マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)は、Windowsに標準搭載された無料のセキュリティソフトウェアです。ここではメリット・デメリットの解説やウィンドウズディフェンダーだけでPCの安全対策は十分なのかを中心に、ウィンドウズディフェンダーの基礎知識をお伝えしていきます。この記事を読んでWindowsに付属している標準的なセキュリティ機能を把握し、その他に自社でどんなセキュリティ対策が必要になるかの検討に進んでいただければ幸いです。
1.マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)とは
Windowsに標準搭載されている無償のセキュリティソフトウェアです。基本的なウイルス対策やマルウェア対策を備え、パソコンを外部の脅威から守る役割を担っています。
特徴的なのは、Windows Updateと連携して定期的に脅威への対策が更新される点です。これにより、新しい脅威に対する防御が自動的に追加されます。
実はウィンドウズディフェンダーという名前は、Windows8まで使われていたもので、Windows10以降ではマイクロソフトディフェンダーという名前で使用されています。この記事では、まだウィンドウズディフェンダーという言葉も使われていることから、表記をマイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)としています。
1-1.ウィンドウズに標準搭載されているマイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)とは何なのか
マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)は、マイクロソフトが開発した総合的なセキュリティ対策ソフトウェアです。Windowsに組み込まれており、追加費用なしで利用できます。主な役割は、コンピュータウイルス、マルウェアなどの悪意のあるソフトウェアからシステムを保護することです。
特筆すべき特徴として、常時監視機能があります。システムへのファイルのダウンロードやプログラムの実行時に、リアルタイムでセキュリティチェックを実施します。また、定期的なシステムスキャンにより、既に存在する脅威も検出できます。
企業の運用で重要な点が、マイクロソフトによる継続的なアップデートとサポートが提供されることです。Windows Updateを通じて最新の脅威に対する防御機能が自動的に更新されるため、システム管理者の負担を軽減できるものです。
1-2.マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)の機能は
マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)の主要機能は大きく3つに分類できます。
第一に、リアルタイム保護機能です。ファイルのダウンロードやプログラムの実行時に即座にセキュリティチェックを実施し、不正なコードを検出した場合は実行をブロックします。
第二に、定期スキャン機能です。システム全体を定期的にスキャンを設定することができ、既に侵入している可能性のあるマルウェアを検出します。クイックスキャン、フルスキャン、カスタムスキャンの3種類から選択可能です。
第三に、ファイアウォール機能です。不正なネットワークアクセスをブロックし、外部からの攻撃を防御します。アプリケーションごとに通信の許可/ブロックを設定できます。
これらは自動で動作しますが、必要に応じて管理者が詳細設定を行うことも可能です。
2.長所・短所
ここではマイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)の長所・短所をご紹介します。
2-1.マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)の長所
ウィンドウズディフェンダーは、ネットワーク経由で侵入してくる脅威からもPCを守ってくれます。インターネットからダウンロードしたファイルや、USBメモリ経由で持ち込まれたファイルなども監視対象です。悪意のあるWebサイトへのアクセスをブロックしたり、フィッシング詐欺からのユーザー保護も備えます。ウィンドウズディフェンダーの守備範囲は、PCの安全性を確保する上で必要不可欠な領域をカバーしますが、まだ一般に出回っていない未知のマルウェア(ゼロデイ攻撃)など、脅威すべてを防げるわけではありません。企業内でPC関連のセキュリティを検討する時には、ウィンドウズディフェンダーの利用と併せて例えば、侵入検知システム(IDS)、侵入防御システム(IPS)、エンドポイント検出および対応(EDR)なども導入すると、より強固なセキュリティ体制を構築できます。
2-2.マイクロソフトディフェンダー(ウィンドウズディフェンダー)の短所
以下の短所も考慮する必要があります。
最も重要なことは、企業で必要となる管理機能が不足していることです。いつどの端末にスキャンされ、最新のバージョンなのかといったことが簡単に確認できません。加えて、テクニカルサポートは一般的なWindowsサポートの範囲内となり、専門的なサポートは限定的です。
3.ウィンドウズディフェンダーはパソコンのどこにある?
Windows11では以下の手順でウィンドウズディフェンダーを起動できます。
- 「スタート」ボタンをクリックします。
- 右上の「すべて」をクリックします。
- 「Windowsセキュリティ」をクリックします。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
4.市販のセキュリティソフトを使わずマイクロソフト ディフェンダー(ウィンドウズ ディフェンダー)だけで大丈夫?
ウィンドウズディフェンダーだけでも、基本的なセキュリティ対策は可能ですが、企業においての安全対策としては、必ずしも十分とは言えません。ウィンドウズディフェンダーは、Windowsに標準搭載されており初期コストを抑えることは容易な反面、高度な脅威へは市販のセキュリティソフトに劣る場合があります。
企業の規模や業種、扱う情報の重要度などによって、必要なセキュリティレベルは異なります。市販のサービスもあわせて導入を検討する方が良いでしょう。まず自社のセキュリティリスクを評価し、ウィンドウズディフェンダーだけではリスクを十分に軽減できないと判断した場合は、市販のセキュリティソフトや、その他のサービス(ファイアウォール、IDS/IPSなど)を導入することを検討すべきです。従業員のセキュリティ意識を高めるための教育や訓練も対策の一環として重要です。
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