人員配置システムで計画業務を安定化!メリット・デメリットや機能をご案内

情シス

企業内にはコールセンター業務や小売業の販売業務、製造業の製造業務など短期や中期で人員配置を行うことの多い業務があります。このような短いタームで人員配置の調整は、比較的高頻度で行われることも多く、人員配置業務に負荷がかかったり、従業員のスキルを把握したスタッフが俗人的に人員配置を行っていることも少なくありません。このような課題に対して、人員配置をシステム化すると、人員配置業務の俗人化を食い止めたり、従業員のスキル情報の登録が必要になりますが更に効率のいい人員配置を行っていくことも可能です。ここではそんな課題が社内にある中堅中小企業の情報システム部門の方に向けて、人員配置システムとはどのようなものかや、企業内での人員配置の一般的な手順、人員配置システムの機能やメリット、課題・デメリットをご案内いたします。この記事を読んでぜひ人員配置システムの選定に進んでみてください。

1.人員配置システムとは

ここでは人員配置システムとはどのようなものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそも人員配置とは

そもそも人員配置とは、会社や支店・部署で何らかの業務があり、その目標達成のために管理者やスーパーバイザー等がスタッフを担当業務や勤務場所に割り当てることを言います。会社内での(中長期での)所属部署の異動自体も人員配置と言えますが、中短期での担当業務や勤務場所の変更も人員配置と言っています。例えば中短期の人員配置の例では、複数店舗のコンビニエンスストアを持っているオーナー兼経営者が、社員やアルバイトのシフトを組む際に、忙しい店舗には閑散店舗から人員をヘルプで持ってきて厚めに配置するなどが挙げられます。
この人員配置は、コンビニエンスストアだけでなく幅広いビジネスで行われており、製造業の製造現場であったり建設業の建設現場、IT業界の開発現場、様々な小売業、コールセンターでも行われています。
これらの人員配置を適切に行うことで売上貢献や間接的な売上貢献を最大化していくことが可能です。

1-2.人員配置システムとは?

人員配置システムとは、スタッフや現場の数が多くなおかつ資格が必要など、人員配置に複雑な条件があった場合でも、効率的に人員配置を計画することのできるシステムです。
最初はエクセルを使って人員配置をしているケースも多いかと思いますが、だんだんと規模が大きくなり人員配置をする管理者側も複数名で行っていると、専用の人員配置システムを利用する方が効率的になってきます。
人員配置システムでは、基本的なシフト管理のような人員配置自体のほかに、製造工程ごとの配置、スタッフのスキルであったり、勤務場所間を移動する場合の距離・時間なども管理することができます。
中短期での人員配置が必要とされる業種・職種では、土日や夜間を含めた営業を行っていることが少なくありません。営業時間が長いタームとなる場合でも人員配置システムを使うことで効率的に人員配置を行っていくことが可能です。
なお、類似した機能を持つシステムとしてタレントマネジメントシステムというものもあります。こちらは考え方が主には人事管理や評価から恥埋まっており社員一人ひとりのスキルをはじめ業務経験歴、学習歴などをシステムで管理し、業務協力のために社内共有したり、新組織を作るための計画作りのほかシフト作成に対応したものもあります。

2.企業内での人員配置の一般的な手順

ここでは企業内での人員配置の一般的な手順をご案内いたします。
人員配置の歴史は長く、古くは手作業で鉛筆とノートでやっていた時代もあれば、時代が進みオフィスコンピューター(いわゆるオフコン)で当時は先進的に行っていたり、職場にパソコンが導入されてエクセルで行っていたり、さらには現在のようにクラウド化された人員配置システムで行うなど、人員配置業務は進化・発展を繰り返しています。
そのような中でも人員配置の基本的な手順は変わらず、次のような定員計画⇒要員計画⇒人員計画⇒代謝計画の4つの流れで人員配置は行われています。

2-1.定員計画

定員計画は一種の定員に関する経営計画のようなことを言います。会社や団体などの組織でそれぞれの事業目標があるかと思います。事業目標とは例えば会社であれば●●を販売していく、病院であれば●●科の診察や治療を行うなどです。それらを行うために、営業部で何人必要で、仕入部で何人必要で、コールセンターで何人必要かなど、定員計画は組織の最上流で必要となる人員計画のことを表します。

2-2.要員計画

要員計画は、定員計画で決まった業務ごとの人数に対して、どのようなスキルの人材が必要か検討して定義していくことを言います。この要員計画はイメージとしては、大きい企業であれば人事部が管掌して行ったり、中堅中小企業であれば、それらの業務を行う業務部門が中心となって行います。これによって人事の採用方針や育成方針が固まってきます。

2-3.人員計画

人員計画は、定員計画で定められた部門ごとに必要な人数と、要員計画で定められた必要なスキルを合わせて、どの部門に誰を配置するかを決定することを言います。主に人員配置システムが得意とするもので、スタッフのスキルや経験業務、所在地などをもとに人員計画を立案します。

2-4.代謝計画

代謝計画(読み:たいしゃけいかく)は、会社や組織の人に関する新陳代謝を加味した計画のことを言います。組織の新陳代謝ですので、退職や新卒採用、中途採用、昇進や移動などを意味し、それらの新入社・退職・異動を加味して定員を運営していくための計画を立案していきます。

3.人員配置システムの機能

ここでは人員配置システムの機能についてご案内いたします。機能はシステムにより異なりますが、ここでは従業員情報の管理機能、従業員のスキル検索機能、従業員のプロジェクトやシフトへのアサイン機能について記載しています。

3-1.従業員情報の管理機能

人員配置をシステムで行っていくうえで、一番の土台となる従業員情報の管理機能のことです。主に基本情報としては、氏名、所属部署、勤務地、住居地、役職、派遣元などがあります。このほかにもスキル情報として、資格、業務経験、研修・学習歴の登録ができたり、評価情報として、人事評価や異動希望、本人のキャリア希望なども管理することができます。

3-2.従業員のスキル検索機能

実際の人員配置に進んでいくために、従業員のスキルやアサイン状況の検索を行います。業務で必要となりスキルや勤務エリアなどを検索条件に指定して検索を行います。

3-3.従業員のプロジェクトやシフトへのアサイン機能

業務要件のスキルを満たす従業員が見つかったら、プロジェクトやシフトへのアサインを行います。人員配置システムの中には自動でシフト作成が行えるものや、コールセンター向けであれば座席図まで作成可能なものもあります。

4.人員配置システムのメリット

ここでは人員配置システムのメリットをご案内いたします。システムによって提供されている機能やメリットは異なります。

4-1.業務の生産性向上

人員配置システムを使うとスタッフの数が多かったり派遣社員なども含めた出入りのある職場であっても、スキルを持ったスタッフをアサインすることができます。スキルを正しく測って登録したりスタッフの頭数など満たしているべき条件はありますが、きちんと運用すると業務の生産性を向上させることができます。人員配置を行ったり変更したりして生産性が落ちてしまった場合は本当に配置がうまくいっていない可能性があります。そのような場合は適宜現場の管理者に見解を求めるなどして、人員配置を修正する必要があります。

4-2.急な欠員や退職、新店オープンなどへも対応しやすい

急な欠員が起こった場合でも、スキル情報が反映された人員配置システムを利用すれば、その時最適なスタッフを補充することが可能です。スタッフを店舗間でヘルプとして融通できる会社の場合は、人員配置システム内の地図を使って移動距離や移動時間を加味して速やかに人員計画を修正することも可能です。

4-3.販管費の削減につなげることができる

自社の社員のほかに派遣社員も含めて人員配置システムで人材融通を行うため、販管費を削減していくことが可能です。業務上、従業員が少なくて業務に支障をきたすことも問題ですが、逆に余剰に労力を投入しすぎてしまうことも問題となります。人員配置システムを活用することで最適な労働量の投入にもつなげていくことができます。

4-4.人員管理業務の俗人化に歯止めをかけることができる

人員配置の調整は従業員のスキルを鑑みながら行うため、エクセルなどの手作業で行っていると一層人員配置業務が俗人化してしまうことがあります。人員配置システムを導入することで、従業員のスキル情報がシステム上で管理されるため過去の経験によらず人員配置業務を進めていくことが可能です。
また、土日や夜間の勤務があるなどの現場で属人的な管理を行うと人員配置の限界に達して人員管理がうまくいかなくなるリスクも十分あります。そのような場合でも人員配置システムを利用することで管理者が複数いる体制下でも効率よく情報共有を行いながら人員配置をしていくことが可能です。

5.人員配置システムの課題やデメリット

ここでは人員配置システムの課題やデメリットをご案内いたします。

5-1.スキルや配置について定性的な要素が抜けてしまう

人員配置システムはシステムの中にはAIで人員配置を行うものもありますが、システムに登録された従業員のスキルをベースに配置を行うため、苦手分野であったり、体調、人間関係、相性などは考慮せずに人員配置を行うことにつながりがちです。このため人員配置システムを使った後に確認をする際に管理者が最終確認するなどして定性要素を補うこともおすすめいたします。

5-2.データ入力や管理に手間がかかる

大前提として人員配置システムは社員のスキル情報や業務経験などを入力する必要があります。最初は登録工数がかかりますが、別に人事システムがある場合はCSVなどで社員データを出力して一括入力することで手間を減らすこともできます。また、派遣社員を採用した場合などには随時、社員情報を追加登録する必要があります。入社手続きのフローに人員配置システムも含めるなどして、ある程度は一括してまとめて登録できる体制にするなど工夫することもおすすめいたします。

5-3.導入や維持にコストがかかる

それまでエクセルなど人員配置業務を手作業で行ってきた環境に人員配置システムを導入する場合は、システムの導入費用や維持費用がそれまではかかっていなかった新しい経費としてかかってきます。この点がネックとなり導入検討が止まってしまうこともありますが、そのような場合はシステムの導入によって人員配置業務の俗人化に歯止めがかけられることや、システム内で社員のスキルを見える化して適任者をアサインできるため、業務自体の生産性向上させることもできることを説得材料にしていくことをおすすめいたします。

代表的な人員配置システムのご案内

ここでは代表的な人員配置システムをいくつかご案内いたします。

特徴 サービス名 提供元
建設業向け ハイチーズ 東海業務ソフト株式会社
建設業社員配置システム JCCソフト株式会社
コールセンター CastingTable4.0 株式会社ミライト・ワン・システムズ
工場 最適ワークス 株式会社スカイディスク
汎用 スキルパズル 株式会社フツパー
Shiftmation 株式会社シフトメーション
人員配置マップ 株式会社ゼンリンデータコム
スキルナビ 株式会社ワン・オー・ワン
fapi 株式会社エフ・ディー・シー

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