営業部で顧客向けのイベントがあったり、社内でプロジェクトが立ち上がりノートパソコンが必要になったものの、社内に余剰端末もなく一時的なパソコンの調達を考えている中堅・中小企業の情報システム担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合のパソコンの調達方法として、ここでは法人向けにパソコンのレンタルサービスをご案内いたします。企業内でのパソコン調達は、リースや購入などもありますが、レンタルは数日単位から年単位まで期間を幅広く選ぶことができます。そのため数日のイベントだけでなく、数ヵ月や年単位のプロジェクトでも活用することができます。この記事では、法人向けレンタルPCとはどのようなものでどんなメリットがあるかや、逆に長期間利用するとリースや購入の方が安くなるというデメリットも含めてご紹介します。短期以外にもプロジェクトである程度の期間PCが必要になる際は、この記事を参考にレンタルPCの利用も選択肢に入れてみてください。
1.法人向けのパソコン レンタルとは
ここでは、法人向けのパソコン レンタルとはなど、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。
1-1.そもそも法人向けのパソコン レンタルとは
法人向けのパソコンレンタルとは、文字通りパソコンを一定期間レンタルして企業で利用できるサービスのことです。最近はスマートフォンの法人向けレンタルは比較的耳にすることも増えてきたかもしれませんが、パソコンのレンタルについてはまだご存じではない方も多いのではないでしょうか。パソコンのレンタルはイベントなどを開催するため一時的にパソコンの台数が必要になる短期利用の場合をはじめ、中長期のプロジェクトを行うなど年単位での利用まで色々な期間や用途に利用できます。普段会社で利用するパソコンを購入するでもなく、リースで調達するでもなく、機関やタイミングなどの面でフレキシブルに調達できるのがレンタルという調達方法となります。
1-2.レンタル以外の調達方法とは(リース、購入)
レンタル以外のパソコンの調達方法についてもここで触れておきたいと思います。
●リース
リースは、企業でパソコンを調達する際に比較的浸透している調達方法の1つです。リースはパソコンを調達する企業が購入するのではなく、リース会社から借りて利用するため、レンタルと似た部分もあります。パソコンの機種自体も、リースであれば企業が自由に選ぶことが可能です。流れとしてはまず企業が使いたいパソコンの機種を選び、リース会社がパソコンを購入して、リース会社はパソコンを企業に貸し出し、企業は自分で選んだ機種を利用できる、というものです。
●購入
購入は、シンプルに企業でパソコンを販売店から購入する方法です。法人で購入する場合は街の量販店ではなく法人向けのパソコン販売業者(ベンダーとも言われる)から購入するケースが主になります。これは企業でパソコンを利用する場合は保守を付けることが多く、一般の販売店に比べてベンダーは保守の対応が得意なためです。保守についてはリースについても付けることが可能です。
1-3.レンタルPCの用途
レンタルPCの用途についてもご案内したいと思います。
短期的な利用用途では、イベントや展示会開催時の運営者側端末としての利用など、一時的ですがパソコンの台数が必要となる場合にレンタルPCが使われる傾向があります。結構一時的な利用のシーンは多く、PCが必要となる社内研修を行う場合や、顧客向け説明会、出張、急なプロジェクトの実施、リモートワークなどもレンタルPCの需用としては挙げられます。
中長期でPC利用でもレンタルPCは使われることがあります。ケースとすると1年単位でのプロジェクトなどが一般的です。用途の他にも、レンタルPCは借り受けする期間も柔軟に設定できるため中長期で利用する場合でもレンタルPCを活用することがあります。
1-4.企業でレンタルPCが求められる背景
企業でレンタルPCが求められる背景には、短期的にPCが必要だから、というだけでなく、IT戦略に基づいてPCをレンタルで調達している面もあります。
●導入時の資金負担が少ない
例えば、比較的PCは1台あたりの金額が高く、数台購入するだけでも100万円近い金額がかかることがもあります。購入する場合だと一時的にもまとまった資金が必要となります。
●保守やキッティングの手間を社内でかけたくない
社内にパソコンが壊れた際の対応や増員時に増えたパソコンの設定を行うスタッフがいない場合などは、保守やキッティングも目的としてレンタル
でパソコンを調達する場合もあります。IT要員がいない企業であったり、社員がより本業に集中したい場合などにもレンタルPCが利用されることがあります。
●パソコンの資産管理の手間を省きたい
レンタルでパソコンを調達する場合、経理財務部門が行う資産管理の対象外となります。資産管理をする必要がないため、減価償却の管理や棚卸しなども不要にすることができます。パソコンを購入やリースで調達する場合は、この資産管理が必要となります。
●故障時に代替機の提供や修理対応を受けられる
普通に使っていてレンタルPCが故障してしまった場合は、基本的にレンタル業者が代替機の手配や修理対応を行います。こういった迅速な故障時対応も目当てにしてレンタルPCを調達することがあります。
2.レンタルPCのメリット
ここでは、レンタルPCのメリットをご案内いたします。
2-1.パソコン導入時の費用負担を軽減できる
パソコンを購入する場合に比べると、レンタルは初期投資の金額を大きく削減することができます。購入の場合は、最初に1台につきまとまった金額(例えば10数万円)の購入費用かかることもありますが、レンタルであれば毎月、1カ月分の利用料を定額を支払いすることができるので、会社の資金から一気に購入費用分が消えていくということは避けることができます。
2-2.短期利用時に少ない負担額で利用できる
ここが大きなレンタルPCのメリットとも言えますが、短期利用する際に購入する場合やリースをする場合に比べて費用負担を安く抑えることができます。レンタルの料金体系は数日単位や週単位、1ヵ月単位などで利用することができます。半年だけ利用できればいいのに、そのためにPCを購入すると、1台につき10数万円など現実的ではない負担額を支払うことになってしまいます。またリースでパソコンを調達するにしても、リースの期間は一般的に最低でも2年となっておりレンタルよりもリースの方が高額になってしまう場合があります。短期間の利用は経済性の面でもレンタルPCの利用にメリットがあります。
2-3.比較的早く調達することができる
レンタルPCは購入する場合やリースで調達する場合に比べて、機種自体を速く調達することができます。レンタルならばレンタル会社が在庫を持っているため、購入したり初期設定にかかる時間を省くことができます。リースは実際に機種が自分たちの手元に来るまでには、基本は新品PCを調達するためパソコン販売ベンダーへの見積や機種決定、注文などのプロセスがかかってきます。その分時間がかかるため、レンタルよりもリースは調達までに時間を要してしまいます。またパソコンを新規購入する場合も、リースと同様に見積や機種決定、発注から納品までのプロセスがかかるため、レンタルよりも調達の時間はかかってしまいます。
2-4.PCの保守もレンタル会社に委託できる
レンタルPCのメリットには、キッティングを委託することができる点もあります。例えば、ネットワーク設定をあらかじめ指定したものに設定してもらったりオフィスなどのアプリケーションソフトをインストールしておいてもらうなど、すぐに自社でレンタルPCを利用できるようキッティングを依頼することもできます。
2-5.パソコン利用者の増減が想定される場合には中途解約も可能
中途解約ができるのもレンタルPCの魅力の1つです。需要の増減が想定される業務を行っている場合は、パソコンをレンタルで調達して余剰となった端末は解約することもできます。レンタル期間の途中での解約には基本的に解約料は必要になりますが、原則解約ができないリースに比べると、レンタルではトータルでのコストを削減しやすいとも言えます。このため、将来利用するパソコン台数を減らす可能性がある場合にもレンタルは有効な手段にできる場合があります。
3.レンタルPCのデメリット
ここでは、レンタルPCのデメリットをご案内いたします。
3-1.機種はレンタル業者のラインナップから選ぶ必要がある
レンタルPCでは、基本的に「この機種を利用したい!」といった要望は、自社の要望する機種とレンタル業者の在庫が合致した場合にのみ、叶えることができます。レンタルPCは、あらかじめレンタル業者が調達した在庫PCを貸し出しするため、購入やリースのように自社が指定した機種を確実に調達するといったことはできなくなっています。
3-2.契約期間が伸びるほどコストパフォーマンスが悪くなる
レンタルPCの利用料は、一般的なPCだと1台に月額で数千円から1万数千円程度とも言われています。そのため、契約期間が2年・3年など中長期に及んだ場合はリースや購入の方が結果的に安くなる、といったこともあります。
例えば1・2年で仕事量が減る見込みがあったので当初レンタルPCを導入し仕事量が減ったら解約をすることを考えていたものの、結局仕事量が減らず、その後も使い続けたため結果的にリースや購入よりも高くついた、ということは起こりえます。
レンタルは速やかに機種を導入できるメリットはあり、急ぎの仕事に即効性があるものの、そのまま長期間使う場合はコスト高を招く場合もあるので、導入検討時にいつまでレンタルPCを利用すると、リースや購入の方が安くなるかの時期はシミュレーションを行い、検討することをおすすめいたします。
4.(参考)リースのメリット・デメリット
ここでは参考にリースのメリットとデメリットをご案内いたします。
4-1.リースのメリット
リースのメリットは、利用したいパソコンの機種が指定できたり、費用が中長期間(2・3年~5年)で利用する場合はレンタルよりも割安になることが上げられます。
4-2.リースのデメリット
リースのデメリットですが、解約が原則できないことが上げられます。解約しようとしても結局は、当初契約した期間まではリース料を支払う必要があります。そのため事業内容が変化した場合などもレンタルのように中途解約はできず継続して費用が発生するということは押さえておく必要があります。
5.(参考)購入のメリット・デメリット
ここでは参考に購入のメリットとデメリットをご案内いたします。
5-1.購入のメリット
パソコンをレンタルやリースではなく、自社で購入する場合のメリットとしては、利用期間が長期間に渡ればわたるほど、費用負担が割安になる点が上げられます。リースであれば、パソコン自体がリース会社に所有権があるため最大でも5年経過するとリース会社へパソコンを返却する必要が出てきます。※リースの場合は、そこからまた最新機種を導入して再びリース料を支払って利用していくこともできますが、パソコンを利用継続するなら結局継続して費用がかかります。
5-2.購入のデメリット
購入のデメリットは、最初のパソコン購入時にまとまった資金が必要になる、という点があげられます。1台あたり15万円かかると、単純計算で10台導入するなら初期費用で150万円ほどかかり、100台調達するなら1,500万円かかります。購入には導入時にまとまった資金が必要になる点が大きなデメリットと言えます。
6.レンタル、リース、購入の比較
ここでは、パソコンをレンタル、リース、購入した場合の比較をご案内いたします。
レンタル | リース | 購入 | |
契約期間 | 日単位~年単位 | 年単位 | - |
初期投資 | 小 | 小 | 大 |
中途解約 | ○ | × | - |
機種の指定 | × | ○ | ○ |
キッティング | レンタル会社に委託可能 | ベンダー等に委託可能 | ベンダー等に委託可能 |
保守対応 | レンタル会社に委託可能 | ベンダー等に委託可能 | ベンダー等に委託可能 |
端末の処分 | レンタル会社 | リース会社 | 自社 |
所有権 | レンタル会社 | リース会社 | 自社 |
会計処理 | 経費処理 | 資産計上 | 資産計上 |
7.法人向けパソコンレンタル会社のご案内
ここでは法人向けパソコンレンタルを行う会社をいくつかご案内いたします。
サイト名 | 会社名 |
法パソ | 株式会社レンタルバスターズ |
横河レンタ・リース | 横河レンタ・リース株式会社 |
レンタル・マーケット | 株式会社SSマーケット |
テクノレント | テクノレント株式会社 |
e-TAMAYA | 株式会社タマヤ |
VALTEC Rental | 株式会社バルテックネットワークス |
レンタルPCネット | 株式会社レンタルPCネット |
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