スマートフォンを近々まとまった台数を導入する計画があり、そのキッティングについてアウトソーシングを考えている、そんな中堅企業や中小企業の情報システム担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、そんな方のために、スマートフォンのキッティングとはそもそもどういうことを行うのかや、キッティングをアウトソーシングする場合のメリット、デメリットなどをご案内いたします。社内でまとまった台数のキッティングを行う場合は、工数もかかるため大幅に時間がかかる場合もあります。社内でのキッティングが難しい場合は、ぜひこの記事を読んでキッティングサービスの選定に進んでみてください。
1.スマートフォンのキッティングとは?
ここではスマートフォンのキッティングとはどのようなものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。
1-1.そもそもスマートフォンのキッティングを解説する前に「キッティング」とは何なのか?
もともと「キッティング」という言葉をご存じの方でしたらスマートフォンのキッティングを聞いてイメージが付くかもしれませんが、一番最初なのでまずはキッティングという言葉の意味からご案内していきます。
キッティングとはスマートフォンやパソコンを導入した際に行うソフトウェアの設定を行うことを意味します。主に、企業内へのスマートフォンの導入時やパソコンの導入時に使われる言葉です。一口に導入というと、新しいスマートフォンやパソコンを新規導入した際に行うイメージがあるかもしれませんが、端末の持ち主が変わった場合もこのキッティングは行う場合があります。これがどのような場合かと言えば、例えば新入社員が入社してパソコンやスマートフォンを貸与することになった場合、例えば社内に社員の退職などで余剰になってったスマートフォンやパソコンがある場合は新規購入せずに退職者が使っていたパソコンやスマートフォンを新入社員が使う場合があります。このように端末を利用する社員が入れ替わる際も、一度旧社員のデータを削除するなどした後に新しい社員向けの設定作業を(キッティング)を行ってパソコンやスマートフォンを本人に出荷することがあります。
これらのキッティング作業は意外と時間がかかるものです。個人でスマートフォンやパソコンを購入した際に最初の起動時に設定をいろいろとしなければならないことを思い出してみてください。ん!5分位で終わるんじゃないの!?とお思いの方もいるかもしれませんが、会社で使うスマートフォンやパソコンには業務アプリケーションが入っていたり、規定外のアプリのインストールや起動を制限する端末管理ソフトが入っていたり、そもそもどの社員がどのスマートフォンやパソコンを使っているかIT資産管理の情報を更新するなども行う必要があります。スマートフォンやパソコンを箱から取り出して設定をして、IT資産管理の記録処理をして、それらすべての作業が終わったらパソコンやスマートフォンを使う社員に端末を届けて・・・と、企業ではキッティング業務で実に様々なことを行います。これがまとまった台数でキッティングを行う必要がある場合は、かなりの時間を取られることがあります。これらの作業・業務が企業における「キッティング」と言えます。
1-2.スマートフォンのキッティングとは?
スマートフォンのキッティングとは、企業において業務用スマートフォンを新規導入したり、端末を利用する社員を変更する際に端末へ行う設定作業のことです。具体的には、スマホ自体の初期設定のほか、Wi-Fiの設定や業務アプリケーションのインストールであったりセキュリティ設定の他に(一般的には)端末管理ソフトのインストールや設定なども行います。これらは、業務用スマートフォンを安全かつ業務範囲内で利用していくために必要な処理となっており、企業で業務用スマートフォンを運用していくうえでは必須とも言うことができます。
例えば、アプリケーションのインストールやスマホ自体の初期設定をキッティング時に行うことで、利用する社員がすぐに実業務で利用することができます。また、アプリケーションのインストールを社員任せにしてしまうと、業務で使わないアプリケーションをスマホにインストールする機会を与えてしまうことにもつながります。そのためキッティング時に必要なアプリケーションをインストールすることで業務外アプリをインストールするリスクを減らすことができます。また、セキュリティ設定や端末管理ソフトをインストール・設定しておくことで、マルウェアへの感染対策を講じておいたり、業務外のサイト閲覧やアプリのインストールや利用を制限することができます。これらにより情報流出であったり端末利用に関わるトラブルを防止していくことが可能です。
このように、企業内でスマートフォンを利用していくことで生じるリスクをキッティング時にそれらリスクを下げる設定を行うことで着実に減らしていくことができます。このキッティング作業を端末を利用する社員任せにしてしまうと、一部設定が未完了のまま使用開始してしまいその結果、セキュリティが不十分な状態でスマートフォンを利用することにつながりかねません。そのため企業におけるキッティングは、専門の情報システム部署や情報システム担当が行うか、外部のキッティング代行サービスを利用することもおすすめいたします。
1-3.MDM(端末管理ソフト)を利用したキッティングを行うと設定時間を削減できる
MDM(端末管理ソフト)を使うと、メールアカウントの設定やアプリケーションのインストールなどをスマートフォン上で自動で実行することができます。これらの実行にはあらかじめMDMの管理ソフト上でどういったアプリケーションのインストールするかやどういった端末設定を行うか設定が必要です。
スマートフォンの設定やアプリケーションのインストールなどのキッティングは、手動で行うとどうしてもあの小さな画面の中でキーボードやアイコンをタップしながら行うため工数がかかりがちです。そのためMDMを使うことでキッティングの時間を短縮することができます。
2.スマートフォンのキッティングはどんなことをするか
ここではスマートフォンのキッティングはどんなことをするかについて、ご案内いたします。
2-1.端末の開梱・付属品確認
まずは基本的なことですが、端末の開梱を行ってスマートフォンと付属品がすべて入っているか確認を行います。そして電源が入るかチェックを行います。同時に今後の設定や利用のために充電を行います。スマートフォンに資産管理のラベルを貼り付ける場合、キッティングの台数が多い場合は別の端末に紛れてしまうことを防止するため最初に資産管理のラベルをスマートフォン本体に貼り付けることもおすすめいたします。
2-2.SIMカードの挿入
スマートフォン本体にSIMカードの挿入を行います。SIMカード自体もスマートフォンのSIMカードトレイもとても小さいため、慎重に挿入操作を行うことをおすすめいたします。eSIMを利用する場合はスマートフォン本体の電源を入れた後にeSIMの設定を行います。
2-3.電源を入れスマートフォン本体の初期設定を行う
ここではようやくスマートフォン本体の電源を入れます。最初は画面に自動で表示される初期設定のウィザードに従って、国や地域の設定や、利用言語、Wi-Fiの接続設定、スマートフォン本体のパスコード、Apple IDやGoogleアカウントなどの設定を行います。
また、端末の識別番号(IMEI番号)やシリアル番号など必要な場合はスマートフォンが面で確認した内容を資産管理台帳に転記してしまいます。
2-4.VPNやMDM(端末管理ソフト)の設定を行う
スマートフォンは5GやLTE回線のほかWi-Fi回線を利用して利用しますので、企業内のデータへアクセスするためにVPN接続の設定を行う場合があります。VPNサービスによっては電子証明書が必要になる場合もありますので、自社で利用しているVPNサービスのスマートフォンでの利用方法について事前に確認しておく必要があります。
また、MDMと言われる端末管理ソフトを利用する場合はMDMアプリケーションのインストールも行います。企業で社用スマホを運用する場合は、端末紛失時の情報漏洩を防ぐためにもMDMソフトの利用が有効です。
2-5.業務アプリケーションのインストールを行う
業務アプリケーションのインストールは、グループウェアだったりオフィスアプリ、メールアプリ、オンライン会議アプリなどが主になるかと思います。
例えば自社でM365を使っている場合は、Teamsアプリやオフィスアプリ、Outlookアプリなどをインストールします。その際、マイクロソフトの端末認証アプリ(Authenticator)も必要になることがあるのでその際は併せてインストールが必要です。
他にも、GmailやChatwork、Slack、電話帳アプリなど自社のパソコン上で使っているツールがある場合はそれらのスマートフォンアプリもインストールを行います。
また、インストールではないですが、プレインストールされているアプリから業務上不要なものあって削除した方がいい場合は、ここで不要なアプリケーションのアンインストールもここで行います。
2-6.動作確認
スマートフォン本体の初期設定やアプリケーションのインストール、MDMの設定が完了したら、念のため確認を行います。VPNの接続が正常にできるかや、アプリケーションが起動して実際に利用ができるかチェックを行います。
3.キッティングサービスのアウトソーシング
ここではキッティングサービスのアウトソーシングについてご案内いたします。
3-1.キッティング業務はアウトソーシングも可能
世の中では様々なITサービスやDXが日々生まれ、企業の情報システム部門でも扱うソフトウェアやサービス、IT機器が年々増えつつあります。そのような中で、時間がかかるスマートフォンのキッティング作業がまとまった台数で行う必要が出てくると、平常業務を抱えた情報システム部門で行うことは現実的に難しい面もあります。
そのため、キッティング業務は業者に例えば端末管理ソフトの導入や設定も含めてアウトソーシングすることも可能です。
3-2.キッティングのアウトソーシングをすることのメリット
ここではキッティングをアウトソーシングする場合のメリットをご案内いたします。
●情報システム部門の負荷を軽減できる
例えばキッティングをMDMソフトの活用をせずに行った場合は、1台につき30分から1時間程度かかる場合があります。まとまった台数のキッティングを行うには専任で数日がかりで行う必要があります。現実的に社内でやると納期に間に合わない際にもアウトソーシングすることで(事前のスケジュール計画は必要ですが)必要な数のスマートフォンを必要な時期にキッティングすることも可能です。
●一定のセキュリティレベルを実現することができる
外部へキッティングを委託する際は、事前にどういったセキュリティレベルで設定を行うか利用企業とキッティング代行先との間で要件定義を行います。基本的にそこで決めた設定内容が業者によってスマートフォンに設定されるため、一定のセキュリティレベルに設定されたスマートフォンを納品してもらうことが可能です。また同時にスマートフォン導入後に発生するMDMソフトの運用管理についても委託先に対して管理を依頼することもできます。
3-3.キッティングのアウトソーシングをすることのデメリット
ここではキッティングをアウトソーシングする場合のデメリットをご案内いたします。
●コストがかかる
一番のデメリットとなるかもしれませんがキッティングにはコストがかかることが上げられます。自前でやるとなると、社内でMDMソフトの設定や運用を行える余力や人材が必要となるので、自社内でキッティングを行う場合の人件費や余力、納期とアウトソーシングするコストを天秤にかけて判断するのも一つの方法です。
●納期や設定変更など柔軟な対応が難しい場合がある
キッティングにはアウトソーシングする場合でもアウトソーシング先で一部手を動かしてキッティングを行うケースもあります。そのため、アウトソーシング先のリソース不足で希望する納期に納品できない場合もあります。そのためなるべく早めにアウトソーシング先に納期見通しを確認するなど行っていくことをおすすめいたします。
4.主なキッティング代行業者のご案内
ここでは主なキッティング代行業者をご案内いたします。
コメント