Wi-Fi7とは?普及が始まった最新のWi-Fi規格の特徴や用途をご案内

情シス

最新のWi-Fi規格であるWi-Fi7 (IEEE 802.11be)は、ようやく対応機器もそろい始めた感もありますが、まだどれくらい速さが出て、既に対応機器は発売しているのか、現在主流のWi-Fi6と比べて違う点は?など、結構わからないことも多いのではないでしょうか。そんな中堅・中小企業の情報システム担当の方々に向けて、この記事ではWi-Fi7とはどのようなものかや、Wi-Fi7の特徴、用途や活用シーン、対応機器などをご案内いたします。通信速度の速いWi-Fi環境は将来的な業務改善につながります。この記事を読んで今後社内の無線LAN環境を刷新する際や新しいパソコンを導入するときに検討できるようWi-Fi7の知識をぜひインプットしてみてください。

1.Wi-Fi7とは

ここではWi-Fi7とはどのようなものか、まず最初に知っていただきたいことをご案内いたします。

1-1.そもそもWi-Fi7とは

Wi-Fi7(読み:ワイファイ セブン)とは、無線LANで使われる通信規格の1つで、2025年8月現在で市販されているWi-Fi機器の中では最速の通信速度を出すことができるものです。Wi-Fi7の通信速度は規格値で46Gbpsとされ、最新のスマートフォン通信速度の5G(20Gbps)よりも(規格上)速い通信速度を出すことができます。Wi-Fi7は通信速度が速いことだけが特徴ではなく、通信の安定性も向上して、かつその裏で電波を効率よく使うという特徴もあります。他にもWi-Fi7は、他のWi-Fi規格や5G・LTEと比べても遅延時間が短いという特徴があり。大容量・高画質でリアルタイム性が求められる円滑なクラウドサービスの利用はもちろんのこと、4K・8Kでのオンライン会議、オンライン医療などでも活用が期待されています。
ちなみにWi-Fi7は日本国内では2023年12月に総務省が認可して現在対応している機器が発売されてきており、その普及が始まっています。

1-2.Wi-Fi7の仕様

ここでWi-Fi7の仕様について簡単にご案内いたします。

Wi-Fi規格 Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be) Wi-Fi 6E (IEEE 802.11ax)
最大通信速度 理論値 46 Gbps 理論値 9.6 Gbps
周波数帯 2.4GHz / 5GHz / 6GHz 2.4GHz / 5GHz / 6GHz
最大帯域幅 320 MHz 160 MHz
変調方式 4096-QAM 1024-QAM

2.Wi-Fi7の特徴

ここでは、Wi-Fi7の特徴を1つ前のWi-Fi規格であるWi-Fi6との違いを交えつつご案内いたします。

2-1.MLO(マルチ・リンク・オペレーション)への対応

Wi-Fi7は、複数の周波数帯を同時に使って通信できるため、1つの周波数帯だけを使って通信するWi-Fi6に比べ、高速に通信することができます。Wi-Fi7は、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯に対応しておりそのすべての周波数帯を同時に使って通信できる(これをMLOと呼びます)のに対して、Wi-Fi6は2.4GHz帯と5GHz帯(拡張規格であるWi-Fi6Eの場合は更に6GHz帯も利用可)のいずれか1つを使って通信します。通信速度は、周波数帯(GHz)が大きくなるほど速くなるため、Wi-Fi7がWi-Fi6に比べて高速通信できる理由もお分かりになると思います。また、MLOはWi-Fi7の低遅延性の実現にも役立っています。

2-2.帯域幅が320MHzの超広帯域幅に対応

帯域幅が320MHzの超広帯域幅に対応・・・と言っても、通信知識にあまり馴染みのない方にとっては、何がすごいのか実感がわかないかと思います。そのためまずは、帯域幅についてその説明に必須となる周波数帯の解説とあわせて川の流れを例えて説明いたします。
まずこれまで、Wi-Fi7では2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の各周波数帯を同時に使えると説明いたしました。周波数帯というのは、川の水の流れの速さであるとイメージしてください。水の流れの速さ=Wi-Fiの通信速度の速さです。実際に、周波数帯の数字が2.4GHz帯⇒5GHz帯⇒6GHz帯と上がるほど通信速度は上がっていくためです。この中で6GHzが一番通信速度が速いです。

説明を続けますと、周波数帯の2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯がそれぞれが川で、一番水の流れが速いのは6GHzの川です。反対に水の流れの速さがこの中で一番遅いのが2.4GHzの川で、5GHzはその中間に位置する川です。
では帯域幅とは何かというと、この例えの中では川の「川幅」にあたります。川幅が狭いと一度に通せる水の量は少ないですが、川幅が広いと一度により多くの水量を通すことができます。Wi-Fi6/6Eの最大の川幅(帯域幅)は160MHzですが、Wi-Fi7の最大の川幅(帯域幅)は、その倍の320MHzです。Wi-Fi7の方が一度により多くの水の量(通信速度)を流すことができます。

実際の水量は、水の速さ(6GHzなどの周波数帯)×川幅(320MHzなどの帯域幅)で算出することができます。つまり、Wi-Fi7とWi-Fi6の通信速度(水量)を比較すると、Wi-Fi7は6GHz×320MHz、Wi-Fi6は通信速度はその半分の6GHz×160MHzとなります。

Wi-Fi7の最大帯域幅は320MHzで、Wi-Fi6は160MHzなので通信容量が倍あります。しかもWi-Fi7は、同時に3つの周波数帯(水の速さ)で通信できるので、1つの周波数帯だけで通信するWi-Fi6と比べて、格段に速く通信できることが、この川幅(帯域幅)と水の流れの速さ(周波数帯)の例えでお分かりになりましたでしょうか。

2-3.Preamble Puncturing(プレアンブル・パンクチャリング)への対応

Preamble Puncturing(プレアンブル・パンクチャリング)というのも、一体何のことやらと、今回初めて聞いた方もきっといらっしゃるのではないでしょうか。
このPreamble Puncturingという機能も、もちろんWi-Fi7の通信速度をアップさせる目的のもので、電波の混雑を回避して速度を上げることができます。
ざっくり簡略化して言ってしまうと、Wi-Fi7では、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つの周波数帯を使いますが、事務所の中では他の通信機器も同じ2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯を使っていることがあります。その場合、以前のWi-Fi6を使った無線LANのアクセスポイントは、他の通信機器が例えば、5GHz帯を使っている際(瞬間)、5GHz帯を送受信することができないデメリットがありました。ですが、Wi-Fi7はPreamble Puncturingという機能を使い、既に他のアクセスポイントが5GHz帯を使っていても、同じ5GHz帯を使ってデータを送受信することができます。
実際には、5GHz帯(周波数帯)といっても、その実態は複数の部屋(この部屋は正式にはチャネルと言います)で区切られています。Wi-Fi6では、1つの周波数帯(ここでは5GHz帯)で1つでも部屋(チャネル)を使っていれば、5GHz帯の他の部屋(チャネル)は使えませんでしたが、Wi-Fi7ではPreamble Puncturing機能を使うことで、例え他の通信機器が5GHz帯のあるチャネルを使っていても、5GHzで未利用のチャネル(部屋)を使って通信することができるため、これもWi-Fi7の速度向上の一翼を担っています。
また、Preamble PuncturingはWi-Fi7の低遅延性の実現にも役立っています。

2-4.QAM(変調方式)が4096-QAMに対応

またまた分からない言葉が出てきたと思われているかもしれません、QAM(変調方式)もWi-Fi7の通信速度を速くしたらしめる機能の1つです。
QAMはここでは無線LANで一度に送信できる情報量のことです。もちろん一度で送信できる情報量が多いほど高速通信が可能になります。このQAM(一度に送信できる情報量)が、Wi-Fi6は10ビットだったのがWi-Fi7では12ビットまで20%ほど一度に送信できる情報量が増えています。

3.Wi-Fi7の用途や活用シーン

ここでは、Wi-Fi7の用途や活用シーンをご案内いたします。

3-1.オンライン会議やクラウドアプリの利用

一見するとオンライン会議もクラウドアプリの利用も普通の業務じゃないかと思われるかもしれませんが、大人数でミーティングを利用していると映像や音声に遅延が起こることもあるかと思います。さらにクラウドアプリを使いながらオンライン会議を利用することもあり大容量の通信環境が必要になる場合があります。Wi-Fi7では低遅延かつ今までにない高速な通信を実現できるようになりましたので現在遅延が発生している環境に導入することで遅延解消のためにもWi-Fi7を利用することができます。

3-2.無線LANの接続数が多くなるオフィスや会議やイベントでの利用

Wi-Fi7は同時接続数は以前に比べて劇的に増えているわけではありませんが、Wi-Fi7は接続者数が多くなる場であっても、低遅延性や通信速度の向上のおかげでWi-Fi6よりも通信の順番待ちが緩和され実質的に大人数が接続するWi-Fiであっても実質的に同時接続性能を向上させることができます。

3-3.4Kや8Kを使った動画のストリーミングでの利用

4Kや8Kといった超高精細映像をストリーミングする際には、高速大容量通信と低遅延を実現できるWi-Fi7が最適です。4Kや8Kのような大容量の映像配信ではスムーズに視聴するためには低遅延性も高速大容量通信の両面が必要になります。

3-4.防犯カメラなど大容量通信を行うIT機器が多い場所や、カメラと同時に多くIT機器を利用する場合

映像を伝送するネットワークカメラを利用した防犯カメラを無線LANで多く運用していたり、同じWi-Fi環境で他のIT機器の通信も利用する場合は、高速・低遅延の通信を実現できるWi-Fi7の利用がおすすめです。ネットワークカメラは、ネットワークを使ってクラウド上に自動アップロードするタイプのものもあり、台数が多いと非常に大きい通信量を商品してしまいます。このような場合でもWi-Fi7を使えば、ネットワークカメラの映像伝送やその他の機器の通信利用も大容量無線通信を利用して行うことができます。
なおWi-Fi7は企業ユース以外にもホームユースでも十分にその大容量高速通信や低遅延性を活用することができます。

ちなみに、ネットワークカメラにAI機能を持たせたAIカメラについてこちらの記事で詳しくご案内しています。よろしければこちらもぜひご覧ください。
⇒AIカメラをリサーチや安全管理に活用!機能や活用事例、メリットなどを紹介

4.Wi-Fi7の対応機器

ここではWi-Fi7の対応機器についてご案内いたします。Wi-Fi7は総務省からの許可が2023年末に出て、ちょうどいま対応機器の普及時期を迎えています。iPhoneもiPhone 16よりWi-Fi7への対応を開始しており、現在ではWi-Fi7対応のアクセスポイントやPC、スマートフォンなどが続々と登場しています。

4-1.Wi-Fi7の規格名はIEEE802.11be

Wi-Fi7の規格名は「IEEE802.11be」と言います。Wi-Fi7との通信に対応しているアクセスポイントやパソコンなどには、IEEE802.11be対応やWi-Fi7対応、また単に「be」とだけ書かれているものもあります。

4-2.Wi-Fiアクセスポイント

Wi-Fi7(IEEE802.11be)対応のWi-Fiアクセスポイントを発売している代表的なメーカーをご案内いたします。メーカー名をクリックすると現在販売中のアクセスポイントを表示します。

4-3.ノートパソコン

Wi-Fi7(IEEE802.11be)対応のノートパソコンを発売している代表的なメーカーをご案内いたします。メーカー名をクリックすると現在販売中のノートパソコンを表示します。

 

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