タレントマネジメントツールで人事情報を一元化!評価・人事・組織作りに活用

情シス

社内で社員のスキル資格評価業務経歴などがエクセル等でバラバラに管理されていて、人事異動や組織作りなどの人事施策やプロジェクトの人選を行うのに困ったことはないでしょうか。こういった課題に対してタレントマネジメントツールを導入することで、人事情報の一元化や分析を手軽に行うことが可能になり、人事施策づくりや組織の人選検討に活用することができます。この記事では人事についての情報をエクセルで管理されている企業の担当者の方や中小企業の経営者の方に向けて、タレントマネジメントツールの導入でどんな課題が解決できるかやツールの機能のほか、会社に与えるメリット、デメリットなどをご紹介します。この記事を読んでタレントマネジメントツールの導入するためにぜひツール選定に進んでみてください。

1.タレントマネジメントツールとは

ここではそもそもタレントマネジメントツールとはどのようなものかや、タレントマネジメントの起源についてご案内します。

1-1.そもそもタレントマネジメントツールとは何か

タレントマネジメントツールとは、タレントマネジメントシステムとも言われ、自社の人材をスキルや評価・業務経歴などをシステムで一元管理するものです。人事戦略を立てたり、人事評価を行ったり、組織図を作ったり、面談記録を付けたりといったことが1つのツール内で可能になっています。エクセルではなく人事に関する様々な機能が搭載されたタレントマネジメントツールを使うことで、日々の人事業務についても手間や間違いを削減して効率よく遂行することもできます。

1-2.タレントマネジメントの起源

ここではタレントマネジメントについて簡単に解説いたします。

皆さんも普段働いていて「タレントマネジメント」という言葉を聞くようになったのは、割と最近のことではないでしょうか。というのも天海祐希さんが出演するSmartHRのテレビCMでタレントマネジメントを知った方も多いのではないのかと思います。
そんなタレントマネジメントですが、タレントマネジメントという言葉ができたのは1990年代後半のアメリカでのことと言われています。あるコンサルティング会社が発行した書籍で「企業の業績は、優秀なマネジメント人材を強化するための施策を実行しているか否かで差が出てくる」という考え方が提起され、それがタレントマネジメントの起源と言われています。
そんなタレントマネジメントですが、様々なシステムがクラウドサービスを介して安価に手軽に企業へ提供できるようになった昨今、様々なツールがクラウド上で提供されています。

1-3.タレントマネジメントツールの種類

タレントマネジメントツールは、クラウド型オンプレミス(パッケージ)型の2種類に分かれています。ツールの多くはクラウド型で提供されており、オンプレミス型の提供数はあまり多くないのが現状です。

クラウド型は、あらかじめタレントマネジメントツールがWEBサイト上に構築されていて、契約すればクロームやエッジといったブラウザを使ってすぐにタレントマネジメント業務を開始することができます。そのため特段ITの専門知識が導入に必要だとか、専用サーバーを導入しなければならない、といったことは心配する必要は無く気軽に導入して利用開始できます。費用体系もあまり初期費用はかからず月額料金(社員数に応じて月額課金額が増えることがある)となっている場合が多く存在します。代表的なツールには、kaonavi、タレントパレット、SmartHR、HRBrain、CYDASといったものがあります。

オンプレミス(パッケージ)型は、その逆でサーバーを用意したりITの知識がある社員が受け入れ対応をする必要が出てきますが、ツールを自社にあわせてカスタマイズすることもできます。初期費用はある程度かかりますが月額料金は抑えられる傾向があります。代表的なツールには、One人事、人財成長支援システムモノドンといったものがあります。

1-4.無料のタレントマネジメントツールについて

タレントマネジメントツールの中には制限はあるものの無料で利用できるツールもあります。ただ実際には無料で一定期間のトライアルができるものや、一部の機能に限って無料で利用できるというものが主なもののようです。そのため、業務としてタレントマネジメントツールを無料で使い続けることは難しい面もあり、どこかで有料プランに切り替えたりといったことが必要になってくるかと思います。そのため無料プランはお試し導入という想定で利用されることをおすすめしています。

2.タレントマネジメントツールの導入で解決できる課題

ここではタレントマネジメントツールの導入で解決できる課題についてご案内します。

2-1.人材の見える化を行うことができる

プロジェクトの人選であったり、人事施策、人事異動を検討する際に、スキル・評価・資格、能力、業務経験、役職などの人事情報が一本化されていると検討がしやすいものです。ですが、現実にはスキルといったものは現場長が把握していたり、評価も個人ごとのエクセルファイルに入っていたり、資格は入社時の履歴書で書かれていたりと、人事に関する情報はバラバラに保管されていることが多いかと思います。
タレントマネジメントツールを導入すると、こういった情報を社員自身が入力することができるため比較的速やかにツールに情報入力を行い運用できるようになります。もちろんタレントマネジメントツールには社員の顔写真も登録できるので、プロジェクトの人選であったり、人事施策、人事異動を検討する際にも簡単に操作をすることができます。

2-2.人事評価も行うことができる

タレントマネジメントツールには人事評価を行う機能も搭載されているため、ツール内で目標の登録上司による評価を行うことができます。もちろんここで登録された評価は、プロジェクトの人選や人事施策、人事異動を検討する際に呼び出して使うことができます。
人事評価の業務は、システムではなく比較的エクセルで行っていることが中堅・中小企業では多いと言われていますが、システムで人事評価を行うことで継続的に人事評価を記録していくことが可能です。この点エクセルだとブック単位で情報を保存するため過去が振り返りづらい面もありますがタレントマネジメントツールの導入で人事評価も手軽に行っていけるようになります。

2-3.社員の育成計画も立案することができる

タレントマネジメントツールには、社員個人個人の資格やスキルを入力できるため、現在のスキル・資格の保持状況を可視化することができます。
育成方針自体は、部や課単位で具体的に行っていることが多いかもしれませんが、タレントマネジメントツールを導入することで人事部門でも社員の資格やスキルを確認し育成計画を作ることもできます。例えばタレントマネジメントツール上で、現在社員が持っているスキルや資格を抽出して、あるべき姿との差異を分析し、タレントマネジメントツール上でEラーニングを配信する、といったことも可能です。配信後に資格の取得ができているかも、Eラーニングの前と後で資格の取得状況をタレントマネジメントツールで確認することもできます。

2-4.人材の最適配置を図ることができる

社員の顔写真のほか、資格やスキル、現在の組織図もタレントマネジメントツールの中にはあるため、これらを利用してツール上で新組織のシミュレーションを行うことができます。
具体的には、まずツール上で新しい部署を設けてそこに社員の顔写真をドラッグすることで、システム上で新組織の人員構成までを作成することができます。作成した新組織の人員構成を利用して関係者で意思決定していくことも可能です。組織構想の作成はエクセルで組織図を作って、そのあとに名前を入れて、必要に応じて修正して、というような作業はタレントマネジメントツール上で様々な人事情報を見ながら行うことができます。

3.タレントマネジメントツールの主な機能

ここではタレントマネジメントツールの主な機能についてご案内します。

3-1.人材情報の見える化(タレントマネジメント)機能

人材情報の見える化(タレントマネジメント)機能を使用すると、社員データベースを使った社員の基本情報の確認であったり、過去の人事評価を一覧で表示できたり、新しい組織図を作成したり、人事異動シミュレーションを行ったりと、様々な情報を活用して人事施策づくりを行うことができます。

3-2.人事評価機能

人事評価機能では、社員の目標申請から上司による評価の登録といった基本的な評価機能から、面談記録360度評価などの機能もあります。また、MBOやOKRといった手法での評価の進め方にもあらかじめ用意されたテンプレートで対応することもできます。
また補足的な機能紹介としては目標シートの入力が進んでいない社員や評価者に対して入力をメールで催促する機能もあります。

3-3.社員アンケート機能

社員に対して、タレントマネジメントツールを利用して様々な目的のアンケートや調査を行うこともできます。
例えば、社員のモチベーションであったり、異動希望、コンディション、NPS調査など様々なアンケートを行い、結果を自動集計することもできます。

3-4.人材育成機能

人材育成に関する機能は、基本的なスキルや資格の登録機能を中心に、分析機能であったりDXやITスキルを見える化する機能もあります。分析機能を利用すると社内で有能な人材を対象にその人物の特性や業務傾向を知ることもでき育成戦略の立案に活用することもできます。

3-5.データ分析機能

タレントマネジメントツールにも様々な分析機能が用意されています。データ分析の定番機能とも言えるダッシュボード機能はもちろんのこと、時系列で組織としてスキルアップなど様々な指標がどう推移しているかや、複数のデータを掛け合わせた分析も可能です。また、社員個人ごとの業務経歴を図示したり、離職スコア分析や労務負荷分析といったことも可能です。

4.メリット

ここではタレントマネジメントツールの導入で得られるメリットについてご案内します。

4-1.人事データベースの構築

タレントマネジメントツールの導入で一番大きなメリットは、人事データベースの構築にあるかもしれません。新組織や人事異動、プロジェクトの人選を検討する際に、ツール内のスキルや資格、評価などのデータを利用することで、経験や傾向だけに頼らず、精度の高いデータも利用して人事の意思決定をしていくことができます。

4-2.新組織の構築シミュレーションが容易になる

タレントマネジメントツール内の情報を使うと、人員配置のシミュレーションを容易に行うことができます。ちょっとしたプロジェクトの人選から、翌年度の組織改正まで、社員のスキルや資格、業務経歴を分析しながら新しい組織図や人員プランを作成することができます。

5.デメリット

ここではタレントマネジメントツールの導入によるデメリットについてご案内します。

5-1.コストがかかってくる

タレントマネジメントツールの導入にはコストがかかるため、これまでエクセルで人事情報の管理を行っていた場合は基本的には無料でできていたことに新たな経費がかかってくることになります。そのため、タレントマネジメントツールはコストがネックになって導入につまづきがちなこともありますが、導入と運用から得られるメリットを検討することで、導入へ進めることもできます。

6.代表的なタレントマネジメントツールのご案内

ここでは代表的なタレントマネジメントツールをご案内します。

区分 ツール名 提供元
クラウド型 kaonavi 株式会社カオナビ
タレントパレット 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
SmartHR 株式会社SmartHR
HRBrain 株式会社HRBrain
CYDAS 株式会社サイダス
オンプレミス(パッケージ)型 One人事 One人事株式会社
人財成長支援システムモノドン 株式会社くじらシステム開発

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