学習管理システムで研修や資格教材を電子化!特徴や機能やメリットをご案内

情シス

社内の様々な部署で、例えば新商品販売のための研修や中途入社者向けの研修のほか、資格取得の勉強支援、コンプライアンス研修など様々な研修を行っていきたいニーズがあるかと思います。昨今、場所と時間を選ばないEラーニングで具体的な研修実施を検討されることも増えています。この記事では、そんな「研修の電子化」について相談が寄せられている中堅・中小企業の情報システム担当の皆さんに向け、学習管理システム(LMS)をご紹介します。学習管理システムの基本からシステムの特徴、機能、メリットやデメリットなど掲載していますので、ぜひ学習管理システムの選定に進んでみてください。

1.学習管理システム(LMS)とは

ここではそもそも学習管理システムとはなど、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそも学習管理システム(LMS)とは

そもそも学習管理システムとは、PCやタブレット、スマートフォンで学習を提供・受講するためのシステムのことです。英語ではラーニング・マネジメント・システム(Learning Management System)と言われ、この学習管理システムはその頭文字を取ってLMS(エルエムエス)とも言われています。学習管理システムには、管理者側(講師側)の学習提供機能のほか、学習者側の受講機能などが装備されています。学習管理システムは、教材を配信して誰しもが自由に受講できる状態にするだけではなく、受講状況などの進捗や成績の管理、受講が未完了の対象者への催促、理解度テストやアンケートなども組み込まれています。このように学習管理システムは単にEラーニングを提供するだけでなく、受講状況であったり理解度を受講者ごとに管理できるため、学習を実施する際には管理者側(講師側)の手間を削減することができます。受講者側にもPCのほかにスマートフォンでも受講でき、場所や時間を問わずに学習を行えるメリットもあります。コロナ禍を経て非対面での学習・研修が格段に増えてきていますが、学習管理システムの利用も非対面学習を促進する要員の一つになっています。

1-2.学習管理システムを使った学習の用途

ここでは主に企業で学習管理システムを使う場合にどのような用途で利用できるか例示してご案内いたします。

●企業内研修
例えば、新規商材を立ち上げて販売開始する際の営業社員向けの研修であったり、継続的に社員採用を行っている部署で入社都度行う研修などでも利用できます。このほかにも全社員が受講するコンプライアンス研修やハラスメント研修、労務管理研修などにも活用することができます。

●資格試験向け研修
会社で必要となる資格の取得支援をする際にも学習管理システムを活用することができます。主に自社で教材は用意する必要はありますが、システムに資格試験の教材を登録しておくことで、対象者が勤務時間外でも資格試験の勉強を行うことも可能です。都度都度大きく試験範囲が変わらなければ、常時教材をシステムに置いておくことで継続的に研修を実施できることも社内にとっては魅力的です。

●リスキリングの研修
昨今、企業内でもDXなどのテーマでリスキリング研修を実施することがあります。リスキリングは比較的新しい分野の勉強を進めていくということもあり、一人一人の受講状況や理解度の管理も重要になってきます。このようなリスキリング研修でも学習管理システムは活用することができます。

●代理店向け研修
例えば、広告やメーカー、旅行など代理店が販売を行う業界では、商品の発売元が販売を行う代理店へ研修を行うことがあります。発売元の会社と、受講する側の代理店は別会社にあたりますが、このような場合でも学習管理システムはインターネットで利用可能なため、代理店向けにシステムを使った研修を開催することも可能です。

1-3.学習管理システムの種類(クラウド型とオンプレミス型)

学習管理システムには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウド型は、インターネット上に学習管理システムを構築して利用する方式で、オンプレミス型は自社内のサーバー上に学習管理システムを構築する方式です。
クラウド型は、インターネット上への学習管理システムの構築自体は、学習管理システムの運営会社が行います。なので実際には利用する企業側は、クラウド型の学習管理システムを契約して、受講者情報や教材をアップロードするだけで比較的簡単に運用開始することができます。特段情報システム担当の方の知識が必須なことは、あまりなく利用環境を整備することができます。
一方のオンプレミス型は、学習管理システムを社内の情報システム担当やシステムベンダーが自社のサーバーへ構築やインストールを行います。セキュリティは自社内のサーバーを利用するため高めることができ、ランニングコストもクラウド型よりは抑えられる傾向があります。なお、構築や一部の運用ではサーバーの専門知識を持ったスタッフが必要になってきます。

2.学習管理システムの特徴

ここでは学習管理システムの特徴をご案内いたします。

2-1.学習状況の可視化

学習管理システムは受講者一人一人の受講進捗を常時管理することができるため、社員ごとに受講が終わっているか、受講中の場合はどこまで受講が進んでいるかなど学習状況を可視化することができます。期限内の受講完了に向けてのリマインドや声掛けにも随時利用することができます。また、受講の進捗度を講座ごとに比較することで受講が進みやすい講座や進みにくい講座を判別することもできます。例えば進捗が進みにくい講座は教材の作り方を改善するなど簡単に学習状況の可視化ができる利点を活かして学習管理を進めていくことができます。

2-2.管理者側(講師側)と学習側双方の効率化

従来の学習方法では、講師や会場を手配し受講者を一か所に集める集合研修であったり、資格試験の対策書を学習者に渡して学習者に自習してもらう、といったことが多かったのではないかと思います。学習管理システムは管理者が最初に教材を登録すれば、毎回の会場や講師の手配は不要で、逆に教材を作りこむことに集中することもできます。完成した教材を登録しておくことで都度都度の研修実施が不要となり管理者側(講師側)も効率化することができます。また、学習者側も研修会場への訪問が不要となったり、空き時間にWEB上で学習を進めることができ、時と場所を選ばない学びを行っていくことができます。

2-3.タレントマネジメントシステムでのデータ利用

社員の人材情報をタレントマネジメントシステムを利用して管理している場合は、学習管理システムで受講した研修の情報をタレントマネジメントシステムの中に連携できるものもあります。研修業務と人事業務は別々に行われていることも多いかと思います。タレントマネジメントシステムと学習管理システムを連携させることで学習管理システムでの研修歴をタレントマネジメントシステム側へ自動で移行し、人材情報の一元化を進めることもできます。

3.学習管理システムの機能

ここでは学習管理システムの機能についてご案内いたします。

3-1.受講者機能

ここでは主に受講者が学習管理システムで利用できる機能をご案内いたします。

●講座のEラーニング受講機能
ログイン後、自分自身が受講対象となっている講座のみが表示され、そこからスライドや動画の閲覧を通して学習することができます。

●Eラーニングの中断機能
受講中の口座はいつでも中断することができます。例えば翌日に再開しようとして改めてログインしても前日の中断箇所(または未完了となっていたチャプターの開始部分)から学習を再開することができます。

●テスト、アンケート機能
あらかじめ管理者が受講完了後にテストやアンケートを行う設定を行っていた場合は、受講者は受講完了後にテストやアンケートを受けることができます。

●過去の学習や研修の履歴機能
過去に自分が受講した学習や研修については、学習管理システムへのログイン後に履歴として確認することもできます。

3-2.管理者(講師側)機能

ここでは管理者(講師側)が学習管理システムで利用できる機能をご案内いたします。

●受講者の登録機能
学習管理システムに受講者がログインできるようにするための登録機能です。主に従業員の氏名や部署名、ログインIDなどを登録します。学習管理システムは基本的に一人に1つのIDが付与が原則です。一人に1つのIDを付与することで、個人ごとに受講できる講座をコントロールできたり、テストも個人ごと実施することができます。

●教材の登録機能
受講者が学習に利用する教材としてスライドや動画を登録することができます。スライドはパワーポイントやPDFファイルを利用することもできます。また、教材に対して学習の対象者を登録することができるため、例えば対象者を絞った研修や学習を行うこともできます。

●受講者の進捗管理機能
学習を開始すると、受講者ごとに学習がどこまで進んでいるか進捗状況を確認することができます。進捗状況が設定した研修期限に対して悪い場合のアナウンスなどにも使うことができます。

●受講完了者やテスト、アンケート結果の管理機能
受講が完了した人のリストを出力したり、受講完了後のテストやアンケート結果を出力することもできます。テストは自動で採点されるため、正誤をつけたりや点数を集計する手間を省くことができます。

3-3.受講を促進するための機能

ここでは、学習管理システムにある受講を促進するための機能をご案内いたします。

●PC、スマートフォン、タブレットなどマルチデバイス対応機能
学習管理システムは、PCで見てもスマートフォンで見てもタブレットで見ても、登録されたスライドや動画を最適なサイズにリサイズして表示する機能が備わっています。

●チャット機能
受講者から質問がある場合に備えて、学習管理システム上のチャットが用意されているシステムもあります。対面であれば講座の前後に講師へ少し質問することもできますが、学習管理システムであればチャットを利用することで講師への質問も比較的多く投げることも可能です。

4.学習管理システムのメリット・課題やデメリット

ここでは学習管理システムのメリット・課題やデメリットをご案内いたします。

4-1.学習管理システムのメリット

学習管理システムのメリットをご案内いたします。

●研修部門や人事部門の負担軽減
物理的な研修会場の確保や講師の予定を抑えることが不要になるため、研修準備や実施の工数を大幅に削減することができます。また会場確保に経費がかかる場合は経費も削減することができます。

●受講者、主催者双方に場所と時間を選ばずに研修実施できる
研修自体は受講者が空き時間など自分のタイミングで行うため、仕事の空き時間でも受講することができます。また受講者も講師も研修会場への物理的な移動時間や経費も削減することができます。

●繰り返し学習することが可能
管理者が教材を登録した際に設定した学習期間内であれば、受講者は何度でも繰り返し学習することは可能です。対面研修だと自分の記録だけが頼りになりますが、学習管理システムであれば理解できていない箇所はもう一度教材の動画を再生することもできます。

4-2.学習管理システムの課題やデメリット

学習管理システムの課題やデメリットをご案内いたします。

●学習管理システムの利用にコストがかかる
学習管理システムはクラウド型の場合は毎月の利用料がかかります。オンプレミス型であれば基本的には初期費用のみかかります。システムの利用によって管理者(講師側)も受講者もEラーニングを効率よく利用できるため、費用はメリットと天秤にかけて検討する必要があります。

●マニュアル作りなど一部に新たな工数がかかる
社内で学習管理システムを展開する場合、誰もがPC操作が得意というわけでもありません。そのため学習管理システムのログインや基本的な使い方のマニュアル作成も必要になってきます。マニュアルといっても、ログイン方法や受講方法など基本操作に絞ったもので大丈夫です。このマニュアル作成が後々の運用で、操作方法の質問を省き工数削減につなげることができます。

5.学習管理システムのご案内

ここでは代表的な学習管理システムをいくつかご案内いたします。

区分 サービス名 提供元
社内・社外向け
学習管理システム
CAREERSHIP 株式会社ライトワークス
Learning Ware 株式会社プロシーズ
Speed LMS Pro 株式会社ITBee
learning Box learningBOX株式会社
Wisdom Base 株式会社シェアウィズ
社内向け
学習管理システム
GLOPLA 株式会社グロービス
学びばこ 株式会社テクノカルチャー
Platon ロゴスウェア株式会社
Workschool TRUNK株式会社
umu ユームテクノロジージャパン株式会社
カオナビ 株式会社カオナビ
Knowledge Deliver 株式会社デジタル・ナレッジ
shouin+ ピーシーフェーズ株式会社
Smart Boarding 株式会社FCE
Schoo ビジネスプラン 株式会社Schoo
Air Course KIYOラーニング株式会社

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