は、年々高度化や大容量化、ネットワーク化が進んでいます。個人情報の流出ポイントやマルウェアの侵入ポイント、業務外の利用につながるポイントなど、それらのポイントにつながるソフトウェアの操作が存在します。これらは利用者の実利用時の操作であるため、IT部門が人手で管理することができません。IT資産管理ツールを利用することで、利用者側の操作ミスであれ故意であれ、効率的にそれらを防止するための設定を行うことができます。

3-2.コンプライアンスやガバナンスの推進

IT機器や情報システムとコンプライアンスやガバナンスの関わりは、今日切っても切れない関係にあります。IT資産管理ツールを利用することで、IT機器からの個人情報の流出を防いだり、ソフトウェアのライセンス数の範囲での運用につなげるITに関わるコンプライアンスを強化することができます。また法令違反や服務規程違反につながるようなIT機器の操作についてはIT資産管理ツール上で制限を加えたりログを取ることでガバナンス強化につなげることができます。

3-3.セキュリティの強化と適正なコスト管理

IT資産管理ツールの利用はセキュリティ面やコスト面のメリットも提供します。PCやスマートフォン利用の基本的なことではありますが、OSのセキュリティアップデートを端末にきちんと適用させることや、禁止されたソフトの起動を行わせないないなど、セキュリティを高めることが可能です。これらをはじめとしたセキュリティ面の機能の運用はコンプライアンスの推進にもつながります。コストの面では、社内の端末数を正確に把握して、ソフトウェアも含めた利用頻度を確認することができるため、余剰端末や余剰ライセンス数を掴んだうえで、追加PCや追加ライセンスの検討を行うことができます。そのため余計な経費をかけずにIT投資を計画することも可能です。

4.IT資産管理ツールで管理できる項目の例

ここでは、IT資産管理ツールが端末から取得するなどして、ツール上で管理できる項目の例をご案内いたします。一部、契約情報などは別途入力が必要です。

4-1.ハードウェアに関する項目

IT資産管理ツールで管理できるハードウェア項目の例をご案内いたします。

●端末の種類
PC、スマートフォン、タブレット、サーバー、ネットワーク機器、プリンター、複合機、モニター、外部ストレージなど、および各機器のモデルや型番、シリアル番号

●OSやスペック
OSの種類・バージョン・サービスパック、CPU、メモリ搭載容量、ストレージ容量、グラフィックボード、サウンドカード、IPアドレス、MACアドレス

●契約や保守の情報
企業内で付与する資産管理番号、購入日、購入価格、仕入先、リース・レンタル契約情報、保証期間、保守契約情報

●設置・利用者情報
設置場所、利用者名、部署名、最終ログイン、利用時間

4-2.ソフトウェアに関する項目

IT資産管理ツールで管理できるソフトウェア項目の例をご案内いたします。

●ソフトウェア名やライセンス情報
ソフトウェア名、バージョン、ライセンスの種類、利用数、プロダクトキー、契約期間、購入日、仕入先、購入金額、ライセンス形態

●端末情報
インストールされている端末、ライセンス数、ソフトの利用頻度

●更新プログラムの適用状況
セキュリティパッチの適用済・未適用、ソフトウェア本体のバージョン情報

4-3.ログに関する項目

IT資産管理ツールで管理できる操作ログ項目の例をご案内いたします。

●PC操作ログ
ログイン・ログオフ日時、ロック・アンロック日時、ファイルの作成・コピー・削除日時、扱ったファイル名・パス・サイズ

●外部デバイスログ
USBメモリ・外付けHDDの接続日時、書き込み履歴

●ソフトウェアログ
ソフトウェアの起動・終了日時、

●WEBログ
WEBサイトのURL・日時、ダウンロード・アップロード日時

●印刷ログ
印刷ファイル名・日時、プリンタ名

5.主なIT資産管理ツール

ここでは主なIT資産管理ツールをいくつかご案内いたします。

サービス名 提供元
LANSCOPE エンドポイントマネージャー エムオーテックス株式会社
System Support best1 株式会社ディー・オー・エス
SKYSEA Client View Sky株式会社
Eye“247” Work Smart Cloud 株式会社フーバーブレイン
PCアセットモニタリングサービス Dynabook株式会社
Assetment Neo 株式会社アセットメント
IT Asset コンシェル Console エイチ・シー・ネットワークス株式会社
AssetView 株式会社ハンモック
MCore 住友電工情報システム株式会社

 

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